「ハリウッドらしいアクション娯楽作」ワン・バトル・アフター・アナザー 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
ハリウッドらしいアクション娯楽作
公開直前まで目に付かなかった作品だったが、デカプリオ出演作であることと、予告編にハリウッドらしさを感じたので、「とにかく観てみよう」と観賞。
【物語】
革命家を名乗る過激派グループ“フレンチ75”のメンバーのボブ(レオナルド・ディカプリオ)は、“フレンチ75”主要メンバーであり代々革命家の血を継いだパーフィディア(テヤナ・テイラー)と結婚。娘ウィラが生まれたのを機に、娘を溺愛するボブは活動から手を引こうとパーフィディアに訴えるが、彼女は聞き入れずある日活動に出掛けたまま帰って来なかった。
16年後、ボブは“フレンチ75”の掃討作戦から逃れ、片田舎でひっそりと娘のウィラ(チェイス・インフィニティ)だけが生き甲斐の凡庸な日々を送っていた。しかしある日、16年前に“フレンチ75”掃討を指揮した軍人ロックジョー(ショーン・ペン)がある事情でボブ父娘を強引な手段で探し始める。それを察知した“フレンチ75”の残党メンバーがウィラを匿ったとボブに連絡する。娘の身に機関が差し迫ったことを知ったボブは一刻も早くウィラを引き取り、自分で守りたいと思うが、焦るばかりで誰がどこへ連れていったか把握できず、動揺する。
ボブは限られた情報と伝手をたよりに動き出すが、ボブとウィラにロックジョーの手下の刺客たちたちが次々と襲いかかる。 娘を助けたい一心のボブは彼らと死闘を繰り広げる。ウィラもまた命の危険が差し迫る中で革命家の血が目を覚ます。
【感想】
コロナ前までは邦画/洋画の観賞数比率はほぼ半々だったが、コロナとハリウッドの業界ストライキの影響が尾を引いているのか、未だにハリウッド映画の上映数が少なく今年の比率は7:3。ハリウッド映画欠乏症気味だが、久しぶりにいかにもハリウッド映画らしい作品を観たような気がする。血生臭さ、命の危険迫る緊迫感、バトルの結末の爽快感を久しぶりに味わったという気がする。
父親が娘を救出するために戦うという構図では“96時間”シリーズが思い浮かぶが、ボブ(ディカプリオ)はリーアム・ニーソンほど凄腕じゃない。元革命家と言っても、そのメンバーだっただけに過ぎず、どこか頼りない。が、そのどこか頼りないお父さんの奮闘がこの作品の味になっている。例えば、昔の仲間から情報を聞き出そうとするも秘密の暗号を思い出せない、その間抜けさが逆にいい。
あと、俺が「すごくいい」と思ったのはベニチオ・デル・トロ。彼の役回りはボブを助ける近所のおっさん。と言っても闇社会にも通じる。“ただのおっさん”ではないのだが。 出番もそう多くないのだが、彼がスクリーンにいる間は空気が変わる。過去何作か彼を観て、凄い役者だと思っていたが、本作でも彼が醸す「このおっさんは頼りになる」感が凄い。頼りない“お父さん”とは対照を成す“センセイ”の存在が際立っていた。武道の先生なのだが、すごいアクションを見せるわけでも、眼光鋭いわけでもなく、どちらかと言うとヌボーっとした顔つき・表情なのにただ者ではない男を演じられるこの存在感はなんなんだろうと不思議にさえ思える。
また、母親役テヤナ・テイラーに白人男が惹かれるのは、俺には全然ピンとこなかったが、ウィラ役チェイス・インフィニティはなかなか魅力的だった。今後イイ女風黒人女性役としては重用されるのはないかと思う。
ハリウッドらしいアクション娯楽作として悪くない。
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