「最期は笑いすら誘う、ホラーらしいホラー映画」WEAPONS ウェポンズ kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
最期は笑いすら誘う、ホラーらしいホラー映画
『ハロウィン』(’78)以降のスプラッター映画の伝統を継承した、実にクラシカルなホラーらしいホラー。
本作がワーナー・ブラザースの日本国内最後の配給作品とのこと。
栄枯盛衰は世の習い…ハリウッド・メジャーも遂に日本で自社配給するスタジオはソニーとディズニーのみとなった。
殺人鬼が人を攻撃する目的は解らぬまま、犠牲者がターゲットにされる理由も、殺人鬼の能力の根源も、何も明かされることはない。
本作の殺人鬼は自ら手を下さず他人を操って殺人を犯す、『サイコ』(’60)のベイツの母親のごとき存在だ(ベイツの母親は死者だが)。
怪しい一軒家のドアが開くと、いかにも危険そうな人物が観客に向かって迫ってくるところなどは『悪魔のいけにえ』(’74)をも彷彿させる。
開巻間もなく、深夜に子供たちが何かに誘導されるように家を出る。
飛行機を形取ったように両手を広げて、子供たちは音もなく駆けていく。
なんとも神秘的で、美しさすら感じるシーンだ。
大量失踪事件だと予めナレーションされているので、図らずも『ピクニックatハンギング・ロック』(’75)が頭の中をよぎる。
複数の人物による異なる視点で事件の展開を見せていく手法で、主人公がコロコロ変わる。
これ自体は目新しい手法ではないが、まさか主要人物だとは思わなかったキャラクターの主観も見せていくのが面白い。
ホラー色が明確に出始めるとバイオレンス描写が加速し、果ては『ゾンビ』(’78)と見紛うごときエゲツなさときた。
おいおい、子供だぞ〜っ!
と、ストップをかけたくなるが、そういえば『ザ・チャイルド』(’76)というスペイン映画はホラー・ジャンルのカルト・ムービーだったりするなぁ。
突っ込んでもしょうがないが、妖術使いみたいな婆さまは、自分の病気(老化か?)を治したかったのではないのか。いつの間にか殺人鬼に変貌していくのだが、それは子供たちを利用していることに捜査の手が伸びてきたからか。
それにしても、あの妖術は誰にでも使えちゃうってことだろうか…?
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