ナイトコールのレビュー・感想・評価
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ベルギーにこんなに黒人が多いとは…
面白かった!
これは面白かったぞ
めちゃ面白かった! これぞ手に汗握るってやつ。 やっぱ日常と直ぐ側...
掘り出し物 キレッキレで小気味いい快作 事件に巻き込まれてしまった鍵屋の若者は夜のブリュッセルを逃げ切れるか?
その昔、仕事でベルギーの首都ブリュッセルを訪れたことがあります。当時は夜間の照明の色に街をあげての規制があり、ネオンサイン等はすべてオレンジか白色系統でなければならなかったはず。統一感があってとてもいい印象だったのですが、この映画を観た限りでは、その規制は今も続いていると思われます。タクシーでの思い出もあります。早朝にホテルから空港に向かうタクシーで運転手にすごいクセ強英語で「どこから来た?」と問われ「日本からだ」と答えたら「見ろ、あいつも日本からだ」と目の前に昇る太陽を示す彼とともに声を出して笑ったのは「日出ずる国」から来たタクシーの乗客の私でした。これ、1980年代後半のお話ですが、当時から、ベルギーは欧州の縮図とか言われ、欧州のテスト市場的な扱いを受けることが多かったですし、首都のブリュッセルは人種、民族の交差点みたいな雰囲気を漂わせていました。日出ずる国から来た青年に気のきいたジョークを言って空港での降車時にチップをはずんでもらった運転手は北アフリカ系みたいな感じでした。
閑話休題。この物語の主人公はブリュッセルで鍵にまつわるトラブルの対応を商売にしている黒人青年のマディです。夜の街を商売道具を積んだライトバンで流し、それなりに繁盛してる感じ。クレールと名乗る若い女性からの依頼で、とある扉を開けてあげるのですが、これがどうも「開けてはならぬ鍵を開けてしまった」みたいで、ここからとんでもない事件に巻き込まれてしまい、追っ手に追われてブリュッセルの夜の街を右往左往するハメになります。
折しも街では BLM(ブラック•ライヴズ•マターという例のあれですな)のデモが行なわれようとしていまして警官隊も街に出動しております。で、絶賛巻き込まれ逃走中の鍵屋のマディ君、BLMデモ隊 vs 警官隊の小競り合いにも巻き込まれたりもします。さて、マディ君、逃げ切れるのでしょうか。
この映画、後から考えてみるとツッコミ所もそれなりにあるにはあるのですが、全篇にわたって淀みや弛みがなくノンストップで小気味よく飛ばしてゆく感じで本当に楽しめます。ストーリー展開も陳腐な紋切型のほうには行かずに予想から少しずつずらしてくる感じでなかなか巧みです。脚本も担当したミヒール•ブランシャール監督はこれが長篇デビュー作とのこと。「こういうのが観たかった」と思わず口から漏れてしまいそうな快作、お見事です。
さて、物語は BLM運動が描かれたことも活かしつつ、少しほろ苦い終わり方をします。マディ君の最後の行動は賛否が別れそうな感じです。でもまあいいじゃないですか。ナイト(night-夜-)にナイト(knight-騎士-)だったわけですから。
スマートな良作、少しシンプル過ぎる90分。
小粋でスマートなイカした導入部から、鍵屋の青年とキーマンとなる依頼者の女とのこれまた小粋なイカした会話、そして一転、物語が走り出す。
ムード満載、傑作の予感。
とても良く作り込まれ、無駄なく緊張感を持続させたまま90分を走り抜ける。
私の大好きなジョン・ランディス「眠れぬ夜のために」の空気感も感じさせる好きな作品だ。
ただ本当にシンプルで作品自体が小さく感じてしまうのが惜しく感じる。
銃撃やカーチェイスもあるが派手さは抑えられており、目を引くのが自転車による逃走シーンぐらいの徹底した抑制ぶりだ。
せめてデモに紛れての追跡シーンぐらいは派手な演出をしても良かったのではと思う。
最後の行動は主人公の人間性のみが動機なので、クライマックスをより盛り上げるには、女に対して彼の感情が揺れる何かのワンエピソードがあっても良かったかも知れない。
派手な大作ばかりでなく、この手の小粒だが洒落た映画が増えることを願いたい。
シンプルな逃走劇として楽しんだ
