「突きつける現実の重さ」ハウス・オブ・ダイナマイト kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
突きつける現実の重さ
アメリカに向けて発射された大陸弾道ミサイル。どの国が発射したのかも分からないまま、アメリカ本土に着弾することが判明する中、アメリカの軍・政府関係者が対応する姿が描かれる。
ミサイルを感知してからアメリカに着弾するまで20分程度。その20分程度の時間をいくつかの視点から描く手法なのだが、これが最初とてもわかりづらかった。でもそれを理解すれば問題ない。テレビ会議で聞こえていた(最初はあまり意味があるように思えなかった)音声の裏側が徐々に描かれていく流れだ。一種の群像劇になっている。
多大なる災害が降りかかった際の政府の対応を描いた同じような映画として「シン・ゴジラ」を思い出すが、あれはやはり空想科学のお話。とても漫画チックに描かれることで別の面白さがあったが、こっちはあくまでリアル(に感じる)。家族への連絡を取ろうとする行動、シェルターに案内される人間の選別、報復攻撃の判断。とても緊迫感のある映画だった。
その後どうなったかはあまり重要ではない。表面上は軍縮を進めている今でさえ、「ハウス・オブ・ダイナマイト」であるというこの現実を突きつける映画なんだ。多少わかりづらいところはあっても、ものすごいものを見せられた感じ。やはりキャスリン・ビグローはすごかった。
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