劇場公開日 2025年10月3日

「しっくり来る」ワン・バトル・アフター・アナザー AMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 しっくり来る

2025年10月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ディカプリオ、ショーン・ペン、ポール・アンダーソンと列挙されたら、とりあえず観る。まあまあの線とあまり期待はなかったが、良い意味で裏切られた。
前世紀(2000年以前)の感覚が蘇り、当時の余韻を残した良い映画だ。正直、特筆するところは無いにも関わらず、若い頃に当時のアクション映画にドキドキ、ハラハラしながら観ていた感覚が戻って来たのは、我ながら意外だった。そういう意味では、観る人を選ぶのかも知れないが、もし若い人が、同じ感覚で共感してくれるのであれば、大成功では無いだろうか。

ストーリーや構成としては、まあ凡庸の域を出ない。その中でドンパチしながら、きっちり展開していく話運びは、安心感がある。ネトフリの冗長なドラマよりテンポは早いが、最近のやたら忙しい邦画よりは緩めのリズムが心地よい。

この時代に「革命」を叫ぶ人々と、それを治安維持を隠れ蓑にした差別主義者が、ターミネーターばりに追いつめる。その対立構図の中で、個性的な面々がスクリーンを彩るところが、最高だ。
会話のシーンでは顔のアップが多い。頭も切れるほどのドアップで、それぞれの特徴のある役者から、不安や怒り、もがき苦しみなどが伝わる。特にディカプリオの、ほぼ顔芸の表情。少し薬が入って錯乱気味な感じなのに、妙な親近感が湧いてくる。(まぁ、それにしても"F⚫︎CK"言い過ぎだけど) 「ノマドランド」のフランシス・マクドーマンドのドアップを思い出した。名優は、大スクリーンにあっても、顔だけで画が持つ。

劇場が、少し小さめの80名くらいのキャパのスクリーンであったが、ほぼ満席。客層も幅広く、意外にこの手の映画も根強い人気があるのか、思いがけず混んでいたので、前の方の席となった。アニメや邦画に押され気味の地味なジャンルかも知れないが、洋画も面目躍如といったところか。もう少し広いところで、上映してほしかったかな。

AMaclean
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。