ひとつの机、ふたつの制服のレビュー・感想・評価
全15件を表示
デスクメイト
タイトルの雰囲気が好きで気になってた作品が近所にきたので、鑑賞。
W主人公かと思ったら、小愛メインなのね。
導入で小愛や世間の夜間部に対する意識を描き、タイトル後は反発も虚しくしぶしぶ入学。
入学案内に併せて“机友”について提示し、早々に敏敏と交流を開始する。
仲を深める様子は挿入歌に乗せてダイジェスト。
この演出は全部で3回ほど使われ、そのため大味ではあるがテンポはよく、必要な情報は入ってた。
敏敏や路克と交流していく中で、非常に分かり易くいくつかの火種が撒かれる。
展開はド定番のため、これにいつ火が点くかをニヤニヤしながら見守ります。
何につけても小愛が可愛い。
ハニカミ笑顔も、ふくれっ面も、最終盤の変顔まで、終始愛くるしさを振りまいてくれる。
見栄をはるのも「バカだなぁ」なんて思いながら、恋心ゆえに納得はした。
敏敏は嫉妬心からいぢわるもするし、路克はもっとちゃんと追いかけろとは思う。
しかしいずれも年齢を考えれば悪印象まではいかず、メイン3人の好感度が作品を爽やかにしてた。
全日制との対立や、超との手紙の一件はあまり必要なかったかな。
(“ニコール•キッドマンの手紙”とか出していいのか、と思ったら…)
関係性が曖昧に終わるのは賛否別れそう。
でも、友情•恋愛•家族愛•受験など、多くを入れ込みながら綺麗にまとまっていた。
母の節約の理由もよかったが、料理は…笑
20歳のコなど脇を絡ませすぎないバランスも見事。
ベタだけど後味のよい、青春映画の秀作です。
アラレちゃん眼鏡の小愛と敏敏の青春
90年代の台北で全日制と夜間部に通う女子高生の青春、友情をテーマにした作品。チェン・イェンフェイさん演じる、事情があって夜間部に通うことになった小愛の眼鏡が、アラレちゃん眼鏡に見えてしまいました。(ちょっとデカすぎると思うけど)
全日制に通う敏敏は、日本でも居そうな高校生という感じ。この2人(机友)の友情の描き方が、違和感なく良かったです。
後半 2人の関係がまずくなりそうになりますが、仲なおりできて良かったです。
2人が憧れるルークは、イケメンでしたね。
小愛の母さんの2人の娘を思う気持ちも理解できました。母さんの倹約ぶりは見事でした。ある意味見習うべき点があります。
(ラスト近くの夕食は要りませんが…)
ビデオ屋のお兄さんは、親切で良い人だと思って観ていましたが、がっかりでした。
鑑賞していて爽やかな感じの映画でした。
同じキャストで大学入学後のそれぞれの青春と友情を描いた続編を製作して欲しいと思いました。
なぜ、心が落ち着くのだろう
時代は90年代後半の台北、21世紀に入って台湾は古い文化を残したまま、爆発的な発展を遂げ、コロナ禍でも、どこよりも素早く対策を打ち出し克服している。その背景には、教育制度があるのだろう。
当時「夜校」と呼ばれていた「進修補修学校」に通っていた女子高生が主人公。なんと言ってもよかったのは、母と娘が本音でぶつかるところ、母は、自分の経験から高等教育(大学)を娘に受けさせようとする。娘は、名門女子校に落ちたのに、なぜ同じ高校に併設されている「夜間部」に通わなければいけないのか納得できず、母親に食ってかかり、言っても仕方のない「貧しさ」に関する恨みをぶつける。この「進修補修学校」には、昼に働き、夜に通ういわば「社会人高校生」と夜間部の生徒がいて、しかも「日校」の生徒たちと机を共にする。学力も違うので、昼と夜の生徒の間に争いが起きない方がおかしい状況だった。
もう一つ大事だったのが、99年9月21日に起きた大地震、地域によっては、震度7に相当する揺れがあり、彼の地では20世紀最大の地震。大きな被害がでたが、この地震により、台湾の人々の心は一つになり、母と娘の間にも和解が訪れた。
ここで一つ忘れてはいけないことがある。それは、この921地震の時、同日夜に、日本から緊急援助隊が派遣されたことだ。その後、多額の義援金が、日本赤十字社から送られたこともよく知られている。それだけではない。この時の恩を決して忘れなかった台湾の人々は2011年3月の大震災に際して、総額253億円もの義援金を日本に送った。この時をきっかけに、現在のような日本と台湾の関係が生まれた。そのことを、思い出させてくれた映画だった。隣の国との関係が、微妙になりつつあることが懸念されるが、この映画には何の責任もないので、観たことを忘れないうちに、書いておく。
台湾の90年代
他にもこの年代の映画は多くあり、スラムダンクがいつも出てくる。それだけで親近感が湧く。そして、当時の台湾文化がわかるのもいい。台湾好きには心地よい。携帯はなく、ネットも普及初めの時代には、純愛がよく似合う。主演の女性は25歳という事ですが、とても可愛らしく役柄にとても合っていました。
爽やか台湾青春映画
若いということは、
それだけで素晴らしい!
