「ヤツは、荷台で運ばれている間に、2人のやりとりを聞いていたのだろうか」ハンサム・ガイズ Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
ヤツは、荷台で運ばれている間に、2人のやりとりを聞いていたのだろうか
2025.10.9 字幕 MOVIX京都
2024年の韓国映画
リメイク元は「Tucker&Dale Vs Evil(タッカー&デイル 史上最悪にツイてないヤツら」
殺人鬼に間違えられた男2人を描くバイオレンスコメディ映画
監督&脚本はナム・ドンヒョプ
原題は『핸섬가이즈』、英題は『Handsome Guys』で、ともに「ハンサムな奴ら」という意味
物語の舞台は、韓国・釜山の山奥の森林地帯
元大工のジェピル(イ・サンミン)と職場の後輩のサング(イ・ヒジュン)は、かねてから希望していた一軒家の内観に行くことになった
途中でホームセンターに寄った2人は、そこで家のリフォームなどに必要な道具や部材などを買い込んでいた
彼らには愛犬のホング(ボクスン)がいて、同じ場所で買い物をしていた大学生グループの1人・ミナ(コン・スンヨン)が、愛くるしい姿に引き寄せられていた
だが、飼い主のサングを見るなり驚いてしまい、そのままフロアに倒れ込んでしまった
サングはミナを助け起こそうとするものの、ミナの友人のソンビン(チャン・ドンジュ)は不審な輩に絡まれていると勘違いし、一触即発のムードになってしまう
その場はなんとか丸く収まるものの、サングは見た目で怪しまれることに心を痛め、ジェピルはそれを慰めるしかなかった
その後、ソンビンたちは別荘に向かうものの、道に飛び出してきた黒い山羊を轢き殺してしまう
ミナは「埋めてあげなきゃ」というものの、ソンビンは時間の無駄だと言い、結局は放置したまま去っていってしまった
そして、同じ道を走っていたジェピルたちは、その山羊の死骸と遭遇することになったのである
物語は、その山羊を運ぼうとする2人を見つけた警官のチョ(パク・ジファン)とナム巡査(イ・ギュヒョン)が絡んでいく様子が描かれていく
チョ所長は彼らを世間を騒がせている殺人犯だと断定するものの、調べても無事故無違反で犯罪歴すらなかった
誤解が解けて解放された2人だったが、今度は内観予定のベイカーの家に着いて愕然としてしまう
その家は、元々アメリカ人宣教師が住んでいた建物だったが、今では廃墟寸前で、告知されていた写真とは全くの別物だった
だが、サングは色んな家具や備品がそのままだったことを喜び、そのまま即決して購入してしまうのである
映画は、その後に湖で鉢合わせることになったミナと2人を描き、ミナはソンビンの受け売りを信じ込んでいて、2人を犯罪者か何かだと思って反応する様子が描かれていく
そして、ミナは誤って湖に落ちたところをジェピルに助けられるものの、さにパニックになってしまい、草むらで転倒して頭を打って気絶してしまった
2人はやむを得ずに彼女を家まで連れてくるものの、その様子を見たミナの友人たちは、2人に誘拐されたと思い込むのである
殺人鬼に間違われた2人が「とことん最悪な1日を過ごす」というプロットになっていて、それはリメイク元とほとんど変わらない流れになっている
韓国版はそこにオカルト要素が思いっきりぶっ込まれる形になっていて、諸悪の根源とラスボスに因果関係が生じているというところも同じようになっていた
ソンビン自身は明確に関わってはいないものの、ソンビンの祖父がかつて黒山羊の悪魔バフェメットと関わりがあった
リメイク元は、ソンビンにあたるキャラが20年前の惨殺事件の被害者的なポジションになっていて、そのあたりの凄惨さというものが違っていると言える
オカルト要素に関しては、個人的には面白いと思ったが、この付加で評価を下げている人もいると思う
彼らが悪魔を打ち破ったものとして伝説になるというオチがあったが、その後のエンドロールでリメイク元の方向に行かなかったのはよかったと思った
いずれにせよ、死んでしまうキャラが総じて最悪な連中なので、スカッとしてしまうところがある
これだけ不慮の事故が起きて、自分たちが犯人にされるかもしれないのに、相手を気遣ったりする2人は健気だと思う
バフェメットはわざわざソンビンの体を借りてまで「お前らはブサイクだ」というのだが、それを抜きにしても「お茶目すぎる悪魔」だったように思えた
もう1人友だちがいたら良いなと思っていたところに友だちができるというのも最高で、無理に恋愛の方向に持っていかないのもよかったのだろう
2人が女性と縁がないのは兄弟愛的なものが強過ぎて女性が入り込む隙間がないからだが、それを自覚しても、恋人よりも相手を取りそうに思うので、サバサバ系かつ面食いなミナが絡んでいくというのは自然な流れのように思えた
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