「映画『Aqours Documentary』(本編:114分)を観ました」Aqours Documentary 井田隆志さんの映画レビュー(感想・評価)
映画『Aqours Documentary』(本編:114分)を観ました
Aqoursというグループを、私はほとんど知りませんでした。しかし、予告編を見た瞬間、なぜか胸がざわつき、気になって映画館に足を運びました。見ていくうちに、このグループは声優として活動するメンバーで構成されていることがわかりました。
アイドルや声優ユニットの舞台裏は、表向きの仲の良さと裏の葛藤が必ずしも一致しないことが多い、と個人的には思っています。男性グループでも「実際は…」という話を耳にすることがありますし、女性グループならなおさらでしょう。そんな中、10年という長い活動の節目を迎えて集大成を作り上げることは、並大抵のことではありません。
私自身、高校時代は男子校で、ほとんど幽霊のような存在でした。楽しかった思い出もほとんどなく、仲良しと言える友人もいませんでした。そんな経験から考えると、Aqoursの9人が心をひとつにして10年間活動し続けるのは、想像以上に大変なことだっただろうと思います。
特に印象的だったのは、9人でのフルライブです。以前のライブから2年も間隔が空くと息が合わなかったり、表に出てからも前のグループと比較されたり、ネットで「パクリだろ」といったバッシングを受けたり…その葛藤の中で信頼関係を築き上げていく苦労は計り知れません。さらに、コロナ禍でほとんどの公演が中止になったことで、メンバー同士の気持ちが離れてしまうのも無理はない状況です。
そんな中、映画は9人の活動の最後をベルーナドームでのステージで締めくくる過程を丁寧に描いています。個人的には、最後の15分、ステージ上で互いを見つめ合い、歌う姿に自然と涙が込み上げ、胸が熱くなりました。10年という歳月の集大成を目の当たりにして、「一つのことに全力で取り組むことの価値」を改めて考えさせられました。
私も学生時代にアルバイトでドラマのエキストラやレッスンを少しかじった経験がありますが、芸能の世界で努力を重ね、ひとつの舞台を作り上げる大変さと素晴らしさを、この9人から学びました。もちろん、私自身も18年以上毎日タイピング練習を続けている身として、「永久hours」を普通に歌えそうだな…なんて思ったりもしましたが(笑)、それ以上に、全力でやり遂げることの尊さを感じました。
最初はメンバーのこともよく知らず、特別な期待もしていませんでした。しかし、この映画を観て、一つのことに全力で向き合う難しさと尊さを改めて知ることができました。だからこそ、観て本当に良かったと心から思える映画です。
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