限りない可能性を秘めていると思います。
台湾の教育制度について知識がありませんが、名門大学の入試をパスすることは大変なことでしょう!悩みが無いように見えていて、それぞれに悩みや劣等感を持ちながらも頑張っている.主要な4人はみんな良い子で、みんなを応援したくなります。
その後の4人の人生の続編も観てみたいです。
青春だなぁ
とても懐かしい青春の甘酸っぱいような感じのする映画。
時代も25,6年前で、舞台も台湾なのでもっと昔のようにも感じる。
高校生なので思春期真っ只中よりは少し上だけど、幼さが残り素直になれずコンプレックスでいっぱいな女の子。
三角関係になって、めっちゃカッコいい男の子がさえない方を選ぶというところがありふれた少女漫画っぽいけど、演じてる女の子達が全然嫌味がなく可愛かった。
お母さんの気持ちが年を重ねると痛いほどわかる。
いいなぁ女子校!共学しか知らないから憧れる。
昔ってどこの大学に受かったかなんていう個人情報が新聞にフルネームで掲載されていたとは…
日本語タイトルはもっと考えてくれー
舞台や時代はもちろん、テイストも香港映画とも中国映画とも異なっている台湾映画。本作もシリアスな背景に昔の少女漫画的な要素も交えて楽しませてもらいました。主役級の男女が皆可愛らしいのも大切な要素。展開も正しく楽しく、109分間退屈せずに楽しめました。
しかしなんだよこの日本タイトルは。口コミに期待すべきサイズの映画なのに覚えられないよ。パンフレットの表紙にすら書かれていない、こんなのは初めて見た。原題と全く関係ない日本語タイトルでも別に良いんだけどこのタイトルはなかったかな。「デスクメイト」でどうかな。
一つ気づいたこと。ニュース画面で「北市」の表記。台北市は北市と略されるのか。
もう一つ、万国旗に大陸の旗は無かった様な。ちなみに大陸の万国旗には民国(とたまに日本も)無かったりします。
おかっぱメガネのアイ「アイの青春」
1997年の台湾の高校制度、学歴競争の時代背景があり、夜間部と昼間部で同じ机を共有するペアが交流する机バディという設定が面白かったです。友情、恋愛、大学受験、母娘の喧嘩など、高校生の青春が詰まった成長物語で教養映画の趣がありました。主人公のアイ、机バディのミンは可愛らしく、ルークは好青年。キャストは好感でした。映画館ではときおり笑いや、アイの成長シーンで涙しているかたもいらっしゃいました。
題材、設定が素晴らしく面白い作品
台北の女子校を舞台に、全日制と夜間部で同じひとつの机を共有する「机友」と呼ばれる2人の少女、そして1人の青年。
そして制服は全日制と夜間部では胸の刺繍の色が違うふたつの制服になっている。
ひとつの机から始まる友情とふたつの制服からなるストーリー。
スラムダンク、ビーチボーイズ、ルーク・スカイウォーカー、アルマゲドン、そしてトム・クルーズとおしどりだった頃のニコール・キッドマンなどのキーワード。
そして貧富の差や大地震などの史実を交えたノスタルジックな世界は、それを知る者、知らぬ者を問わず魅了する。
そして誰しもが抱く青春時代特有のコンプレックスからくる見栄や嘘という全世界共通の感情を繊細に、とても上手く作り込まれていて感心する。
ペンケースのくだりなどは秀抜だ。
ただ惜しみなくは3人の物語を上手く処理しきれておらず、結局は主人公の小愛の1人の物語で終わってしまったのが残念。
お母さんの徹底した節約精神の思いの告白には涙するし、食に対する節約には爆笑して子供たち同様に吹き出してしまう。
ビタースイート
台湾の青春ガールズムービーかと思いきや、キャラクターたちの家庭事情、貧富の差、台湾の教育事情など様々な物が絡み合って複雑なストーリー。
オッサンが観ても恥ずかしくなく、かと言って懐かしさだけでも無い。
現実の残酷さを描きつつも前に向かう明るさが良い。
主役とバディの魅力さ!周りの友人や2人が好きになる彼氏も嫌味なく良い奴。
観終わった後もニコニコしてしまう爽やかさ!
