「これまでの戦争映画とは一味違う」ハウス・オブ・ダイナマイト aliasさんの映画レビュー(感想・評価)
これまでの戦争映画とは一味違う
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タイトルにも記した通り、本作はこれまでのハリウッド製戦争映画とは一味違う内容となっています。
まず最も特徴的なのは、戦闘シーンが一切描かれていない点です。本作は、アメリカ本土に向けて核ミサイルが発射され、それをアメリカ側が探知してから着弾予測時刻までの約20分間にわたる対応を描いています。
この「戦闘を描かない」演出が妙にリアルで、緊張感が観客へひしひしと伝わってきます。
また、従来のハリウッド映画であれば、土壇場で迎撃に成功し、作戦本部の面々が拍手喝采して「めでたしめでたし」となりがちですが、本作ではミサイルが着弾したのかどうかさえ明示されません。仮に着弾しても、不発で終わることもあるらしいのですが、その結末すら分からないままエンドロールへ突入します。そこがまた不気味で、何とも言えない後味を残します。
構成面では、探知してから着弾までの20分間をさまざまな視点から繰り返し描いている点が興味深かったです。
演技面では、レベッカ・ファーガソンの存在感が際立ちます。迎撃に失敗した後や着弾点が判明した際、セリフに頼らず、表情や仕草だけで絶望感を表現する演技は何とも言えません。
あと、本作を鑑賞して「未知への飛行」と、そのパロディ的作品である「博士の異常な愛情」を思い出しました。どちらも類似したテーマを扱っています。ネタバレになるので詳しいコメントは控えますが、特に「未知への飛行」はお勧めです、と言いたいところですが、かなり古い白黒作品なので、現在の高画質に慣れた目で観たらどうなのか不安です…
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