「期待度◎鑑賞後の満足度◎ 先ずは見事な娯楽映画であることに拍手👏一部ご都合主義な処もあるが映画好きには堪らない御馳走である。但し、娯楽映画の裏に現代社会の問題(分断、白人社会の崩壊)を孕んでいる。」ワン・バトル・アフター・アナザー モーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
期待度◎鑑賞後の満足度◎ 先ずは見事な娯楽映画であることに拍手👏一部ご都合主義な処もあるが映画好きには堪らない御馳走である。但し、娯楽映画の裏に現代社会の問題(分断、白人社会の崩壊)を孕んでいる。
①題名(“次から次への闘い”、というよりも“闘い終わって、また闘い”の方が本作のニュアンスに合っているかな?)からは、エマニュエル・トッドの最近作『西洋の敗北と日本の選択』の中にある一節“戦争は歴史家から見れば残念ながらありふれた人間的活動”が思い浮かんだ。
実際、本作の背景として(あくまでプロットを機能させる背景ではあるけれども)、現代アメリカ(世界と言っても良いけど)での移民問題(国家間の格差)や未だに残る白人至上主義、その一方での此まで白人中心の世界倫理・秩序の崩壊・終焉と新しい秩序の台頭が垣間見える。
②演出はまことに快調。全監督作を観ているわけではないけれども、本作が一番楽しく観れたと思う。(『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』はいまだに最高傑作だと思う。『ブギーナイツ』は好き、『マグノリア』『ファントム・スレッド』は秀作だとは思うけど個人的にはも一つ、『リコリス・ピザ』はも一つ面白さが分からなかった。)
③演出・脚本・撮影(カメラ)・音楽の上手さもさることながら、主演の3人のオッサン連中(でも私より年下)の巧演が堪らない。
ショーン・ペンが上手いのは当然として(それにしてもブッ飛んだ役、ショーン・ペンにしか出来ないだろうねェ)、レオナルド・ディカプリオが、『ギルバート・グレイプ』(この演技も素晴らしかった)から見始めて『タイタニック』を経て『レヴェナント』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『キラーズ・オブ・フラワームーン』、そして本作と見観て来て、何と上手い俳優になったものだと実に感慨深い。本作でも緊迫感のあるシーンなのにどこか可笑しい余裕と軽みが有って見ていて飽きない。
ベニチオ・デル・トロも、『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』でも好演であったが、本作でも助演ながらこちらもスリリングなしーんの筈なのに安定感・洒脱感たっぷりで実に上手い。
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