「本当に得たものは」マルティネス MARさんの映画レビュー(感想・評価)
本当に得たものは
定年間近の孤独で偏屈な男の隣人が孤独死。しかしその遺品に触れていくうちにいつしか恋心のようなものが芽生え、自身も変わっていき…と言った物語。
初っ端からマルティネスの透かし芸がお見事。これだけ絶妙だと、何テイクもしたんだろうな…と本筋じゃない所に感心。
さておき、偏屈なマルティネス…とのことだが、コンチタ・パブロもタイプは違えど充分に変わり者だろ(笑)そんなこんなありながら、3人を中心とした人間ドラマが展開されていく。
序盤は結構退屈かな~なんて思っていたが、彼が人間味を増していくにつれ中々にのめり込ませられる。空想上の恋人…他の人がやっていたら正気を保て‼…なんて言ってしまいそうだが、彼に限ってはなんだか応援したくなるから不思議ですね。しかも、それを機に同僚達との関係も…。
マルティネスのみならず、コンチタとパブロの物語も良い味出。そうそう、人は皆どこか孤独を抱えているものですよね。少ないけど、星飛雄馬になる前に2人が来てくれたシーンはなんだかとってもホッコリしましたよね。まぁこっちは誕生パーティーだけど。
存在はしなくとも、その恋人が人生を好転させてくれた…なのか、或いは存在しない恋人よりも今いる友を…ということでしょうか。彼の所を訪れるラストにもグッときた。これからの3人に幸あれッ‼
静かな展開ながらも、確かに心にガツンと響くメッセージを持った良作だった。
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