ハウス・オブ・ダイナマイトのレビュー・感想・評価

全165件中、1~20件目を表示

4.5核抑止論の欺瞞と、薄氷上の平和に麻痺した人間の無力さ

2025年10月11日
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鑑賞方法:映画館
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ニコ

4.0圧倒的なリアリティに満ちた緊迫ドラマ

2025年10月28日
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爆発という要素はビグロー作品の一つの大きなテーマだが、吹き荒れる炎や爆風よりもその直前の一瞬の静寂こそ、彼女が醸し出す緊張感が最高潮に達する見せ場だ。太平洋上で発射された核ミサイルがアメリカへ向けて飛来する。そんな緊迫したシチュエーションを描く本作も、やはり爆発前の一瞬を描いた群像ドラマと言える。いたずらに破壊のカタルシスを求めるのではなく、この映画が描くのはあくまで「現実に直面する政府要人やスタッフたち」。それも彼らの過去や未来ではなく、あくまで焦点が当たるのはごく限られた数十分の「現在」の枠内だけ。そこでの行為や発言、表情を通じて、人の生き様を力強く炙り出す。もちろん、徹底した取材力はこれまで同様。登場人物や関連機関のディテール、さらにはこの最悪の事態に伴うシナリオも、我々に圧倒的リアリティを突きつける。世界は逃げ場なき火薬庫。綱渡りのような状況に手に汗握りつつ、背筋が寒くなる一作だ。

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牛津厚信

4.5心臓を掴まれるこの演出こそがキャスリン節

2025年11月5日
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鑑賞方法:VOD

個人評価:4.5
世界中が待ちに待ったキャスリン・ビグローの最新作。
ドキュメンタリーの様な手持ちのカメラワークの臨場感は健在。
直接の描写はなく、登場人物の会話劇とカウントダウンで緊迫感を伝える。流石の業である。
This Is Realこれが現実。いつ起きてもおかしくない世界の本当の物語。
「爆薬が詰まった家を建てている」今の地球を表現した恐ろしい比喩である。
過去作のゼロ・ダーク・サーティのジェシカ・チャステインも素晴らしかったが、本作のレベッカ・ファーガソンもキャスリン節にとてもハマったキャスティングである。

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映画BARシネマーナ

4.0キャスリン・ビグローの真骨頂

2025年11月4日
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観てよかった。

実話をベースにドキドキ、ハラハラさせるエンタメ作品に仕上げるのが大得意な女流監督だけに、間違いはなかった。まあ、これは実話ではないだろう(と思いたい)が、リアリティがありすぎる。現実の姿こそ滑稽で、ツッコミどころ満載の人間の本質が出る。それを切り取って「人間だもの」を見せていくのが、ホントにうまい。

危機に直面したら、あまりの緊張感に逃げ出したくなるし、頭を抱えて動けなくなったり吐いたりてしまうし、利己的なところをさらけ出してしまう。常識なら許されないが、本当の危険に遭遇したら、人はどう振る舞うのかというのを描きながら、圧倒的なリアリティで社会問題浮き上がらせる。

本作では、もし正体不明のICBMが飛んできて、あと20分で着弾するとしたらどうなるか、という今そこにある危機のシミュレーションだ。

「ハート・ロッカー」の緊迫感と、「ゼロ・ダーク・サーティ」の重圧感を、レベッカ・ファーガソンを安全保障局の大佐役でメインに据えて、危機管理に集まるメンバーの狼狽ぶりをたっぷり描く。

この一大事になって防衛設備の不完全さが露呈するし、高官や分析官はみな休暇や外出中。ゲティスバーグのお祭りへの休暇で不在だったり、ゴルフしてたり、バスケの大会へ顔出ししてたり。勤務していたFEMA(緊急事態管理庁)は、誤報かと確認して来るし、彼らと連絡取りあうのにもひと苦労で、もうてんやわんや。そうこうしているうちに時間は過ぎていき、軍の高官は反撃前提で準備を始めてしまうし。

まあ、現実はこんなもんだろう。
世界の危機に関わったことはないが、長年のサラリーマン生活の中で会社の大トラブルは何回かあり、狼狽えたひとたちが余計な心配をあれやこれや言うだけで、本質的な対応をすべき現場が混乱するのを何度も見てきた。それに比べれば、まだ指揮統制は保たれていたので、良心的な描き方だとは思う。

