「ミミズだってオケラだってアメンボだって」夫の部屋 ひろちゃんのカレシさんの映画レビュー(感想・評価)
ミミズだってオケラだってアメンボだって
チェーホフの偉大さではなく、チェーホフを敬愛する監督の偉大さを味わう一作。
あの喫茶店のねぇちゃんは、ひとの傷口に汚い指突っ込んでぐいぐい広げるような自己顕示モンスターにしか見えないが、このキャラに何かの象徴性を読み取れないような奴はチェーホフを語るな、という事だろう。はいはい、口が裂けても語りませんとも。
劇中劇とそれ以外のシーンが同じ芝居だったが、これは演出というより演技者の技術的限界の露呈とみるべきだろう。
ラスト近くで喫茶店ねぇちゃんと演出家がそれぞれのシチュエーションで「ごめんなさい」というのだが、その重みの違いだけが面白かった。
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