「制御できない本性をもった伴侶とうまくやる方法?それは援護射撃だ!」Mr.ノーバディ2 とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
制御できない本性をもった伴侶とうまくやる方法?それは援護射撃だ!
前作で久方ぶりに復帰した仕事に精を出しすぎて(理由があるのだが)、家族を顧みないハッチは、またもや家庭内で透明人間同然に。冒頭から意図的に前作を反復する作り(お笑い的に言えば天丼)で、バケーション先と場所を変えたこと以外は正直、1作目の焼き直しみたい。ただ、本作では裏主人公として妻目線になっている。そんな夫との関係に一種の危機感というか、彼の中で自分が透明になっているのではないかという不安な気持ち。暗礁に乗り上げる夫婦関係。
かたやハッチの目下の心配事は、息子が自分のようにならないか。『ジョン・ウィック』同様、ちゃんと前作で自分がした行いがトリガーとなって引き起こされる一連の騒動を描く。おでんさん演じるハッチ・マンセルが、マズい相手をブッ倒したがために巻き込まれるノーバディ・フォーマット?情報をくれるバーバーは、『ジョン・ウィック』におけるコンチネンタルのコンシェルジュ=シャロン枠か。そして待ってました、犬!けど、『ジョン・ウィック』と本シリーズを隔てているのは、こっちはあくまで家族の物語だってことだ。夏休みが欲しいだけ!
本編内におけるアクションが始まるまでの時間が早く、また展開の数に対してラストバトルまで体感時間も早かった気がした。つまりそれは裏を返せばシャロン・ストーンもコリン・ハンクスも、いくら頑張っても印象に残らない悪役だってことだ(本シリーズにおいてそもそも悪役を掘り下げる時間が必要ないのかもしれないけど)。何か物足りないような、最近で言えば『ボーイ・キルズ・ワールド』を観たときと近い気持ちになったかもしれない。
今一番アツい殺られ役、ダニエル・バーンハードが、前作のバスシーンに続き再び!彼がこういうシリーズで、作品ごとに何度も素知らぬ顔で息を吹き返して、別の悪役でまた殺られるのは日常茶飯事(『ジョン・ウィック』→『バレリーナ:The World of John Wick』)。とは言いつつ、出てきたときテンション上がった。
今回銀髪の彼は敵の大将シャロン・ストーンの側近・右腕No.2ポジションで、そういう意味では『エクスペンダブルズ2』の"スコアド"スコット・アドキンスを彷彿とさせるから、メジャー大作ではこういう脇役でも小規模アクション映画では主演務めればいいのと思って調べてみたら、『Deathstalker』という今年の映画はタイトルロールで主人公っぽい!気になるな。
あと、最後に書いておきたいのが、カンフー大好きなRZAの、日本傾倒アクション!言っていることが分からない人は、彼の趣味映画『アイアン・フィスト』を観てくれ。華麗な日本刀さばきで家訓を、蛮刀を使うな。
betterhalf
P.S. オアシスと悪天候。
本当は夏に観たかった本作だけど、オアシス来日と同じ週末公開になったということは、オアシスのチケットを取れなかった人々は、本作で暴れるハッチを見てスカッとしようと期待していた!なのに、後ろの席の人には何度も当たられて、映画終わった後に言ったら悪びれもせずに「カバンが当たったんです」ハッ?足かカバンかなんて関係ないだろ。せっかく雨の中、外に出たのに、スッキリするはずがかえって余計にモヤモヤして帰ることになるとは…。ボーっとして帰りの電車、降り過ごすし、本当に最悪の1日だな。