ま、これを観た米国民は、トランプさんならどうするか頭をよぎっただろう。日本ではどうなるか、どこかで日本版を作ってくれたら絶対観る。

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AMaclean

5.0私達が住む世界の現実を鋭く突きつける傑作

2025年11月4日
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興奮

斬新

ドキドキ

 この作品はタイトル通り私達が爆弾の上でいかに爆弾を見ないで日々を生活してるんだということを緊張感たっぷりに教えてくれる映画です。

 ただし物語の流れは他に類を見ない非常にチャンレジ的な事を行っている。大陸弾道弾が迫るなか、それに直接対応する職員達、その上役、そして一番上の大統領の各視点で緊迫する状況が描かれるのだが、各視点ではほぼ同じ内容が繰り返される。違う視点で新事実や裏側がわかったりするような事はほぼない。あっても各家庭環境が分かる程度。物語はほぼ同じ流れで起承転結でいうと起承、起承、起承で映画は終わる。つまり監督は娯楽的な面白さを目的としていない。監督は「最先端の最高の防衛力を持つアメリカでもが無駄のない現実的な行動を取っていても大陸弾道弾は防げないかもしれない」と現在の世界の状況をリアルに伝えてくるのだ。

 最新の量子コンピューターは現在のコンピューターが一万とも一億年かかってもとけないといわれていたセキュリティーを6時間で解いてしまうが量子コンピューターにも対応したセキュリティーはまだ生まれていない。進化し続けるAIは瞬時に正確な判断と操作ができ、2つが組み合わさると最高のアメリカのセキュリティーでも突破される可能性がある。
 大陸弾道弾は打ち上げている時が一番迎撃出来る可能性が高く、飛び立ってしまえばマッハ6を超え、落ちる前はマッハ10を超えてくるので非常に迎撃が難しいらしい。作中では2発の迎撃ミサイルしか撃たないので「たった2発?」と思うが一発が大気圏外まで届くロケットなのでとてもお高い。つまりそうバンバンと撃てるものではないので2発は現実的な数値なのだろう(実際は外れたら更に撃つらしいが)。つまり現在はソフトでもハードでも最強の矛ばかりが強く、最強の盾でも防ぐのは難しい状況にある。

 ちょっと政治的な話になるが2024年11月の米中首脳会談で「核兵器の使用にはAIを関与させず人間がコントロールする」ことで合意した。しかし2025年10月の国連で「核兵器を統制するシステムに人間による管理と監視を維持するよう求める決議」が行われ賛成多数で採択されたが、アメリカを含む核保有国を中心とした8カ国は反対している。つまりアメリカはもうAIによる核を含む軍事的決定をシステムに組み込んでいる可能性が高いということだ。
 この映画の上映時間さえあれば前触れなく世界は破滅する可能性があるのが現在の世界の現実らしい。

 あとネタバレになるかもしれないので観た人だけこの先を読んで欲しいのですが、この作品は結末や結論がないように思いますがちゃんと結末も結論も描かれています。ただよくある映画のように「普通の」映画的演出と思って見逃しやすいです。分からない人はもう一度冒頭を観ればわかります。
 起承転結でいうと結起承起承起承となんともチャレンジな構成ですが、現実を突きつけるこの作品には非常にマッチしてました。お見事。

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ハチケン

5.0切なく悲しい緊張感

2025年11月3日
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悲しい

怖い

興奮

役者の演技がたまらなく切ないです。
いつもの日常が始まり、緊張が絶望に変わったときに登場人物たちが選んだ行動。

国防長官んんんんんー!

同じ内容の短編映画を複数回鑑賞する(?)けど、他のオムニバス映画鑑賞後とは全然違って疲れます、とても疲れます笑。

予備知識なしで鑑賞したので監督を後から調べました。
あぁこの監督か、納得。
終始緊張させ続ける作風は相変わらずですね。

迎撃システムの成功率は別として、この映画は明日は我が身だなって怖くなりました。
政治色が強い物語ですけど、ジャンルはスリラーです。

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花ひろば

3.5誰もが同じ感想になりそうだけど、、、

2025年11月3日
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ryosuke

4.5今、そこにある危機を改めて認識させられる傑作

2025年11月3日
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すでに様式美化した北朝鮮(と思しき)周辺から発射された一発のミサイル。具体的にどこから発射されたか不明だが、いつも通り日本海に落下するだろうと、アメリカ軍の各セクションは呑気に構えていた。ところが、そのミサイルは落下ルートを取らず、シカゴを目標に飛行し続けることに。

