「ベルトルッチが生きている時にやってほしかった…」タンゴの後で Rosalindさんの映画レビュー(感想・評価)
ベルトルッチが生きている時にやってほしかった…
この映画のもとになっている『ラストタンゴ・イン・パリ』はずっと昔に見ていて“例の場面”だけが今も印象に残っている。その女優のこと、またその後の女優のことは全く気にかけていなかったが、この映画はそのことを扱っている。
“me too運動”後のトレンドに追随したものだろう。日本でもタレントのおっさんたちが過去の女性問題を掘り起こされ謹慎させられているがその種の系統の話だ。監督も原作も女性だが、ベルトルッチの死後に暴露本や映画を発表するのはやや公平さに欠ける気もする(ベルトルッチは「当該場面は脚本に含まれていた」と主張しているらしい)。
“#Me too運動”をトレンドと捉えることに問題があると捉える向きもあるが、Twitter・スマートフォンの普及以前には考えられない情報の拡散が見られたわけだから、その在り方は紛うことなき「trend」である。また、マリアの親族が著した原作をベルトリッチの下でインターンとして働いていた監督が映画化するという中途半端な構図も潔くなく、当事者が生きている間に当事者間で解決すべき問題なのではないか…。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。