ハウス・オブ・ダイナマイトのレビュー・感想・評価
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戦闘シーンのない「戦争映画」
ドコからか米国へICBMが発射されてからの20分程度を、複数人物の視点で描く。
戦闘シーンはない。それでも臨場感、緊張感の演出はさすが。
大昔に見た「パトレイバー2」を思い出した。あれは「所属不明の戦闘機の接近」が「画面上」のみで描かれていた。
あとは「羅生門」みたいというのかな。
誰の視点か、によって状況の見え方が違う、という点で。(本作の場合、いずれも「米国の側」なので、羅生門とは全然違うが)
本作のような描き方なら、低予算で作れそう、って思ってしまった。登場人物は少ないし、最低限のセットがあれば良いので。(本作は豪華キャストなので、決して低予算ではないだろうが)
とにかく、戦争映画の新たな傑作の誕生、と言える。
明日にも起こりそうな“有事“
シナリオ段階での忖度なのか、配慮なのか、敵国は特定されず、ICBMの発射地点も不明、大統領は金髪の白人ではなく黒人。もちろん個人主義国家なので“お国のため”になんてお題目は軽視しても赦されるし、どの映画でも同じだけれど、アメリカの有事とは国に降りかかる危機ではなく、家族の大事なんですね。自分の家族が最優先。すぐ別れてしまうくせに夫が、妻が、子供が、と言ってオタオタする。日本だったら大変だけど、欧米諸国では国のトップが身びいきであってもあまり非難されない。イギリスのサッチャー首相の息子がパリダカールラリーに出て砂漠で行方不明になった時、フランス軍が捜索してましたね。
核ミサイル着弾のカウントダウンの最中に 、実は迎撃出来る確率は61%なんて事実を知らされたり、街中の能天気でゆる~い日常生活風景を挿んだりとコントラストの妙で恐怖を煽ってコワガラセル。監督お上手。
それにしても、政権の高位にいないと避難者リストの優先順位にもれてしまうんですね。さしずめ現実なら、“トランプ周辺”が救われてシェルター行き。生き残っても嫌なメンツだなー。
問題は報復のアリナシ。映画では無い方に振られているが、現実は? 大統領就任時にほぼ“覚悟”は出来ているし、様々なインタビューを受けるのでシミュレーション済み。お勧めは?なんて迷いはない。北朝鮮/中国国境あるいは北朝鮮/ロシア国境に向けて打つとおもわれる。どちらも後の“言い訳”がしやすいので。あっ、そうそうロシアは自動報復システムなので、会議無し、大統領の意思決定無し、ミサイルが飛んできた方向に躊躇なく撃ち返します。
『宝島』の レビューにも書きましたが日本だと六本木の米軍基地が全国の中枢指令部なので、ここはアブナイですね。アメリカ大使館も近いし。
では何処が安全か? 基地も無い、原発も無い、災害も無い、熊も出ない………う~ん難問ですね。
限られた時間、情報のもとでなされる究極の判断、行動、意思決定
その昔、モノの本で、人の判断や行動の規範になっているのは、おおよそ理性3割、感情7割である旨、読んだことがあります。この割合の妥当性はともかくとして、ビジネス上の意思決定で、トップが部下それぞれをすべて人件費に換算して冷徹な判断でプロジェクトにゴーサインを出したりすると、「うちの社長、安月給でこき使いやがって」と部下から感情的な反発が返ってくるかもしれません。もっともビジネス上の意思決定なんぞ、ここ日本では稟議書とか決裁書とか呼ばれる書類を社内でぐるぐる回して、スタンプラリーよろしく何人かの部門長がハンコを押して、ラリー完了後プロジェクト開始なんてことをやってるわけですから、甘いと言えば甘いです。企業体質にもよるとは思いますが、大手企業ともなれば、スタンプラリーの旅程(?)はより長くなり、その意思決定によって始めたプロジェクトが失敗したところで「みんなでそれなりに時間かけて決定したことだから、俺っち、責任ないもんねーっ」と責任の所在はうやむや、失敗の根本原因もまともに分析できないなんてテイタラクが待っているかもしれません。
