「アメリカでこんなにアワワ状態なら日本オワタ。18分の緊迫を3視点で描く上質なポリティカルスリラー」ハウス・オブ・ダイナマイト しゅうらくさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカでこんなにアワワ状態なら日本オワタ。18分の緊迫を3視点で描く上質なポリティカルスリラー
何の変哲もない朝が、一変。太平洋の向こう側からミサイルが発射され、あと18分でアメリカ本土に着弾してしまう! そんな極限状態の18分間を、政府関係者の3人の視点から描いたポリティカルスリラーです。
『ハート・ロッカー』、『ゼロ・ダーク・サーティ』のキャスリン・ビグロー監督の新作となれば、これはもう見るしかない! しかも、YOUTUBEのブラックホールでも、てらさわホークさんが絶賛していたので、期待値爆上がりで見ました。
開戦まで18分!手に汗握る緊迫感!
映画は、ミサイル発射の報を受け、事態に対処しようとする政府関係者たちの姿をリアルに描いています。
国防長官、大統領補佐官、そして現場の兵士たち。それぞれの立場から、限られた時間の中で最善の選択をしようと奔走する姿は、まさに手に汗握る展開です。
特に印象的だったのは、刻一刻と迫るタイムリミットの中で、情報が錯綜し、決断が二転三転する様子。実際にミサイルが飛んできた場合には、こんな状況になるんだろうなと、想像するだけでゾッとしました。
着弾回避なるか!?
結末は観客の想像力に委ねられる本作は、最後の着弾シーンをあえて描いていません。
ミサイルは着弾したのか、回避できたのか。それは観客の想像力に委ねられています。
この点については、賛否両論あるかもしれません。個人的には、着弾の有無を明確にしないことで、より深い余韻が残ったように感じました。
もし着弾していたら? もし回避できていたとしても、その後の世界はどうなるのか? 色々なことを考えさせられる終わり方でした。
結論:アメリカ、いや世界は終わるのか?
『ハウス・オブ・ダイナマイト』は、単なるパニック映画ではありません。
ミサイル発射という危機的状況を通して、現代社会が抱える問題点や、人間の本質を浮き彫りにした作品だと思います。
特に、危機的状況下における情報伝達の難しさや、政治的な駆け引きの愚かさなど、考えさせられる点は多かったです。
アメリカでもこんな状況なら、2本目のミサイルについて考える時間なんてないんだろうな、と思うと恐ろしいです。
ポリティカルスリラー好きは必見!
消化不良感は否めませんが、ポリティカルスリラー好きなら間違いなく楽しめる作品だと思います。
キャスリン・ビグロー監督ならではの、リアルで緊迫感あふれる演出は健在。
ぜひ、週末にでも、冷や汗をかきながら鑑賞してみてはいかがでしょうか。
