「期待値を下げても潜ってくるシリーズで、相変わらず無駄にキャラが多くて散漫な映画でしたね」ネバーランド・ナイトメア Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
期待値を下げても潜ってくるシリーズで、相変わらず無駄にキャラが多くて散漫な映画でしたね
2025.11.13 字幕 イオンシネマ京都桂川
2025年のイギリス(89分、R15+)
原案はジェームズ・マシュー・バリー
ネバーランドに行きたいサイコパスが少年を誘拐する様子を描いたスラッシャーホラー
監督&脚本はスコット・チェンバース
原題は、『Neverland Nightmare』で「悪夢のネバーランド」という意味
物語は、現在軸の15年前のイギリス・アッシュダウンが描かれて始まる
森の奥にある古屋の中で、お伽話「ピーターパン」を読み聞かせる男(のちにピーターと判明、演:マーティン・ポートロック、幼少期:Oscar Hastings)は、少年たちを誘拐しては監禁する犯罪者だった
彼はサーカス団に所属し、クラウンとして観客を魅了していて、サーカスを見に来た子どもをターゲットにしていた
ある日のこと、ピーターは母ロクサーヌ(Kierston Wareing)と一緒にサーカスを見に来ていたジェームズ(Lucas Allemann、成人期:Harry Whifield)に目をつけた
サーカスで風船を渡した彼は、夜中にジェームズの家に侵入し、母親を殺して拉致をしてしまう
そして、事件は解決されないまま、15年の月日が流れていた
物語は、冒頭の15年後のロンドン郊外の様子を描いていく
そこにはダーリング一家が住んでいて、母メアリー(Teresa Hanham)は大学生の長女ウェンディ(ミーガン・プラシード)、高校生の息子ジョン(Campbell Wallace)、小学生のマイケル(Peter DeSuza-Feighoney)を育てていた
ウェンディは彼氏のロニー(Callum Hymes)に入れ込んでいて、美容室で働き、大学を休学して一緒にどこかへ行こうと考えていた
母は呆れるものの、ウェンディは意に介していない
ある日のこと、マイケルの送り迎えをすることになったウェンディだったが、下校時刻になっても弟は出てこない
学校に問い合わせても居残りはしておらず、一人で家に帰った形跡もなかった
警察に相談するものの行方はわからず、メアリーが探しに行こうとした矢先に、謎の電話が入り、マイケルが何者かに拉致されたことがわかるのである
物語は、誘拐された弟を探す姉がメインとなっていて、マイケルは連続少年誘拐事件の犯人ピーターの元に拉致されていた
ピーターはティンカーベル(キット・グリーン)と一緒に子どもたちを誘拐して、森の奥の小屋に監禁していた
ティンカーベルは自分が妖精だと思い込んでいたが、それはピーターが与える「妖精の粉」と称した薬物によるものだった
映画は、パブリックドメインの悪趣味ホラーシリーズの最新作として、『プー 悪魔のくまさん』シリーズと同じ製作陣によって作られている
本作にも『プー 悪魔のくまさん』シリーズに登場する俳優が「その役のまま登場」していたりするのだが、ほとんど意味を為さないカメオ的な出演となっていた
シリーズの共通の世界観というものはなく、単にお伽話をスラッシャー系ホラーに仕立て上げているだけなので、深いテーマ性というものもない
敢えて言うならば、ピーターパン症候群はヤバいよねぐらいなもので、劇中では「死ぬこと=大人にならないこと」みたいなざっくりとしたものになっていた
幼児性がそのまま大人になっているのだが、やることは子どもがするようなことではないところがネックで、果たしてこの完成度で良いのかは悩んでしまうところだろう
子どもの夢を壊すシリーズではあるものの、そもそも子どもは見ないし、症候群を患ったままの大人も観ない案件であるように思えた
いずれにせよ、予想通りの低クオリティで、ホラー映画なのに怖くないと言う定番のシリーズになっている
ゴア描写が多いので見るに堪えない部分はあるものの、そこまでヤバい映像というものはない
とにかく血糊が見たいんだという人向けの作品なので、「また、好き放題やってるなあ」と距離を置ける人向けの案件のように思えた
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