まあそれでも、せいぜいがカネをドブに捨てるようなマネをした、場合によっては倒産ぐらいまでのお話ですから、たかが知れたものです。状況が深刻になって社内で皆が眉間に皺を寄せて会議していると、誰からともなく「まあまあ、命まで取られるわけじゃないから」という話が出てきて、まあ皆さん、それなりのレベルでハラをくくるわけです。
ところが、この映画では意思決定の如何によっては億単位の生命が失われる可能性があるわけです。もう既に1千万程度の人命が失われる可能性が高い事態には追い込まれています。その先をどうするかについて、非常に限られた情報と時間の中で意思決定をしなければなりません。
始まりは日本海のどこかの海中から発射されたミサイルでした。潜水艦からの発射と推定されますが、アメリカはどこの国のものか特定できませんでした(この物語の重要なポイント)。そして、なんとそのミサイルはアメリカ大陸に向かって飛行しているのです。このままじゃ、シカゴのあたりに着弾してしまう。ええぃ、迎撃ミサイルで宇宙の藻屑にしてくれるわ、ズドーン。あれれ、ハズレちゃった。なにぃ、成功確率が61%とな、コイントスとあまり変わらないんじゃ…… そして、運命の時が刻一刻と近づいてくるのです。
ここで現在のこの状況を知り得る政府や軍の関係者の中には「感情7割」のほうを発動させ、緊張の続く職務の合間を縫って愛する人たちに連絡する者たちも出てきます。あの人とはもう二度と会えないとハラをくくったのでしょうか。国防長官はシカゴにいる娘に電話し、娘に最近付き合い始めた相手がいることを知り、感無量となります。とりあえず娘は幸せ感じている状態で死ねるとでも感じたのでしょうか。彼は終盤に緊張状態から一気に解放される手段を取ってしまうのですが。
そして、アメリカ合衆国大統領。彼は予想爆心地からできるだけ遠い安全な場所に移動する飛行機の中で、特殊な訓練を受けた軍人から、こういった場合での対応マニュアルの説明を受けます。ここで問題となってくるのがミサイル発射国が未だに不明であることです。今やシカゴ付近を目がけて一直線のミサイルを放った国は、二の矢、三の矢を放ってくるのが予想されますので叩いておかねばならぬ、でも、叩く相手がわからないときています。ロシアか中国か北朝鮮か、はたまた、イラン、ここはまだ核兵器の開発はできていないと思うけどなあ…… 大統領は説明してくれている軍人に年齢を訊いたり、家族状況を訊いたりもします。分かりやすい説明を求められた軍人は「レア、ミディアム、ウェルダンの3コースがあります」と答えたりもします……
話かわって、これ、Netflix の作品なんですね。なんか公開規模が小さいなあと感じつつ、劇場で観ていたら、見慣れた N のマークが出てきて気づきました。作劇がなかなか巧みで演出もよく、映画館で観てよかったと感じた作品でした。あまりリアルでは考えたくない話ですが、北朝鮮あたりがアメリカを狙うなら、距離の近い西海岸を狙うでしょうし、そもそも、発射してきた国がまったく特定できないなんてことは現在の偵察衛星の状況を考えるとあり得ないことだと思います。でも、そこはそれフィクション、まずは多少リアルからずらしながら大きな嘘を一発かましておいて、その中で遊びつつ、いくばくかのフィクション内リアリティを見せる、ということでNマークなかなかやるなと思いました。旧来型のハリウッド映画でこんなテーマをやると、なぜか状況に気づいてしまった一般市民の男女が出てきて「この先、どんなことが起きようとも私たちの愛は永遠よ」なんて、あまりにもエモーショナルな方向に進むかもしれませんし。
え、お前がアメリカ合衆国大統領なら、どんな決断をするかって……
ミディアムレアでお願いします。
「今永、逃げろ」と祈ってました
9回裏、ツーアウト満塁で突然テレビ中継が終わった感じ(笑)。でも、むちゃくちゃ面白かったです。よくよく考えると、あの終わらせ方しかないですよね。ビグロー女史の評価は「ハートロッカー」が基準なので減点1。次回作も楽しみにしてます!
