劇場公開日 2025年9月26日

「ドニー・イェンが魅せる“闘う検事”の熱き正義」プロセキューター おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 ドニー・イェンが魅せる“闘う検事”の熱き正義

2025年9月28日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

斬新

■ 作品情報
監督・主演・製作はドニー・イェン。主要キャストには、ジュリアン・チョン、フランシス・ン、マイケル・ホイ、ケント・チェンらが名を連ねる。脚本はエドモンド・ウォン、アクション監督は大内貴仁。香港と中国の合作映画。

■ ストーリー
元香港警察の熱血警部フォク(ドニー・イェン)は、警察を辞職し検事へと転身する。ある日、麻薬密売容疑で起訴された青年が有罪を認めることに違和感を抱いたフォクは、独自に事件の捜査を開始。その過程で、法曹界と裏社会が結託し、法を悪用して利益を得ている巨大な陰謀に気づく。フォクの行く手には次々と刺客が送り込まれるが、彼は検察内部の圧力と対峙しながらも、真実を追い求め、若者の無実を証明し正義を貫こうとする。

■ 感想
まず圧倒されるのは、ドニー・イェンが検事という役どころでありながら、その圧巻のアクションを惜しみなく披露している点です。冒頭の緊迫感あふれる銃撃戦から始まり、駐車場での襲撃、多人数を相手にした見事な立ち回り、そして地下鉄内でのトリッキーなアクションまで、あらゆるシチュエーションで観客を飽きさせない工夫が凝らされています。次々と繰り出されるアクションのバリエーションに、すべて忘れて見入ってしまいます。

同時に、単なるアクション映画に終わらないのが本作の魅力です。法廷での逆転無罪を勝ち取るまでの過程は、リーガルドラマとしても骨太な見応えがあります。悪党たちの繋がりが少々わかりにくく感じたものの、その分、型破りな主人公フォク検事がしだいに他の検事たちを巻き込みながら真実を追い詰めていく姿はわかりやすく、地味ながらも熱いものが込み上げてきました。香港の法曹界と裏社会の癒着という、重厚なテーマを扱いながらも、エンターテインメントとして昇華させている手腕はお見事です。

そして何よりも驚きだったのは、本作が実話を元にしているという点です。もちろん、これほどまでのアクションをこなす、警察あがりの検事が実際にいたわけではないでしょうが、それでも根底にある社会の闇や正義を追求する熱意は伝わってきます。ドニー・イェン演じる“闘う検事”が、法廷と街中の両方で正義を貫く姿は、異色のヒーロー像を体現しているようにも感じます。なかなかおもしろく、印象に残る一本です。

おじゃる
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