劇場公開日 2025年10月3日

「これこそが映画」ワン・バトル・アフター・アナザー つくね以外は塩でさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 これこそが映画

2025年10月5日
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今から四半世紀前に『ブギー・ナイツ』が公開されたとき、(とんでもない才能が現れた!)と映画好きの人はみんな思ったし、僕も次作の『マグノリア』を観て(これこそ映画だよなー)と凄く嬉しかったのを覚えている。P.T.アンダーソンはその後も傑作を数多く作っているけど、何が凄いかって、危険なテーマにガチンコで向かっていきつつ、それを娯楽映画としてまとめあげる懐の深さにつきる。この人はずっとパンクのままでいてくれるだろうし、そんなふうにしか生きれないんだと思う。この映画でショーン・ペンと娘が対峙するシーンは、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の宣教師と対峙するラストシーンを思いださせる凄まじい場面だけど、もはや「大審問官」だもんね。しかもハリウッド資本のど真ん中という痛快さ! 最後にあと一つだけ。最後のカーチェイス、あれダサい監督だったら、絶対カットを細かく割って坂の上でタイヤが跳ねるような撮り方をしているよ。P.T.アンダーソンがそれをやらないのは、その瞬間別の何かが「死んじゃう」ことに自覚的だからだと思うな。何にせよ、2台の車の追跡劇に、ディカプリオの3台目が絡んでくる瞬間は、久々にスクリーンの前で血がたぎりました。必見。

つくね以外は塩で
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