後半になるほど面白い
音がキモだから劇場で観てほしいなー
期待度○鑑賞後の満足度○ 「核だらけの世界」答えは我々一人一人が考えるシュミレーション映画
①原因(どこの国から、どういう意図で)は明かにせず、と結果(果たしてシカゴに着弾したのか不発弾にはならなかったのか)は明確に描かず、その間の数十分間のアメリカ国防に携わるトップから実務者らの対応と苦悩・恐怖、それぞれの家族愛等とを視点を変えて描いているのが構成として面白い。
一方、視点を分散して描いていることでやや散漫な印象を与えていることは否めない。
②或る意味、日本の『沈黙の艦隊』と対極にあるような作品で両国の違いが面白い。
③ロシアの大統領が『信用か…』と吐き捨てるように言う台詞があったが、世界(のリーダーや国民)にお互いへの不信・恐怖がある間は「核抑止力」の名義は無くならないのだろうか。
④核抑止論の矛盾 : 抑止力が機能するためには、相手国が核兵器の使用を信じることが不可欠ですが、「実際に核が使われないだろう」という考えもまた「フィクション」であるという、論理的な矛盾。
⑤アメリカにあれほど安全保障機構・対核攻撃予想予防機構があり、それがどう機能・対応していくか克明に描かれているところは本作の魅力(表現が妥当ではないかもしれない)である。
勿論、他の核保有国も同じような組織・対策があるのだろう。
日本は本当にアメリカの「核の傘」に守られているのか、そうであれば核戦争が始まれば日本も核攻撃の対象になるのか、そうでなければ日本も核保有すべきなのか、等思索したいことは日本人として種々あれど、これは映画の評価なのでこれぐらいにしておいて:
問題定義型の映画ではあるがアメリカのみの視点で描かれているのが長所でもあるし欠点でもある。長所なのはそれで焦点が絞れて緊迫感のあるものが出来たと言えるし、短所としては“核抑止論“は本当に人類にとって正しい選択なのかどうかという今まで何作も作られている問題提起作の枠に留まっていて、時代を越えて残る作品になるかどうか。
⑥キャサリン・ビグローの演出は安定して上手い。女性監督であることからイメージされる(これもバイアスが掛かっているというかジェンダー偏見と見られるかな?)柔らかいタッチではなくてあくまでも冷徹な視点がこの人の演出カラーだろう。
⑦自分がイドリス・エルバ(好演)ら演ずる大統領の立場になったらどういう選択をするかを考えてみるのもある意味本作鑑賞の意味があるかも知れない。
⑧ジョナ・ハウアー=キングは『リトルマーメイド』の後どこ行ったのかしら、と思っていたら結構大きな役で本作に出演していて驚いたというか嬉しかったね。もうちょいふっくらしていた方がハンサムに見えるけど。アウシュヴィッツで囚人番号を彫る囚人を演じたTVドラマも観てみたいな。
グレタ・リーはヒロイン役よりもこういう役の方が良いようだ。
色々とおかしいと思えることが多くて、「核抑止」に関する問題提起が心に響かない
極東から米本土に向けて発射された弾道ミサイルに、米国政府と米軍がどのように対応するのかが、ほぼリアルタイムで描かれる。弾道ミサイルが米本土に到達するまでの時間が約20分なので、上映時間を考えると、当然、弾着後の状況も描かれるのだろうと思っていると、同じ出来事が、それぞれ主観を変えて、繰り返して3回描かれるので、結局、シカゴで核爆発があったのか、米国が核兵器による報復攻撃を行ったのかは、最後まで分からないようになっている。
それでは、この「同じ状況の繰り返し」に、効果があったのかと言えば、あまりそうとは思えなかった。
