ワン・バトル・アフター・アナザーのレビュー・感想・評価
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思っていたよりも冗長で退屈。テンポよくできたハズ
予告編の感じではもっとサクサクと
気持ちのいいアクションが見られるものかと思っていたが
蓋を開けてみれば退屈で眠くなる場面あるし
1シーン1シーンが長いし
話は思想のごった煮のように感じて
ハリウッドお得意の派手&疾走感を期待した自分としては
あまりノれなかった。
話の展開も予想を裏切られない割には
こちらが思う『こうなったら気持ちいいのに』
という展開になるわけでもないという
『もうちょっとでテンション上がれるのに上がらず終わる』
という展開が続く不完全燃焼な感じ
そしてやはりネックは時間。
2時間40分以上あるなら
『これだけ見所満載で切る所もない作品なのか』
『そりゃ長くならざるを得ないな』
と思わせてほしかった。
RRRや国宝レベルは求めすぎにしても、
こういった長尺作品においては見てる人に
『これギュッとすれば短く出来るんじゃね?』
と思わせてはダメだと思う。
何故か映画界では長尺ブームだけど、
やはり余程面白くないと150分以上は疲れる。
120分程度に収められてたらもう少し評価上がった気がする。
とはいえキャラの撮り方がキレイだったり
カメラの画角に新しさを感じたので
映画に詳しい人、映画に造形の深い人からは好評価なのかな、
とか思いながら見ていました。
私は映画はそれなりに見ますが
やはり娯楽は気軽に楽しめるエンタメとして見たいので
あまり合わなかったのかもしれません。
ダメプリオ父ちゃんの娘への想い
じゃじゃ馬に首ったけ
公開週ですし「国宝」「鬼滅」並みのお薦め作なので、ネタバレなしの雑感です。
⚔️
1. 喜劇版「コマンドー」?「96時間」?
大まかなプロットは極めてシンプル。拐われた娘を父が救おうとする活劇....。これだけ言うと、A. Schwarzenegger の「Commando」(1985)や、L. Neeson の「Taken(96時間)」(2008)等のマッチョな父が浮かびますが、本作で L. Dicaprio が演じる Bob は大違い。本人はいたって真剣ですが、レジスタンスとしてブランクがありすぎて、バトル手前の基本的な処で躓きまくります。Bobは主人公ながら、ヒーローではなく、コメディリリーフ? McGuffinを維持する為の狂言回し? にすら見えます。それでも、本人が心底娘を愛して いて、彼女を救う必死さが伝わるので、強すぎる父以上に応援できます。
🪖
2. 狂い過ぎな仇役
この手の映画は勧善懲悪な程スッキリしますが、S. Penn が演じる旧敵はそんな定石を遥かに上回ります。Lockjaw大佐は、行動原理自体がアブノーマル。娘を拐った理由に至っては、何重にも許しがたいです。ストーカー以上のしつこさも、倒しがいに拍車をかけます。にしても、1960年生まれで今年65歳の S. Penn の体作りは凄い。未だに「I am Sam」(2001)や「Milk」(2008)の印象が強い自分は、Lockjaw大佐の太すぎる二の腕に、圧倒されました。
🔫
3. 本作の魅力は、母娘のじゃじゃ馬ぶり
序盤にだけ登場する母のじゃじゃ馬さが、全ての発端になるのですが、彼女は序盤で退場してしまいます。代わりに、中盤以降観客を虜にするのが、C. Infiniti演じるteenageの娘 Willa。インスタを観ても元々お美しい方のなのですが、本作で魅せる凛々しさが堪りません。マッチョ男には敵わないか弱さもあるが、簡単には言いなりにはならない、鼻っ柱の強さが凛々しいです。序盤でじゃじゃ馬ぶりを見せつけたあの母から生まれた娘だと、納得させてくれます。主人公の Bob が頼りにならない分、終盤の主役はほぼ娘のWillaになります。それには Bob が教え込んだレジスタンスとしての基礎が役に立っているのですが、一見意味不明な単語の羅列が、彼女を救う展開も圧巻です。
🎥
4. 全米でヒット、批評家も映画ファンも高評価
RottenTomatoesでも、IMDbでも高評価、BoxOffice Mojoでも初週は鬼滅を抜いて全米1位。好みは様々なので、全ての人が手放しで評価するとは断言しませんが、かなり万人受けする仕上がりです。変な予備知識が入る前に劇場で確かめてください。
食べ応え十分のスリルとユーモア!
