「【”雨音を愛した世界的音楽家のLast Diaries。"今作は坂本氏が癌に侵されながら最期まで音楽を傍に生きた日々を描いたドキュメンタリー映画であり、ラストシーンには嗚咽してしまった作品でもある。】」Ryuichi Sakamoto: Diaries NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”雨音を愛した世界的音楽家のLast Diaries。"今作は坂本氏が癌に侵されながら最期まで音楽を傍に生きた日々を描いたドキュメンタリー映画であり、ラストシーンには嗚咽してしまった作品でもある。】
ー 今作では、坂本さんは癌を告知されてから、約三年に及ぶ闘病生活を日記に残された。今作はその日記を田中泯さんが抑制したトーンでナレーションで語ってくれるのである。ー
・坂本さんは、東日本大震災で傷ついた音楽を愛する若者達を募り2014年に設立した『東北ユースオーケストラ』を支援し続けていたが、余命半年と癌告知をされた後も、絶望の中、度重なる手術、抗がん剤治療を行いながら、支援を続けている姿が映し出される。涙が出そうになる。
・ウクライナ紛争の映像を見て、且つご自分の状態も鑑みて記された
”音楽だけが、正気を保つ唯一の方法。”
という言葉が、重く響く。
・坂本さんは、癌が発覚してから雨音を頻繁に聞き、林に降る雨の映像を長時間見ているのである。心が休まるのだろうか。
鈴やサンプリングの為に音を拾う姿。常に身の回りに静謐な音を置いている方である。
・読書の質と量も凄い。様々な詩集。哲学書。写真集。民俗学書・・。分野が多岐に渡っている事に驚く。この方は音楽だけではなく、あらゆる知識を求めた方という事が分かるのである。
・盟友であり、坂本さんの二カ月前に逝去した高橋幸弘さんの自宅を、ご本人がご入院されているのに訪問し、手紙を残してくる誠実さ。それにしても、お二人とも70歳代の前半である。余りにも早すぎる・・。
<坂本さんが子供さん達に仰ったという言葉”幸せな人生だった・・。”と、それでも生を渇望するかの如きラストショットには、出張帰りのレイトショーで観たために観客が私一人であった事もあるが、思わず嗚咽してしまったドキュメンタリー映画である。
人生の終わり方を考えさせられた、深い深いドキュメンタリー映画でもある。>
■このような尊崇なプライベートな映像を提供して頂いたご遺族の方々にも、改めて感謝を申し上げます。
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