自宅のアパートの鍵を開けるよう頼まれた鍵屋のマディが強盗に加担したと疑われ拉致されるという始まり。
鍵屋としての脇の甘さが気になったり、拉致してきた奴らの正体が不明だったり、マディの優しすぎるところなんかがモヤモヤしたりするが、総じて面白かった。盗まれた金と犯人を探すというシンプルな目的で、あの組織の正体をあまり明らかにしないままだからスリリングに感じたのかもしれない。
走って逃げるだけかと思っていたら、自転車に乗ったり、車を走らせたりと手法を変えてくる。逃走劇としても飽きない作り。鍵屋、「ブラック・ライブズ・マター」のデモといった設定もいいアクセントになっていてよかった。
上映時間が短めだし、登場人物の作り込みは浅いけど、街中を逃げていくマディを観ているだけで十分楽しめる映画だった。流れていたあの曲、いい曲だったな。
心臓に悪いやつ
ブリュッセル住民の75%が外国ルーツらしい
レビューに釣られて観に行きました😏
夜は決して終わらない
黒人の青年マディは、学生をしながら鍵屋で生計を立てている。
ある夜、若い女性クレールからアパートの入り口の鍵を開けて欲しいという依頼を受け、マディはドアを解錠する…。
見終えた後、「んー」となった。
なかなか良質なクライムアクション映画だったんだけど、ベルギーのアカデミー賞と言われているマグリット賞で10部門に輝く程なのか…。劇中気になっていた事を少し調べてみた。
序盤、終盤にイギリス人歌手ペトゥラ・クラークの「La nuit n'en finit plus」が流れます。
彼女は9歳から歌手活動を始め、1960年代にイギリスの国民的アイドルになった人物のようです。
アイドルとして言われるがままにマイクやカメラの前に立ち続ける彼女でしたが、国民の求める偶像と自身とのギャップに苦しみ次第に歌う事への興味を失っていきます。
そんな折、仕事で訪れたフランスで運命的な男性と出会い、結婚し活動の拠点もフランスへと移行。
そしてタイトルも歌詞もフランス語の「La nuit n'en finit plus」を発表し、フランスのみならずフランス語が公用語の1つであるベルギーでも彼女は親しまれる存在になっていった様です。
歌詞の内容は闇の中、暗い底にいる人間の心情。
物語の背景の1つである「Black Lives Matter」のデモ。主人公マディ、ヒロインのクレア、クレアの兄のテオ。
3人の人生と、ペトゥラ・クラークの人生、「La nuit n'en finit plus」が完璧に交差している。
調べてえがった。
評価がガラリと変わりました。
結末が
派手さはないがキラリと光るクライムサスペンス
カッコいいポスターのクライムサスペンス。このポスターにはワケがある。ベルギーの映画で知ってる俳優がいないから。でもベルギーのアカデミー賞で複数部門とった話題作ということで観に行った。
最近はインド映画も人気だけど、あまり馴染みのない国のコンテンツに触れることは、何かしらの発見がありとても楽しい。今作もブラック・ライヴズ・マターのデモシーンがあり、あのアクションがアメリカだけじゃないと気付かされた。
映画は24時間ひとりで鍵の紛失などのトラブルに対応する鍵屋の黒人青年の話。いつもは、トラブルを解決して感謝される仕事なのに、とんでもないトラブルに巻き込まれる。
さりげないセリフで、彼の普段の生活や周囲の人々との関係性を伝える語り口がうまい。このことが彼がどう考えてトラブルを切り抜けるのか観客に想像させ、物語に引き込まれる。
ラストの着地もエンタメ映画のように終わりよければ全て良しということではなく、きっちり主人公の人間性の発露に落とし込むところが素晴らしい。
配給は、スターキャット。東京在住のボクは知らなかったけど、名古屋の会社で元々プロバイダーから創業し、今はケーブルテレビや映画館運営など幅広く手がけ、年に何本か配給や配信も行ってる様子。
今年は「愛を耕す人」なども配給されたとのことで、こういう派手さはないがいい映画を観ることができて感謝しかない。今後も楽しみにしております。
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