二対一 東ドイツ通貨統一の夏に発見した大切なこと

劇場公開日:2025年10月3日

二対一 東ドイツ通貨統一の夏に発見した大切なこと

解説・あらすじ

自由と混乱が交錯する統一前夜の東ドイツを舞台に描いた社会派コメディ。

1990年の夏、東ドイツで暮らす幼なじみのマーレン、ロベルト、フォルカーは、旧体制下で廃棄されるはずだった大量の紙幣が残された地下坑道を発見する。貨幣価値を失った金を手にした彼らは、仲間たちと協力して物質と交換する独自の流通網を築き上げていく。西側資本主義に小さな反旗を翻すその行動は、やがて大きな冒険へと発展していく。

「落下の解剖学」「関心領域」のザンドラ・ヒュラーがマーレン、「マトリックス レザレクションズ」のマックス・リーメルトがロベルト、「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」のロナルト・ツェアフェルトがフォルカーを演じた。監督・脚本は、「クリスチーネ・F」の主演や「ネレ&キャプテン 壁をこえて」の脚本などで知られるナーチャ・ブルンクホルスト。日本では、ザンドラ・ヒュラーの出演作を集めた特集上映企画「特集 ザンドラ・ヒュラー 変幻する<わたし>のかたち」(2025年10月3日~、YEBISU GARDEN CINEMA)にて劇場初公開。

2023年製作/100分/ドイツ
原題または英題:Zwei zu eins
劇場公開日:2025年10月3日

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映画レビュー

4.0 興奮は一段落したけれどまだ希望があった時かな

2025年10月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

斬新

実話とは!旧東ドイツ関連の話はStasiとか密告とか暗い話がとても多いので、コメディでなおかつ実話に基づく!で笑えた。そして幼なじみ3人の関係性がとても良かった。西に行って出戻った男、東に留まり職を失った男、客室乗務員をしていて失業した女。女の子の父親は?ザンドラ・ヒュラー演じる女の逞しさと明るさと楽天的なところにほっとさせられた。5人が一つのベッドで一緒に寝ている姿のいろんな形には笑えて幸せな気持ちになった。

旧東ドイツへのノスタルジー(オスタルジー)や当時もう始まっていた大量の失業や倒産には複雑な気持ちを覚えた。服、特に女性の服のデザインや色彩に当時の旧東独っぽさを感じた。車を見ればすぐに西か東かわかるのが残酷だった。ハンガリーとゴルバチョフの力は大きかったなあ。

元ドイツ首相のメルケルが引退するときの式典で彼女が望んだ曲の一つがニナ・ハーゲンの「カラーフィルムを忘れたのね」。その世界は旧東ドイツの温かいのんびりした空気をまとっている。旧東ドイツをテーマにした映画の今後の可能性をこの映画は示してくれている。

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talisman

2.5 通貨は二対一でも、人の価値は一対一だ

2025年10月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

東西ドイツ統一を前に、価値を失った旧紙幣に絡む、ドタバタヒューマンコメディ。

実話に基づくかなり壮大な規模のお話なのですが、アクションのテンポやコメディセンスは、西側(特にアメリカ)のそれに慣れきってしまっているせいか、なんか牧歌的というか、もっちゃりした印象を受けてしまいました。

一方で東ドイツ国民の、そして旧東ドイツ映画人のプライドと心意気みたいなものが強く感じられたところは、良かったです。

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sugar bread