「虐げられる者」BAD GENIUS バッド・ジーニアス U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
虐げられる者
前半がもっとコメディっぽかったら、もうちょい楽しめたかも。同級生がナイスなキャスティングすぎて、社会的な事まで投影してしまう。
主人公達に感情移入しにくいのだ。
ヒロインは学費免除とかの待遇を受けてるのにカンニングの片棒を担ぐ。友達の為ではあって、まぁ可愛い部類のカンニングだ。それが組織的になって金銭が絡んでくると笑ってられなくもなる。
元々あるテストの意義が蔑ろにもされ、つまりは、学力に特化してた自分の価値さえも貶めていくように思う。
頭悪いなぁと思う。
またこの同級生達が権力者の子供とかで…金さえ積めばなんとかなる主義で向っ腹がたつ。
主人公サイドに何一つ大義名分がないと来てる。
そこそこシリアスな話しにもなってくから、余計にテンションも下がる。
自業自得の一部始終を見せられてる感じなのだ。
時差を使ったカンニングとか、お♪とも思うのだけど、コメディでもなければクライムでもないし、この頃はだいぶシリアスになって、大人の事情も介入しまくってるから、溜息しか出ない。応援出来ないのだよ。
つまりは、権力のある者達にいいように使われた能力ある者って構図になって、それが落とし所にもなってるから爽快感すらもない。
劇中で、「winwinの関係なんてあるわけない。誰かが犠牲になってるんだから」なんて台詞がある。
当事者達は損をしなくても、どこかで損害を被る人間が出てくるって話だ。
フェラデルフィアのテストは、彼女達のせいで無効になった。人生を狂わされた人もいるだろうって話だ。
後日、彼女が提唱する救済案も、ドヤ顔で話されりゃイラっともする。
…とは言え、表面化しないだけで誰かの幸せは誰かの不幸せの上に成り立っているのが世の常なのだろう。
それが真理だとするなら、中途半端な懺悔とかよりも振り切った方が良かったなとも思う。
タイの作品のリメイクらしいのだけれど、改悪とは言わないまでも、お国柄故にズレてもしまったんだろうなぁと思う。
主役のキャスティングがさぁ…悪いというか合致しすぎてるというか、頭いいだけじゃなくて、腹黒くも見えるからこんな感想にもなったんだろうなと思う。

