「令和の特撮空想“ガールミーツガール”映画」ブラックホールに願いを! マタタビさんの映画レビュー(感想・評価)
令和の特撮空想“ガールミーツガール”映画
「ウルトラマンオーブ」「ウルトラマンZ」の田口清隆監督のトークショーの日に鑑賞しました。
非常に面白かった!今までロサで観た映画で一番良かったかも。
「空想特撮映画」とお馴染みの前置きをしているだけあって、爆破やミニチュアやVFXなどは盛り沢山のこと、やや小難しい科学考証なども交えて物語は進行するのだが、主人公のみゆきと吉住先生のガールミーツガール映画である、というテーマが一貫して最後までブレず、ブラックホールが生んだ歪んだ時空を軸に2人のドラマを描ききった点が非常に良かった。
主人公を科学班の人間ではなく、総務部のみゆきに据えたのも見事だった。
彼女がある意味で観客である我々の立場で、小難しい科学や理論に混乱しながらも物語に巻き込まれていくのだが、そんな難しいこと知らん!わたしはあの人(吉住先生)と友達になりたいんだ!と言わんばかりに徐々に物語の主軸になっていく姿が非常に痛快でした。
特撮っていうとほとんどの人が怪獣映画やヒーローのイメージだと思うけど、ちゃんと人間のドラマをテーマに描いた作品って実はあまりなかった気がする。
演者の芝居も皆良かった。
特にメインの女性2人に関しては難しい役どころをよく演じ切ったと思う。
これがインディーズであるがゆえに多くの人に観られないのは非常に勿体無いので、是非しぶとく拡大上映してほしいと思う。
多分時間をかけてじっくり人に評価されていく作品のような気がする。
「トップをねらえ!」が大好きな人は間違いなくハマるでしょう。
終演後の田口清隆監督とのトークショーもかなりマニアックで特撮ファンなら思わずニヤリとするような話も盛り沢山で良かった。
是非、すぐにソフト化や配信などせずにしぶとく映画館で上映し続けてください!
