「「良くも悪くも、感情をぐちゃぐちゃにされた。」」Aqours Documentary とらまるさんの映画レビュー(感想・評価)
「良くも悪くも、感情をぐちゃぐちゃにされた。」
※以下、ネタバレを含みます。
学生時代、私は沼津の高校に通っていました。当時オタク仲間の間で流行っていたのは『ラブライブ!』、そしてμ's。初めて参加したのは5thライブで、その会場の熱気に圧倒されたのを今でも覚えています。そこからファイナルライブへ——。
そんな時期に、Aqoursの活動が発表されたと記憶してます。
正直、当初は受け入れられませんでした。地元でやるからといって、μ'sの後継みたいな形で素直に認められるはずがない。そんな気持ちでした。
でも、アニメを観て変わりました。自分と変わらない年のキャラクターたちが、見慣れた沼津の風景の中で必死に輝こうとする姿。そしてキャストが全力で走り抜ける姿。気づけばAqoursが大好きになっていて、気づけば1stライブに足を運んでいました。あんなものを見せられたら、もう沼にハマりますよね。学校帰りに内浦へ行ったり、イベントがある日は学校をサボってまで参加したり。Aqoursは、まさに私の青春そのものでした。
そんな彼女たちのドキュメンタリー映画。当然、有休を取って初日に観に行きました。
観終わった後の率直な感想は、
「なんてものを観せてくれたんだ」でした。
感情はもうぐちゃぐちゃ。
想像していたのは9人それぞれへのインタビューと活動の裏側をまとめた、いわゆる「Aqours club風」の総集編。ところが、実際にはある特定のメンバーの想いに深く切り込んでいて、その内容があまりに重い。少し間違えば炎上しかねない、そんな危うさを感じるほどの踏み込んだ内容でした。
特に胸に刺さったのは、フィナーレ前最後のリハーサルでの伊波さんの言葉。
「10年間やってきたAqoursの最期のリハが、これでいい訳がない。」
この一言がずっと頭から離れません。そこから最後の円陣のくだりまで見ても
9人の想いはひとつになったのか。
最期に伊波杏樹は何を想ったのか。
答えは見つからず、観終えた後も強いもやもやだけが残りました。
映画では、コロナ禍以降にメンバー間で距離が生じたという表現もあり、フィナーレライブを含む過去の公演の解釈すら揺らいでしまいました。
どんな気持ちで地元愛祭り参加すりゃいいんだよ…笑
なんにせよ、1回目は泣きすぎて頭に入っていない内容もあるかと思うので
もう1度みてこようと思う。
