「耐えることはできたけど怖かった」層間騒音 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
耐えることはできたけど怖かった
ホラーはあまり得意ではないが、ストーリーが面白そうなら観ることにしている。本作は、失踪した妹を探すために奔走する姉が、妹の部屋で聞こえるノイズに振り回されるというホラー。心霊的なものをゴリ押しする感じではないし、サスペンスの要素もありそうなので観ることに。驚かす系のいわゆる「ジャンプスケア」も少ないだろうと期待していた。
でも、いきなりの血走った眼のアップで始まるとは!ジャンプスケアとは言えないかもしれないが、なかなか驚く始まり方だった。それでもジャンプスケアの連続みたいなホラーとは違って、人間の怖さと霊の怖さとどちらも味わう映画でよかった。めっちゃ怖かったけど、ホラーが得意でない自分でも最後まで耐えることのできる映画だった。
たくさんのホラーを観てきたわけではないが、興味深い演出がいくつかあったのは楽しかった。特に、聴覚障害のある姉が補聴器をつけていない状態で感じる恐怖を、スマホの音声認識で表現する手法が面白い。得体のしれない声が聞こえる恐怖をうまく表現していた。聴覚を制限された状態の恐怖はなかなか怖かった。
やはり、ホラー映画として恐怖を演出するための無理やりな設定がいくつかあるのは仕方ないところなんだろうか。いろんな要素を詰め込みすぎたせいで、終わってから結局なんだったの?と整理する必要があった。そもそもあのアパートはもっと評判悪くなって入居者が減ってるくらいでないとおかしいし、意味の分からない地下室の存在も違和感しかない。冷静に考えると何のためにあんな場所を作ったのかと。でも、そんなことを考えるのは野暮か。あれやこれやをホラー映画の様式と受け入れないといけないのかも。
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