劇場公開日 2025年10月25日

「子や孫に感謝されたい」女性の休日 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 子や孫に感謝されたい

2025年11月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1975.10.24にアイスランドの女性が一斉に休日を取得したらしいのね。実質はストライキ。
その話をスト参加者のインタビューを中心にまとめてんの。

映画館まで結構あるいて体が温まってたからか、前半で少し寝ちゃったんだよね。
レッドストッキングが活躍しはじめるあたりで目が覚めたんだけど。

この活動でまずいいなと思ったのは「ワンデイストライキをやろう」って言ったら右派女性が参加に反対するんだよね。そこで「ワンデイオフならいいでしょ」って変えるのがいい。
レッドストッキングのメンバーには「それは違う」と思う人達も多そうだったんだけど、そこは譲歩してんの。
活動って、こういうところで双方譲らずに分裂して終わることが多い印象だけど、そこを避けてくのが良いと思ったな。

新聞社勤務の人たちのデイオフ参加でも「デイオフには参加しろ。でも深夜に戻って紙面を作れ」で、やっぱり一部の人は「それは違う」と思うんだけど、そのまま進めるんだよね。
こういう落とし所の作り方がうまいと思ったの。

デイオフ当日の参加するかどうかで「参加するかしないかは各人の判断に任せます。私は参加するけどね」はカッコいい。芝居がかった感じでやってみたい気持ちわかる。

全体通してなんだけど、みんなきちんと議論してる感じがあるね。
感情的になるんじゃなくて、私はこう思うけど、あなたはどう思う?って感じで。
熟議を中心とした民主主義が徹底してる気がした。
それが大きな社会活動ができる秘訣なのかも。

出てくる人はみんな魅力的だね。
1975年当時の映像みると「こんな魅力的な女の人いたら惹かれる」と思うの。
それから50年経ってるからね、いま幾つなんだよって話だけど、やっぱり惹かれる。すごいね。

活動の歌があるんだけど、その歌詞のなかに「子や孫が、私達が変えてくれたと感謝する」みたいな歌詞があるの。
これだよね。
後の世代に誇れることをやりたい。

日本もガラスの天井が破れたから「ほら、俺たちの世代で破ったぞ」と誇りたいところだけど、どうなるかなあとも思ったな。

Scott