「感覚的で嫌な言い方だが映画的でない」ハウス・オブ・ダイナマイト ケージさんの映画レビュー(感想・評価)
感覚的で嫌な言い方だが映画的でない
視点が変わる3部構成。1幕の圧倒的な緊迫感が秀逸だがそこで終わってしまった。
2幕、3幕と別視点で描かれるそれが呆れるほど工夫がなくトーンダウンしていく。
キャスリン・ビグローは視点は鋭いが物語を紡ぐ能力がいつも物足りない。
何も派手に展開することが映画的とは言わないが、物語でなくとも何かが何処かへ動き出すことが、動かなくとも観るものの感情を動かすことが映画だと信じたい。
同じテーマで60年以上前のシドニー・ルメット作「未知への飛行 フェイル・セイフ」の足元にも及ばない本作には物足りなさしか感じないし、ヘンリー・フォンダ演じる大統領の不在を映画的にも現実的にも嘆くしかない。
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