1回目の状況では、ホワイトハウスの危機管理室の直長とミサイル迎撃部隊の直員に、2回目の状況では、米軍の核兵器を統合運用する戦略軍の司令官と大統領副補佐官に、3回目の状況では、大統領と国防長官に、それぞれスポットライトが当たるのだが、最初こそ、手に汗握る緊迫感に引き込まれたものの、観ているうちに慣れてきて、緊張感が薄れたように感じてしまった。確かに、あの時、聞こえていた声は、こういうことだったのかという発見はあるものの、国防長官が投身自殺をする以外は、特に驚くべき展開がある訳ではなく、これだったら、それぞれに焦点を当てた1回の描写で十分だったように思えてならない。
こうした構成で描きたかったことは、冒頭で示されるように、「核抑止が機能しない世界の恐怖」なのだろうが、色々と気になるところが多いせいで、そうした危機感が実感として伝わってこなかった。
まず、弾道ミサイルに対しては、何段階にも渡って縦深的な防御態勢が構築されているはずなのに、陸上発射型の迎撃ミサイルを2発撃っただけで対処を諦めてしまうのは、余りにもお粗末なのではないだろうか?特に、シカゴのような大都市の周辺には、終末段階の弾道ミサイルにも対処可能なTHAADやPAC−3の部隊が、間違いなく配備されているのに、そのことを完全に無視しているのは、故意に、弾道ミサイル防衛を「無用の長物」と決め付けているとしか思えない。
次に、大統領は、核兵器による報復攻撃を行うかどうかで悩み苦しむのだが、どの国が弾道ミサイルを発射したのかが分からず、自国が核攻撃を受けたのかどうかも分からないような段階で、核による報復を行うなど、あり得ないことだろう。弾道ミサイルが飛来していることは事実だとしても、通常弾頭や不発弾の可能性もあるのだし、万が一、関係のない国に核攻撃を行ったりしたら、それこそ取り返しのつかない大問題となるに違いない。ここは、悩むようなところではなく、シカゴで核爆発が起きたのか、弾道ミサイルを発射したのはどの国なのか、あるいは、第2弾や第3弾の攻撃はないのかといったことを確認することが、政府の職員や軍人がやるべきことだろう。報復するかどうかということは、その結果によって自ずと決まるものであって、弾道ミサイルが到達する前に、慌てて判断する必要性などないと考えられるのである。
ここで、さらに、腑に落ちないのは、極東から飛来する弾道ミサイルの発射地点を、どうして韓国や日本に確認しないのかということである。仮に、早期警戒衛星で発射地点を見落としたとしても、韓国や日本に配備されているレーダーならば探知できていた可能性は高いので、実際には、「発射地点が不明」ということはあり得ないのではないだろうか?
と、このように、おかしいと思えることが多過ぎて、折角の問題提起が「絵空事」のように思えてしまったのは、残念としか言いようがない。
むしろ、核抑止は、核による報復を前提として成り立っている理論なので、米国が核攻撃を受けた(例えば、ロシアがシカゴに核ミサイルを撃ち込んだ)ことが明らかな場合に、米国はロシアに対して、世界が全面核戦争に突入するリスクを犯してまで、本当に核兵器による報復攻撃を行うのかという局面を描いた方が、よほどリアリティのある問題提起になったのではないかと思えるのである。
核攻撃シミュレーション映画
ある朝突然、アメリカに核ミサイルが打ち込まれたらホワイトハウス、軍はどう動く?
現実に全く有り得ない話ではなく、固唾を呑んで見守りました。
迎撃ミサイルってあまり精度が高くないことを初めて知りました。
コイントス並の確率で500億ドルか…お高い!