悪女に憧れるメガネっ子
1997年の台湾の女子高。
昼間部には理数特進クラスもあり、バリバリの進学校になる課程で、夜間部は働きながら学ぶ者たちのそれではなく昼間部のいわば2軍だった。入学式は昼間に合同で行われ、制服はグリーンのポロシャツ。左上には刺繍が施され、昼間部は太陽の黄色、夜間部は月の白。
1年時は机の引出しも共有。
机友(きゆう)というらしい。
嫌がらせにネズミの死体なんか入れる奴がいるんじゃないかと思ったら、生きてるハツカネズミを飼ってる娘がいて、ちょっと微笑ましい。
学校は2倍儲かるけど、教師もモルモット並みに働かせられているに違いない。
お金持ちの子女で垢抜けていて、夜遊びもイケてる昼間部の敏敏(ビンビンではない)は昼間部に合格しなかったメガネっ子の小愛(シャオアイ)を昼間部の制服に着替えさせ、校外に連れだす。
小愛の父親は早くに亡くなり、元教師の母親は子供を集めて学習塾をやって、ふたりの娘を育てている。鶏の唐揚げの次の日の晩御飯は食べ残しの骨と大根の煮物だったり、妹の余った母乳入りホワイトシチューだったりと超倹約家。
敏敏に引け目を感じていた小愛はアルバイト先の卓球場で敏敏の彼氏のルークと出会い、机のみならず彼氏を共有、独占しようと企むが····
高3の統一試験発表までが描かれる。
ニコール・キッドマンに憧れる小愛は
卓球メガネ女子。
卓球愛ちゃんはそういえば台湾の高身長男子と結婚して·····
敏敏役はオールナイトフジの秋本奈緒美似。
彼氏を机友に盗られる杞憂なんて、これっぽっちも感じてないそぶり。
小愛役は森七菜っていうか伊藤麻衣子似。
最後ちょっと寝てしまって、小愛が志望大学に受かったのかどうかわからなかった😩
小愛の進路
90年代の台北を舞台に、受験のプレッシャーの中の女子高生のドラマ。気になる男の子との関係や、親との対立とか、わりと少し前の少女マンガ的なテイストが好きなら面白いとおもう。
で、この映画のラスト、大学受験の結それが果なのだけど、映画では公開されなかった少愛の進路はどこだったんだろうか?