本作の魅力は、斬新さ、リアルさ、そしてメッセージ性だと思う。
見たこともない映像が次々と展開してドキドキが止まらない。だから165分も長く感じない。むしろ、たまのスローが心地良い。
背景やセリフも新鮮で、さすがPTAと感じる。
普通の映画なら都合良く進むところで全部つまずく。
合い言葉は忘れる。
携帯のバッテリーは切れる。
せーの!でジャンプできない。
観客はもどかしくもあるが、全て「ま、そうだよな」と思えることばかり。
リアルの追及は更に続く。
催涙弾を浴びたら目を洗う。
ベッド下の荷物にはなかなか手が届かない。
後ろ手に縛られた人は、せっかく逃げ出せたのになぜか座り込んでゴソゴソ。何をしているのかと思ったら、足をくぐらせて両手を前に持ってきているのだ。
こうした「ストーリーに影響を与えない場面」を丁寧に積み重ねるから、フィクションが現実味を帯びる。
現実味があると、どうなるか。
敵の怖さが際立つのだ。
終盤のカーチェイスなど、ただ走っているだけなのにメチャクチャ怖い!
一方、これはコメディーか?と思うほどユーモアにも溢れている。人間ってテンパると変になるものなんだ。そんな笑いだから緊張感は途切れない。
メッセージは明快。
主人公は極左、敵は極右。
過激さ・頑固さはお互い様で、正義も悪もない。現代アメリカそのものだろう。
問題は、そこに無垢な子ども(次世代)が巻き込まれてしまうこと。
憎しみの螺旋はどこかで断ち切らねばならないのだが、現実はワン・バトル・アフター・アナザー(戦闘に続く戦闘)。
アメリカの分断は根深いのだ。
アンダーソンのロマンチックすぎる革命観も、今なら笑って許せるのではないでしょうか。
ベルリン、カンヌ、ベネチアの3大映画祭で受賞歴を誇るポール・トーマス・アンダーソンが、レオナルド・ディカプリオを主演に迎えて手がけた監督作。トマス・ピンチョンの小説「ヴァインランド」からインスピレーションを得た物語で、冴えない元革命家の男が、何者かにひとり娘を狙われたことから次々と現れる刺客たちとの戦いを強いられ、逃げる者と追う者が入り乱れる追走劇を展開します。
●ストーリー
カリフォルニアのメキシコ国境近くの米国の不法移民収容施設を男女の集団が襲撃します。拘束された移民たちを解放するゲリラ組織「フレンチ75」の仕業でした。
メンバーである「ゲットー」ことパット・カルフーン(レオナルド・ディカプリオ)とパーフィディア・ビバリーヒルズ(テヤナ・テイラー)は、作戦中に収容所の指揮官スティーヴン・ロックジョー警部(ショーン・ペン)を屈辱的に出し抜きます。鮮やかに移民たちを救い出し、祝砲の花火を打ち上げるパットでしたが、それが彼にとっては最初で最後の勝利となりました。
襲撃中にパーフィディアに拘束されてしまったロックジョーは彼女に異常な性的執着を抱くようになっていきます。
パットとパーフィディアは恋人となり、フレンチ75は政治家事務所、銀行、電力網への攻撃を繰り返します。
パーフィディアは娘シャーリーンを出産しますが、革命活動を優先し、パットと娘を捨てるのです。銀行強盗の失敗で警備員を射殺したパーフィディアは逮捕されます。ロックジョーからのモーテルでの性的関係とフレンチ75の仲間の密告を条件に、パーフィディアは証人保護プログラムに入り、ロックジョーは情報を基にメンバーを次々と射殺または逃亡に追い込むのです。
パットは娘シャーリーンを連れ、それぞれボブ・ファーガソンとウィラ・ファーガソンとして身を隠します。パーフィディアはロックジョーの監視を逃れ、メキシコへ逃亡するのでした。
16年後、聖域都市バクタン・クロスで暮らすボブ(パット)は薬物中毒とパラノイアに苛まれ、自立したティーンエイジャーに成長したウィラ(シャーリーン)を過保護に守って二人で暮らしていました。
一方、ロックジョーはフレンチ75を壊滅に導いた功績により警視に昇進し、白人至上主義の秘密結社「クリスマス・アドベンチャラーズ・クラブ」に入会します。黒人女性であるパーフィディアとの過去の関係を隠し、ウィラが実子である証拠を探すため、先住民の賞金稼ぎ・アヴァンティQ(エリック・シュヴァイク)を雇い、ウィラの確保を命じます。手始めにボブの同志ハワード・サマーヴィル(ポール・グリムスタッド)を捕らえますが、これがフレンチ75の残党に警報を発することになります。
