「食べ応え十分のスリルとユーモア!」ワン・バトル・アフター・アナザー パンダさんの映画レビュー(感想・評価)
食べ応え十分のスリルとユーモア!
本作の魅力は、斬新さ、リアルさ、そしてメッセージ性だと思う。
見たこともない映像が次々と展開してドキドキが止まらない。だから165分も長く感じない。むしろ、たまのスローが心地良い。
背景やセリフも新鮮で、さすがPTAと感じる。
普通の映画なら都合良く進むところで全部つまずく。
合い言葉は忘れる。
携帯のバッテリーは切れる。
せーの!でジャンプできない。
観客はもどかしくもあるが、全て「ま、そうだよな」と思えることばかり。
リアルの追及は更に続く。
催涙弾を浴びたら目を洗う。
ベッド下の荷物にはなかなか手が届かない。
後ろ手に縛られた人は、せっかく逃げ出せたのになぜか座り込んでゴソゴソ。何をしているのかと思ったら、足をくぐらせて両手を前に持ってきているのだ。
こうした「ストーリーに影響を与えない場面」を丁寧に積み重ねるから、フィクションが現実味を帯びる。
現実味があると、どうなるか。
敵の怖さが際立つのだ。
終盤のカーチェイスなど、ただ走っているだけなのにメチャクチャ怖い!
一方、これはコメディーか?と思うほどユーモアにも溢れている。人間ってテンパると変になるものなんだ。そんな笑いだから緊張感は途切れない。
メッセージは明快。
主人公は極左、敵は極右。
過激さ・頑固さはお互い様で、正義も悪もない。現代アメリカそのものだろう。
問題は、そこに無垢な子ども(次世代)が巻き込まれてしまうこと。
憎しみの螺旋はどこかで断ち切らねばならないのだが、現実はワン・バトル・アフター・アナザー(戦闘に続く戦闘)。
アメリカの分断は根深いのだ。
ノーキッキンさん
コメント有難うございます!
ラストの女子高生の活躍は革命闘士の娘とはいえ凄すぎますよね。
でも、自分の父に向かって「Who are you?」と言わせたのはその流れがあってこそ。
ディカプリオvsショーン・ペンも見たかったですけど、あの主人公が勝てたはずがないので自滅で良かったと思います。取るに足らない男だったということも含めて。
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