日記 父と母へのレビュー・感想・評価
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怒りと悲しみ、そして片時の安らぎに彩られた終章
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「日記」三部作の第三作目はユリの視点や感情というよりも、より俯瞰的な視座で描かれているように感じた。
それため、歴史的事実の積み重ねに加え、ヤーノシュやマグダをはじめとする大勢の登場人物が交錯し、やや雑記的になった感はある。
しかし、大晦日の乱痴気から、裁判での破滅的振る舞い、最後の事務的な処刑に至るヤーノシュの鬼気迫る描写は特筆すべきと思う。
またスターリン像の取り壊しや若き犠牲者の再埋葬、ヤーノシュの墓地の荒涼たる様などビジュアルに訴えるシーンもとても印象的である。
マールタの集大成+ユリの成長物語+ハンガリー近代史の貴重な記録としての「日記」三部作。力作!
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