彼の国が支援欲しさにアメリカ相手に核ミサイルをぶっ放すことはない(そこまでアホじゃないはず?)と思いたいですが。
報復攻撃はするも地獄、しないも地獄。
現実のトランプ大統領なら迷うことなく即、報復攻撃しそうで恐ろしい。
核保有国のスタンスについて思うこと。
世界の秩序を守るために核が必要なのはわからなくもないが、抑止力的な使い方ができないならもう核放棄するしかないよね。
使わないための対話ができなくなりつつある昨今。
実際はあんな風に攻撃体制をばっちり備えているし、その時が来たらもう腹括らないといけないのではないでしょうか。
日本は2回も予告なく落とされて、シェルターに避難したり親族に警告する猶予さえなかったのに、あいつらいざ打ち込まれたらあんな風にジタバタするんかい!と(映画だけどね)と思ってしまったわ。。
K.ビグロー監督、相変わらず骨太で終始緊張感を維持する演出はさすが。
元夫のジェームズ・キャメロン監督は現在、広島長崎の原爆映画を製作中のようですが、何か新しい視点で撮ってくれないか期待してしまいます。
なんだぁ~、ネットフリックスで観れたんだ~
片時も緩まない緊迫感と緊張感に良い意味で疲労困憊した2時間
危機発生から15分間。
関係者の誰が何を思い何をしたか。
アメリカ合衆国の危機管理体制の厚さ、マニュアルの厳格さに驚嘆し、
しかし、その万全の備えを持ってしても突発的な緊急事態に対処することがいかに難しいかを実感しました。
翻って我国が同様の事態に陥った際の対応を想像すると暗澹たる気分なります。
良し悪しを別にして、危機に際して自ら対抗手段を持たないという選択をしている以上、有事にはそれを受け容れる覚悟をしなくてはならないということを。
また、日本ではマニュアルというと余り良いイメージを持たれない気がしますが、こと危機管理においてはプランB、プランCと多重に想定された厳格なマニュアルに従って、関係者全員が考えずに動くことが重要であることを改めて認識しました。
とは言っても、多くの関係者それぞれが職務上の責任感と人間としての感情の間で揺れ動く心を抱えて苦悩する様は観るものの胸を熱く掻き立てます。
よくできたエンターテインメントでした。
核は抑止力?
トークしよ
いやクライマックス考えろって
正体不明のミサイルが米国に向けて発射されてからの緊迫した18分間をリアルに描くドキュメンタリータッチの作品。序盤は凄く面白かった。なのに緊迫した18分間を様々な担当部署の視点から描く上で同じ台詞を繰り返し聞かされていくうちに段々ストレスが溜まっていった。
私生活の会話だけがフレッシュに感じられたが別にいらないし。大統領までたどり着く頃にはうんざりしていてもう良い加減終わってくれと思った。終いにはミサイル着弾するのか?犯人は誰なのか?も全くわからないままオチが付かずに終わってめちゃくちゃイラついた。ある程度見応えはあったが同じ台詞を繰り返し見せるのは大失敗でしょ。面白くないよそんな映画。映画は現実と違うんだから。考えさせられる話しでもいいがオチは付けろ。笑
ネットフリックス規模の作品だったけど映画館で見れたのはまぁよかった。
あと「ストレンジ・ダーリング」で映画好きを楽しませてくれたウィラ・フィッツジェラルドがチョイ役で出てくるが可愛い。
タイトル「爆薬庫の家」のごとく、一触即発の世界
緊張感の連続
よかった!
いつ人類が滅亡してもおかしくない、そんな現実の上に我々は生きている。
Netflix制作、キャスリン・ビグロー監督の新作。10月24日から世界配信予定だが、映画館で先行上映をしていた。
好みの監督なので、配信を待たずに見てきた。
ちょっと小粒な感じはするが、面白かった。核の均衡で平和が保たれているというパワーバランスは本当に機能するのか?
シミュレーションドラマで、ラストには映画が描く怖い現実を見る側に突きつける。
去年の「シビル・ウォー」と同じような怖さがある。
映像は、まさしくこの監督の映像と言える、ガクブルで急なズームがあったりする映像。それでリアル感と臨場感を醸し出す。ただ、キャスリン・ビグローものでも、今回は全くドンパチがない。でもずっと緊張感が途切れない面白さがある。
話は、群像劇で、様々な場所が唐突に出てくる。何が起こっているか理解がなかなか追いつかない。で、見る側に緊張を強いる。
話の構造でも、途中、時間が戻るところが3度ぐらいあるが、説明なしで普通に繋ぐ。ちょっと混乱するが、見ているとすぐに理解できる。
(どこか不明の、北朝鮮らしい、核弾頭が米国本土に向けて発射されてから18分間の話をそれぞれの立場で繰り返し描く。)
シミュレーションは、リアルで怖い。
大統領も含め、普通の人々の営みの上に日常が成り立っているのが感じられて、それが崩壊に近づく怖さ。結局どこにもスーパーマンはいない。普通の人しかいないという現実。
それで最後に大統領ですら、核を前にして滅亡につながる判断ができるのか、と突きつけてくる。
いつ人類が滅亡してもおかしくない、そんな現実の上に我々は生きている。
全165件中、81~100件目を表示














