「栄光の架橋」栄光のバックホーム ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
栄光の架橋
阪神がアレをした時に横田選手の事を知り、その横田選手の闘病含めた人生を綴るドラマという事で、先行試写会にて鑑賞。
特典は野球チップスカードの横田選手デザインでした。
ストーリー自体は実話を元にしているのもあってしっかりはしているんですが、観客を泣かしてやろうという考えが見え見えで、露骨な演出がとにかく寒いですし、現実ならば感動的なものをエンタメに変に落とし込んだせいで感動ポルノになってしまっていたなと思いました。
実際の監督やコーチ、選手との関わりがあった人物だからこそ横田選手のエピソードをたくさん引き出せるだろうなと思いましたが、名優たちを起用しながらそのエピソードがぶつ切りでお出しされるので全然感動につながらないですし、野球選手としての苦悩よりも闘病にやはりフォーカスが当てられるので、肝心のプレーの凄さもイマイチ伝わってこないのがモヤモヤしました。
野球選手人生を終えてからはとにかく闘病ドラマが続くのですが、現実だと何度も何度も死の淵から這い上がるのは感動的なんですが、映画だと何回も死の淵が訪れるたびに死ぬなよ死ぬなよ!と感動的に見せられるんですがさすがにくどすぎて胃もたれしました。
それに加えてお母ちゃんのポエミーなセリフが連発されるので、違うそういうことじゃない、そんなんでは泣けない、ありのままを見せておくれよ…と首がグリングリン回りました。
もちろんグッと来るシーンはあるんですが、それが訪れるたびに泣きに持っていこうとするので冷めますし、役者陣の演技のバランスがバラバラだったのもなんだかなぁって感じです。
本編よりもエンドロールの方がグッときました。
横田選手や横田選手の周りの人々の優しさがあったからこその人生なんだなと思いましたし、横田選手に感銘を受けたのが横田選手を演じた松谷さんというのが明かされたのはおぉっとなりました。
それと同時に寺西くんを起用しているのはファンを呼び込むためというのは理解できるんですが、ちょっと金儲けに走ってない?となって興奮と同じタイミングで冷めてしまいました。
決して寺西くんが悪いのではなく、起用する側のブレが感じられて嫌でした。
全体的に音楽も謎なものが多く、感動的なところでオシャレなバーで流れるような音楽が流れるので話の腰を折るようでしたし、ババーンとでかい音で盛り上げようとするのも逆効果だったなと思いました。
「栄光の架け橋」は沁みました。
こんなことを言ってしまっては元も子もないのですが、実話の闘病ものって映画やドラマになるとどうしても演出が入ってしまってきな臭くなってしまうんですよね。
アンビリバボーや仰天ニュースでの特集でじっくりやってくれた方が心に響くのになとは思いました。
啜り泣きは至るところから聞こえてきたので、感動できる人にはばっちし合うと思います。
うーんハートが薄汚れたもんです。
鑑賞日 11/11
鑑賞時間 18:30〜20:45
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