「【あのロケ地、良く見つけたなあ・・。田中圭さんのバタバタ感がチョイうざいけど、小池さんは可笑しいし、松山ケンイチは青森出身だから太宰バッチリだね!歴史改編タイムスリップコメディだね!】」三谷幸喜「おい、太宰」劇場版 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【あのロケ地、良く見つけたなあ・・。田中圭さんのバタバタ感がチョイうざいけど、小池さんは可笑しいし、松山ケンイチは青森出身だから太宰バッチリだね!歴史改編タイムスリップコメディだね!】
■小室健作(田中圭)は太宰治を敬愛する平凡な男。妻の美代子(宮澤エマ)と出席した結婚披露宴の帰り道、偶然太宰が心中未遂を起こした海辺に迷い込む。太宰ゆかりの地に興奮した健作はふと見つけた暗い洞窟を”ゴチン!”と頭をぶつけながら進んでいく。
その先に現われたのは大正風の着物を着た太宰治(松山ケンイチ)と銀座のバーの女中らしき恋人の矢部トミ子(小池栄子)が優雅にハイキングに来ている何だか、綺麗な空気の小さな湾に面した海岸である。
タイムスリップしてしまった健作はトミ子に一目惚れをする。しかし、史実では2人はもうすぐ心中してしまう。トミ子を助けたい健作は奔走するのであーる!
◆感想
・この作品のフライヤーが劇場に並んだのは、公開の2W前だったかな。7/11の週は新作公開が少ないから、劇場がWOWOWで流した作品を劇場版とした作品を、急遽上映決定したみたい。
・今作は、三谷監督作としては珍しい屋外ロケ。で、ワンシーンワンカットってフライヤーに書いてあるから、どうなのかなあと思いながら鑑賞したが、最初は、非情にチープな感が漂って、”あ、これ三谷監督の面白くない方の作品かな”と不安になる。
・一人三役の梶原善さんは、三谷組の常連だけども、ずーと、誰かに”カワハギの刺身は、胆と醤油で食べると美味いんだから、戻ってこいって!”などとスマホで訳の分からない事を言っているし、そもそも何で小室健作夫婦は、あんな鄙びた海岸沿いの街を結婚式の引き出物を持ってウロウロしているのかも、良く分からない。
結局、”太宰のいる浜辺”に誘っているだけなんだよね。
■けれども、小室健作が浜辺で、”大好きな太宰の心中未遂の場所”という、ボロッチイ木に書かれた文字を観て、舞い上がって行く所からマアマア、面白くなってくる。
因みに太宰は何度も女と心中を図っているが、矢部トミ子はどーみても銀座のバーの女中の田部シメ子だよね。(太宰治って、経歴を見るとホント、甘ったれなどーしよーも無い男なんだけど、作品はオイラは好きなんだ。)
で、可笑しいのは矢部トミ子を演じる小池栄子さんが堂々と”私、19歳よ!”とあのドヤ顔で宣うから、マア可笑しいのである。劇場内はシーンとしていたけれど、オイラは笑ったなあ。
あとは、太宰を演じた松山ケンイチのキャスティングはバッチリだと思ったな。どこか面影が似ているし、松山さん自身が青森出身だから、青森弁を”分かりやすく、喋る”所も、グーである。
津軽弁って、ネイティブの方が喋るとマジ分からないのだが、流石松山ケンイチである。”ワー(お前って意味ね!)、兄貴に言われて来たな!”と小室健作を怪しむところなどは、ナカナカであった。
<今作が、大笑いする程のモノかと言われると、それは微妙カナ。実際、お客さんが殆ど入っていなかった事もあるけれど、笑いは起きなかったもんな。
けどまあ、実験的な取り組みと、ワンシーンワンカットという難しい手法にチャレンジした俳優さん達や、製作スタッフに敬意を表して3.5ね。
エラソーですいません・・。>
共感ありがとうございます!
三谷作品は確かに当たり外れがありますよね。「スオミの話をしよう」では長澤まさみ様の演技力で何とかなりましたが、「ギャラクシー街道」みたいにド滑りしたものもありますし、本作は「ステキな金縛り」ほどの成功とは思えませんが、ギリ当たり判定でもいいかなと思ってます。小池栄子と宮澤エマが可愛く思えちゃったし。