劇場公開日 2025年10月3日

「ぜひオリジナルの台湾映画と見比べて」シークレット・メロディ 高森郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 ぜひオリジナルの台湾映画と見比べて

2025年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

ドキドキ

本作のオリジナルは2007年の台湾映画「言えない秘密」。台湾を含むアジアで先に音楽アーティストとして成功した才人、ジェイ・チョウが主演・共同脚本も兼ねて監督デビューを果たしたミステリアスな音楽恋愛映画で、彼が作曲した劇中曲「Secret」はこの韓国版リメイクでも使われている。

大まかなストーリーラインはほぼオリジナルを踏襲しているものの、国や時代の違いに合わせて細かな部分を変更している。基本設定で目立つ変更は、主人公らが通う音楽学校を大学にしたことで、この点は昨年公開の日本版リメイク「言えない秘密」も同じ。ではオリジナルはというと、あいまいな記憶で高校だったような気がしていたが、念のため調べたら中学校の設定だった。

中学生から大学生の話に変更されたことで、親との関係性など大人っぽくなった部分もある。ヒロインのキャスティングで比べると、台湾版のグイ・ルンメイ(撮影時点で23歳頃)のピュアだが影もある魅力が抜群で、十代前半の女子が運命的に出会った男子と懸命に恋愛している雰囲気がよく出ていた。韓国版のウォン・ジナも健闘してはいるものの、撮影時に29歳頃ということもありピュアな魅力では一歩及ばず。もちろんこのあたりの感じ方は個人の好みで違ってくるとは思うが。

ネタバレを避けるため終盤の展開については触れないが、韓国版のラストは日本版とはまた違ったものになっていることくらいは書いても問題ないだろう。本作の鑑賞後にでもぜひ、台湾版、日本版と見比べてそれぞれ異なる魅力を楽しんでもらえたらと思う。

高森郁哉
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