「核保有は抑止力にはならない」ハウス・オブ・ダイナマイト galarinaさんの映画レビュー(感想・評価)
核保有は抑止力にはならない
北朝鮮か中国か、はたまたロシアからか。
核爆弾がアメリカに向けて発射された。着弾するまでわずか18分。
迎撃活動を行うアラスカ、国防関係者、大統領の3つの視点で描く。
終始、緊張感が凄まじく、息もできないほどだ。
Netflix配信作品だが、この鬼気迫る緊張感は閉ざされた空間である映画館で見ることによってさらに増幅された。
迎撃機の爆音も腹に響き、間違いなく映画館で鑑賞してよかったと思える作品。
核発射が発覚してからは各々がシステマティックに役割を全うし、その姿には感心させられるが
とどのつまり、究極の状態に置かれた個人の判断なんぞしれたものである。
誰だって怖いし、自分が、自分の家族を優先してしまう。当然のことだ。
「核保有は戦争の抑止力にはならない。」
その結論を徹底した取材と緊迫感ある演出で魅せるキャスリン・ビグロー。
なんとも肝の座った監督である。
役者陣の中では恐怖を押し殺して仕事を全うしようとするレベッカ・ファーガソンが光った。
このエンディングに対して不満を持つ人もいるかもしれないが、個人的にはこれしかないというエンディングだった。
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