「登場人物の本音を探る」3つのグノシエンヌ 日比野さんの映画レビュー(感想・評価)
登場人物の本音を探る
江戸川乱歩の短編「一人二役」を原案にしたストーリーで、時代を現代に変えたもの。
乱歩の物語はあの時代を舞台にしてるからこそ設定が映えるわけで、現代にしてしまったら「らしさ」が半減じゃない?と観る前は思っていました。
冒頭こそまだそれを引きずりながら観ていましたが、段々原案とは異なっていく設定とストーリー、全員巧みな役者陣の演技、「バレるのではないか」というハラハラ感に引き込まれ、あっという間にエンドロールに辿り着いてしまいました。
原案と異なるといっても、乱歩を現代に馴染ませるための納得の展開だと思えます。
最後の10分くらいは特に見応えがあり、今まで積み上げた感情をガラガラと崩した上で、「さぁあなたの思うストーリーを作ってご覧」と言われた気がしました。
とても面白かったです。
映像とセリフを受け取るだけでなく、登場人物の心の内を探りたいと思う人にオススメです。
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