実際の有事が勃発したことで、各セクションはマニュアル通りに対応していくが、核搭載の可能性が高いミサイルがアメリカ本土に向かっているという、恐ろしい現実を突きつけられ、緩やかにパニックに陥っていく。

臨場感、緊迫感、そして現実感が半端ない、手に汗握るサスペンスフルな作品。ミサイル防衛室や司令室、国防長官、軍部、そして大統領と、ミサイル発見からその対処方法の決定までの様子が、各セクションごとに章立てて描かれており、ミサイルがひしひしと迫ってくる現実を、様々な角度で浮き彫りしていて、もう目はスクリーンに釘付けです。

たった一発のミサイルに、ここまで翻弄されちゃうのか? と思いつつも、でも核ミサイルであれば一大都市が丸ごと消滅するので、その恐怖は計り知れない。

その上、さらなる恐怖は「報復攻撃の選択」。やられたらやり返すことでの機能していた「核抑止力」だが、実際に「やり返す」選択を迫られたら、本当に選択できるのか? やり返したら「やり返される」可能性が生じて、それはまさに人類滅亡へのシナリオなんですよね。

この頭ではわかっていたけど、実感が乏しかった「核抑止力」の現実をifで描かれていて、むちゃくちゃ傑作です。

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ヘマ

4.0絵空事ではない…

2025年11月3日
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時間軸を上手く利用し
緊張感あふれる軍事ドラマに仕上げた手腕は見事。
観る者に委ねる結末…(恐らく悲惨な)…
いや、それよりも、
その過程と各担当者の非常時による物語が
何より惹かれる、ある意味シミュレーション的な
今、観るべき作品ではないかと…。

でも、ジャレッド・ハリスは…なぜ

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shallow

4.0シン・核モノ

2025年11月3日
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最初はフムフム。

だんだんその責任の重さが

こちらにも伝播してくる。

最後は、

投げ出すしかないことに

逃げ出せないことに

人生が重なる

かもね♪

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nonojinao

4.0タイトルなし(ネタバレ)

2025年11月3日
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トトメ

4.0自分の正義に従って動ける気がしない怖さ

2025年11月3日
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悲しい

怖い

ドキドキ

ネトフリですぐ配信されるし〜!と油断せずに映画館で観とけばよかった!
リアリティあるストーリーで、ハラハラするし、家族への想いとかに弱いのでちょっと泣きそうになるとこもあったり。
音楽が不穏で、更に臨場感を増してくれるのだけど、西部戦線異状なしとか教皇選挙の作曲家フォルカー・ベルテルマンだ。なるほど納得。怖いんやて。

ラストはかなり良かった、私があの人ならどう行動したかな、と想像してしまうけど、所詮か弱い一般人なのでどの立場でも、自分の正義感に従って行動するなんて無理無理。
下手なホラーより怖いし緊迫感あってとても良かった、シビル・ウォー見た時の怖さと同じものを感じる。

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ゆたかちひろ

3.5リアル

2025年11月2日
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悲しい

怖い

物語に引き込まれてました。

普通の日常が、普通で無くなる
こんな、感じなんでしょうか

知らず知らずに戦争になり沢山の人が
死んでいく

嫌です

脅威ある国に囲まれている日本

他人事では、ありません。

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hikaru

4.5さすがです

2025年11月2日
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怖い

興奮

知的

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フォレスト

5.0劇場だと拍子抜けするから配信でどうぞ、という

2025年11月2日
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アメリカ本土にトーンと、ICBMだかSLBMだか発射元不明の核ミサイルが突然飛んでくる

いざそんな折の反応に、超反撃から様子見まで、あらゆる選択肢がマニュアル化してはあるけど、どれ選ぶかは個人に委ねられてる

ハウス・オブ・ダイナマイト
どこかのだれかの気まぐれのポチッとな、次第であっさり煮詰まる世界に僕らは住んでる

劇場公開にはそぐわないけど配信にはぴったり、なるほどなるほどNetflix、これは面白い

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sysr

5.0緊張感!