最初、台湾師範大学かな?と思ったのだけど、しばらくして、実は科技大では?とか思った。まあ、物語的には、それがどこかは重要ではないのだろうけど、つい主人公に入れ込むと気になるんですよ。。
とにかく可愛い
女子校の定時制に入った女の子が主人公なんだけどさ、その高校では全日制と同じ教室使うから、同じ机を使う「机友」ってのができるらしいのね。その二人が主演で話が進むの。
途中のテーマは『身分違いの恋』っぽいの。
主人公は貧乏なんだけど、両想いになった全日制の男の子はいいとこの坊っちゃんなのね。
でも主人公は全日制の生徒だって嘘ついてるの。成り行き上ね。
二人が両想いになってくとこいいんだよね。いかにも高校生らしい恋愛で。
でも幸せの絶頂みたいになったところで「好きな相手なら、嘘も含めて認めてくれるはずだ」と浮かれちゃったことを思い出すんだよね。もう完全なフラグ。
そしてお約束だけど、机友の全日制の女の子も同じ男の子を好きなの。
それで机友の女の子は、つい意地悪しちゃうんだよね。
ちょっと意地悪するつもりだったのに、予想以上に大きな話になっちゃって。
お母さんとも喧嘩しちゃうんだよね。「なんで、こんなに節約するの」「それで心が貧しくなるんだ」って言って。
これへのお母さんの返しの「節約するたび、娘たちの未来が見える」は泣いたね。こんなセリフを書ける脚本家すごいよ。
友情も壊れ、お母さんとは冷戦になって、支えにしていたニコール・キッドマンからの手紙もたちの悪いイタズラだと分かり、さあ、どうすんだ!?
ってところで地震がくるね。
それで全てが丸くおさまっていくのがいい。ケンカって、そんなささいなもんだよね。
最後はみんなのわだかまりもとけて、志望校合格が無事に決まって、めでたしめでたし。
女優さんがみんな可愛いのがとにかく良かったけど、脚本もうまいんだよね。
「うちはどうしてこんなに貧乏なの?」「じゃあ墓参りでお父さんに聞いてよ。どうして叔父さんの保証人になったのって」とか自然なやり取りで事情説明やっちゃうの。
説明に邪魔されずにストーリーに集中できるのも良かったよ。
台湾の学生恋愛もので日本公開になる作品は間違いなく面白いから、観ると良いと思うよ。
コンプライアンス時代の「夜学の女」
ちょっと懐かしい学園風景に浸れるかと思いきや、これは台湾の中高生に向けたキラキラ映画だったのだろうか。すみません、自分たち中年以上の男性が観客で、という気持ちにさせられた。
同じ名門女子高校で、夜間に学ぶ小愛(シャオアイ)と全日制の敏敏(ミンミン)が机を共有する話。学歴コンプレックスを抱える母子世帯の母が、娘に希望を託して名門校の夜間に入学させたという背景は面白い。
夜間部の主役が勤労学生でなくなったのは日本と共通だが、日本の場合は不登校生の受け皿、台湾は学歴挽回のチャンスになっているのね。
優等生のミンミンはただ勉強ができるだけじゃなく文武両道。シャオアイに制服の交換を持ちかけて校門の見張りをくぐりぬけたり、夜のライブハウスに誘ったり。同じ男子生徒を好きになってしまうのも、青春映画にお約束の展開だ。
ミンミンに抜け駆けしてシャオアイとイケメン男子が仲良くなるところは十分ドキドキした。
ついていけないのは、シャオアイに降りかかる困難とその切り抜け方にひねりがなさすぎること。夜間部に偏見を持つ女性に遭遇する場面が典型的だが、「さぁ嫌なことが起きますよ」という描き方で憎たらしさを感じる暇もない。全日生と夜間生が衝突する場面も唐突に始まり、「先生が悪かった」と取りなして終わる。
まさかとは思うけれど、偏見を避けるために学歴コンプレックスや差別をリアルに描くのはやめましたということなのか。
原題の「夜校女生」がスクリーンに出てくるところは期待感が高く、いっそのこと「夜学の女」をレトロに振り切って描いたらどうだったかな。それとも、差別が見えにくくなった現代で内面のコンプレックスと向き合うか。この映画はどちらにもなっていないと思ったのだ。
主人公シャオアイちゃんの眼鏡っ子ぶりはとてもよく、重みのある大人が受け止めてくれればもっと演技が生きたのでは。
母の描き方次第では大人の共感を誘い、余韻がある映画にもできただろう。しかし劇伴が鳴りっぱなしのこの映画は、そうする気がなかったのだろう。
全15件を表示