ロックジョーは移民と麻薬の取締作戦を装い、軍をバクタン・クロスに派遣します。フレンチ75のメンバー・デアンドラ(レジーナ・ホール)が学校のダンスパーティー襲撃前にウィラを救出。薬物で朦朧とするボブは寝室の隠しトンネルを使い辛うじて自宅を脱出しますが、フレンチ75のホットラインのパスワードを忘れ助けを得られません。ウィラの空手師範セルジオ・セント・カルロス(ベニチオ・デル・トロ)に助けを求め、不法移民を隠しトンネルで避難しますが、屋根伝いの逃亡中に転落し逮捕されてしまうのです。
デアンドラはウィラを革命尼僧の修道院に連れていきますが、ロックジョーは修道院を襲撃しウィラを捕まえてしまいます。
ボブは果たしてウィラを奪還することができるのでしょうか。
●解説
ロバート・レッドフォードの訃報に触れ、「アメリカン・ニューシネマ」という言葉を久しぶりに聞ききました。彼の主演作をはじめ、1960~70年代に公開され、反体制を掲げ、バイオレンスやセックス描写もいとわない、新しい映画群に与えられた総称です。
ポール・トーマス・アンダーソン監督の新作は、その魂を受け継ぎ、現代の映画として刷新し、よみがえらせたかのようです。上映時間は2時間42分。息つく暇を与えない圧巻の映画です。タイトルは、日本語にすれば「闘争に次ぐ闘争」。
アメリカン・ニューシネマの精神は、闘争と逃走の劇として継承されています。権力と闘うのは自由を得るためだから、捕まらないことが肝要。だから、本作のアクションは、追いつ追われつの連続となるのです。
最終盤、スピード感がないのに緊迫したカーチェイスにも驚かされましたが、白眉はボブが娘の空手の「センセイ」ことカルロスに助けられ、あたふたと逃げ回る場面でしょう。一帯はヒスパニック系らしい移民が集まり、喧騒に包まれています。多くのアンダーソン作品を手がけてきたジョニー・グリーンウッドの音楽が切れ目なく流れ続けるのが驚異的。音楽が並走するというより、音楽に並走するように、ボブは逃げ続けるのです。
アンダーソン監督は、アメリカン・ニューシネマを作った先人たちの背を遠くに見つつ、新しい映画を創造してみせてくれました。まるで、消息を絶った母の生まれ変わりとして新たな闘争の場に飛び込んでいく娘、ヴィラのように。
もちろん、なぜ本作がアメリカン・ニューシネマの再来のように見えるのかは、現実の米国社会に目を向ければ、容易に想像できることでしょう。
現実の戯画化に成功し、殺伐とせず、むしろコミカル。ペンやデル・トロも怪演ですが、何と言ってもディカプリオです。少しもかっこいいというところがなく、ドジな闘争ぶりを見せつける姿には、どこにもディカプリオらしさを感じさせないところがすごいのです。元革命家を自虐的に演じるコメディーセンス、ぼろは着てても心は錦と言わんばかりのじたばたぶりが素晴らしいところ。べたべたしすぎない親心も味わいがあります。そのくせ娘を守りたいという強い愛情も感じさせてほろりとさせられます。
●感想
革命家を名乗るパットですが、逃亡生活の中ですっかりなまくらになってしまうところが笑わせてくれます。仲間に支援を求める電話をかけても、「今、何時だ?」と問われ絶句してしまうのです。答えるべき単純な合言葉さえ、挫折と酒浸りの日々ですりへらした脳は思い出せなくなっていました。電話の向こうの杓子定規な奴に向かって自分がいかに革命に献身したのかを力説するも「なるほど。で……今は何時?」と嘲笑こみで返されてしまうのです。泣き笑いの名場面は、まるでパット自身に問いかけているかのように、おまえは今が何時だと思っている?と問いかけているようでした。
パットひとりは鈍重。子供たちにはバカにされ、屋根からは落ち、走っている車から振り落とされるのです。爆弾は不発だし、狙撃は失敗します。決定的に時代錯誤で、信念もない自堕落な中年男は、どこまでも不格好に走りつづけるしかありません。
主人公の革命とはとどのつまり娘を救うことだったのか!ダメ男がただひとつ大事にしている娘への思いを込めて、映画はパットの悪戦苦闘をあたたかく見まもります。希望と未来は新しい世代に託す、そんなアンダーソンのロマンチックすぎる革命観も、今なら笑って許せるのではないでしょうか。
面白いですが、少々誇大広告では
こういう映画、大好物!!
エンタメとしてめちゃくちゃ面白かった!!
逃走劇に次ぐ逃走劇といった感じで、走り出したら止まらない映画。
まさにタイトル通り。
それでいてどのキャラもとにかく人間臭い。
そこが良い。凄く良い!