2025年11月2日
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相変わらず緊張感とストレスを映像化するの上手いなー、キャスリン・ビグロー監督。

アメリカへの核攻撃を阻止する政治家や国防機関のドタバタ劇を描くというまるで「24-TWENTY FOUR -」ですが、そこにはCTUやジャック・バウアーみたいなスーパーマンがいない。

(改めて、ほぼ1人で核攻撃を何回も阻止して来たジャック・バウアーは本当に凄かったんだなと思いました笑
※厳密にはテロ対策ユニットの話なので、今回の出所不明のICBMが!というのとは違う話ですが。)

ひたすら戦争のない平和な日常を過ごし、訓練しかやったことのない国防機関の人々についにその時が来て激震が走る!!という話だった。

実際ICBMの発射位置が割り出せないことや、GBIの迎撃成功率の低さなど、現実ではそんなことはない!などあると思いますが、元々アート界隈にいたビグロー監督らしく、音楽からタイトルの入れ方からデザインが行き渡っており、いつどこで爆破されてもおかしくないハウス・オブ・ダイナマイト(核兵器に囲まれた家)に暮らしているという現実を叩きつけるコンセプチュアルな作品だった。

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ヘルスポーン

3.5アメリカでこんなにアワワ状態なら日本オワタ。18分の緊迫を3視点で描く上質なポリティカルスリラー

2025年11月2日
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知的

ドキドキ

何の変哲もない朝が、一変。太平洋の向こう側からミサイルが発射され、あと18分でアメリカ本土に着弾してしまう! そんな極限状態の18分間を、政府関係者の3人の視点から描いたポリティカルスリラーです。

『ハート・ロッカー』、『ゼロ・ダーク・サーティ』のキャスリン・ビグロー監督の新作となれば、これはもう見るしかない! しかも、YOUTUBEのブラックホールでも、てらさわホークさんが絶賛していたので、期待値爆上がりで見ました。

開戦まで18分!手に汗握る緊迫感!
映画は、ミサイル発射の報を受け、事態に対処しようとする政府関係者たちの姿をリアルに描いています。

国防長官、大統領補佐官、そして現場の兵士たち。それぞれの立場から、限られた時間の中で最善の選択をしようと奔走する姿は、まさに手に汗握る展開です。

特に印象的だったのは、刻一刻と迫るタイムリミットの中で、情報が錯綜し、決断が二転三転する様子。実際にミサイルが飛んできた場合には、こんな状況になるんだろうなと、想像するだけでゾッとしました。

着弾回避なるか!?
結末は観客の想像力に委ねられる本作は、最後の着弾シーンをあえて描いていません。

ミサイルは着弾したのか、回避できたのか。それは観客の想像力に委ねられています。

この点については、賛否両論あるかもしれません。個人的には、着弾の有無を明確にしないことで、より深い余韻が残ったように感じました。

もし着弾していたら? もし回避できていたとしても、その後の世界はどうなるのか? 色々なことを考えさせられる終わり方でした。

結論:アメリカ、いや世界は終わるのか?
『ハウス・オブ・ダイナマイト』は、単なるパニック映画ではありません。

ミサイル発射という危機的状況を通して、現代社会が抱える問題点や、人間の本質を浮き彫りにした作品だと思います。

特に、危機的状況下における情報伝達の難しさや、政治的な駆け引きの愚かさなど、考えさせられる点は多かったです。

アメリカでもこんな状況なら、2本目のミサイルについて考える時間なんてないんだろうな、と思うと恐ろしいです。

ポリティカルスリラー好きは必見!
消化不良感は否めませんが、ポリティカルスリラー好きなら間違いなく楽しめる作品だと思います。

キャスリン・ビグロー監督ならではの、リアルで緊迫感あふれる演出は健在。

ぜひ、週末にでも、冷や汗をかきながら鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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しゅうらく

2.0リアリティ?

2025年11月2日
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リアリティがあると良く見かけますがリアリティを見出すならせめて着弾は見せずとも報復までは見たかったですねそこまでがセットでは?とにかく消化不良40分の映画を3回見せられました…

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だ

3.0緊迫した一瞬を色んな角度から描く

2025年11月1日
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はっちっち

3.0リアリティ…

2025年11月1日
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ドキドキ

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KEI