捻りに捻った複雑なストーリーとか続編の続編とかアメコミ映画とかが乱立する中、本作はオリジナル作品ながら本当にちょうどいい洋画だった。
深すぎず軽すぎず。
でもそれいて社会性も巧みに取り入れてエンタメとして見事に昇華してしまうあたり。
まさにセンスの塊。
序盤からして特徴的で。
まーもうカメラの構図からして非常に印象的で、そこに緊張感のあるBGMがかかりだして、ストーリーが走り出して。
…といった感じにエンジンかかってくんですが。
それだけに留まらず、「嘘でしょ? どうしておまっ⁈」
みたいなこっちの意表を突かれる展開が突然入ってきたりして。
それがまた面白く、時にドン引きしたりヒヤヒヤしたりしながらも、ずっと映画的緊張感が持続しっぱなしの260分でした。
本当に上手い。
よくできてる映画だなと。
それでいて王道なだけじゃなく、しっかり作家性も入っている。
凄いなと。
特に、ディカプリオのギャグも入れ込みつつの会話劇&長回し風逃走劇のパートが良すぎました。
今のディカプリオだからこその深みのある演技とおかしみ。
ベニチオ・デルトロのナイスガイっぷりと日本へのリスペクト。
ショーン・ペンのどこか憎めない変態二重人格っぷり。
どの俳優陣も最高すぎました。
終盤の展開も素晴らしい。
往年の名作を思わせるカーアクションながら、あっと驚かせる仕掛けがしっかりあって。
もう本当にお腹いっぱい大満足でした。
スピルバーグ大絶賛も納得です。
つまんなかった…
素敵な悪ふざけ
映画史に残るキモヤバ大佐。
PTAの職人芸に心酔
2時間40分強という長丁場のわりにドラマが意外にシンプルで、正直少し食い足りなかった。物語の根底に現在のアメリカが抱える問題を忍ばせていることは確かである。しかし、本文はあくまでボブたち家族が辿る数奇なドラマであり、社会派的なメッセージを消化し切れていないという感じがした。
ただ、ポール・トーマス・アンダーソン監督の卓越した演出に心酔しながら、最後まで面白く観ることが出来たのも事実である。
市井に根差した群像劇、重厚な人間ドラマ、ポップなロマンス等、これまでに様々なトーンの作品を撮ってきた氏にとって、ここまでサスペンス、アクション、コメディがてんこ盛りなエンタメ作品は初めてではないだろうか。社会派作品ではなく敢えてエンタメに振り切っているようにも見える。
まずオープニングの移民収容所の襲撃シーンから引き込まれた。スピーディーな展開と怒涛のアクション。そして、革命組織”フレンチ75”の女性リーダー、パーフィディアと爆弾のプロ、ボブの恋愛萌芽を衝動的に描きつつ、適役となるロックジョー大佐の悪鬼の如きキャラを明確に提示しながらドラマの芯を早々に屹立させた手腕は見事である。前振りとなる”前菜”を省略していきなりメインディッシュの皿にコッテリ系の具材を盛ってしまうという”剛腕”ぶりに魅了された。
ボブと娘ウィラが身を隠す”バクタン・クロス”の町が一夜にしてカオスと化す中盤のシーンも凄まじい。エネルギッシュな描写の連続にグイグイと引き込まれた。
更に目を見張るのはクライマックスのカーチェイスシーンである。ちょっと今まで見たことがないような映像で撮られていて面白かった。
これまでも映像に並々ならぬこだわりを見せてきたアンダーソン監督だが、前作「リコリス・ピザ」あたりから余りカッチリとした画作りを目指すのではなく、見せ場となるポイントに絞って技巧的な撮影に挑んでいるような気がする。このクライマックスなどは正にそう思えるシーンだった。
キャスト陣の妙演も非常に楽しめた。
スラップスティックな要素を持つ本作では個々のキャラもかなりカリカチュアされており、夫々に”やり過ぎ”と思えるくらいの演技を披露している。
ボブを演じたレオナルド・ディカプリオのルーザーっぷりは白眉で、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」を彷彿とさせるラリッた演技は最高に笑えた。
ロックジョーを演じたショーン・ペンのサイコパスすれすれな怪演、窮地に陥ったボブを助ける柔道の”センセイ”を演じたベニチオ・デル・トロの飄々とした演技も良い味を出していた。
今作は音楽もかなり主張している。もはやアンダーソン映画の常連と言った感じのジョニー・グリーンウッドによるスコアがほぼ全編に渡って流れ、各シーンをシームレスに繋ぎながらユーモアとサスペンスを断絶させることなく上手く盛り立てている。
ウィラの物語
そうか…スターウォーズだったんだ
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