ローズ家 崖っぷちの夫婦のレビュー・感想・評価
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長く一緒にいるほど難しい? 片目をつぶることと思いやり
サーチライトピクチャーズ、カンバーバッチ&コールマンという組み合わせに惹かれて鑑賞。リメイク元の「ローズ家の戦争」(未鑑賞)がレビューサイトで星少なめ評価なのが若干気になったが、なかなか面白かった。
主演2人は私の中ではシリアスな作品や難しい役柄での印象が強いのだが、経歴を見ればコメディの経験も豊富であり、気持ちのすれ違いから対立に発展する夫婦のやり取りを軽妙に演じている。それだけでなく、本格的なバトルに至るまでの2人の心の揺れもリアルに表現していて、夫婦のあり方について考えさせられた。
妻のアイビーの作る美味しそうな料理の数々、夫のテオが設計した海辺の邸宅が見事で、目でも楽しめる。
正直、殺伐としたバトルがメインの話だろうと漠然と予想していて、むしろそれを期待していたのだが、中盤を過ぎるまではなんだかんだ言いつつも互いにギリギリで踏ん張って冷静な態度を見せたりして、小康状態が続いたのは意外だった。
友人のアメリカ人夫婦から銃をもらったり、新居にナイフの埋め込まれたテーブルを置いたりといったエピソードはフラグでしかなかったが、中盤まではテオとアイビーの夫婦にも一応大人の分別があり、不満の炎が燃え上がることはかろうじて回避してゆく。
ところが、テオが設計した海洋博物館が嵐に吹き飛ばされてから芽生えた夫婦のパワーバランスの変化が、次第に効いてくる。博物館がド派手に崩壊する様子がMADムービーで拡散され、仕事が全く来なくなったテオのプライドはズタズタだ。一方、同じ嵐がきっかけで経営するレストランが評判になったアイビーは仕事にのめり込むようになる。
育児に専念したテオに、あっという間に調教された娘と息子(アイビーが夜中にお菓子を食べさせようとしてたのは確かによくない)。
契約がどうとか言い出して、後で父の洗脳の反動が来るかと思いきや、体操の専門学校(?)に進学までしてしまう。それでいて、両親の不仲も最初から見抜いていて離婚話にも動じないという謎に鋼メンタルの子供たち。
クジラ救助でのスピリチュアル体験から離婚を思いつくテオだが、離婚協議の入り口でつまずいてしまう。協議の場に犬を持ち込む弁護士と、テオ側の弁護士にビシッと言われるとスンッとなる犬に笑った。まあ、自分でデザインしたとはいえアイビーの収入で建てた家をもらおうとするテオもどうかと思う。
家を自分に譲るという契約書にサインをさせようと手段を選ばないテオ。騒音の嫌がらせ、希少本を燃やす、果てはアイビーにアレルゲンの食品を食べさせる。嘘のサイン(何故かゼンデイヤ笑)をして危機を回避するアイビー、賢い。命に関わる脅しをされたんだから、そりゃ銃で反撃するしかないよね(ないのか?)。
最後は急転直下で愛情が復活するものの、バトル中にテオが破壊したジュリア・チャイルドのコンロから漏れたガスが滞留する中、テオがハルに暖炉点火を指示。間違いなく爆死というびっくりエンディング。
でもまあ、あそこまでこじれて命のやり取りにまで足を突っ込んだ夫婦は、一瞬仲直りしたところでまたもめるだろう。愛情を再確認したタイミングで死ねるならある意味ハッピーエンドでは?
イギリスの聖職者トーマス・フラーは言った。「結婚前には両目を大きく開いて見よ。結婚してからは片目を閉じよ」
作中、テオの友人の弁護士バリーも「よいところだけを思い出せ」とか何とか言っていた。テオたちも途中までそれなりに頑張っていた気はする。だが、片方が幸運を手に入れ、もう片方が不幸に見舞われる中で、どこまで相手を思いやれるか。考えてみればなかなかの試練だ。
テオたちのギスギスした関係を笑いながら、自分には彼らの愚かさを他人事のように笑う資格があるのだろうかと、心の片隅で自問する。銃やナイフまで行かなくても、夫婦関係がこじれる時に誰もが陥りやすい典型的なパターンが、ローズ家の物語のそこかしこに埋め込まれているのではないだろうか。
君はいつもいない
こないだ鑑賞してきました🎬
テオにはベネディクト・カンバーバッチ🙂
気難しげな建築家の男…リアルです。
時折見える不安定さは、共感しました。
子供たちをかなりのトレーニング漬けにするのはちょっとどうかと思いますが😅
彼の感情が発露するシーンは、カンバーバッチの役者としての魅力が光ります👍
アイヴィにはオリビア・コールマン🙂
「女王陛下のお気に入り」
でもそうでしたが、相変わらず圧倒的な演技力😳
料理人としての才能が開花し、自分でも信じられないほど成功してゆく…。
そして直面する、あの問題。
彼女の演技も感情が宿った瞳や顔の傾け方が秀逸で、素晴らしいものでした😀
ちょくちょくいざこざが起きる夫婦に、やがて決定的な事態が起きる。
それを上手く現代風にアレンジしてみせた手法は、流石の一言🫡
うお…そこまでやるのかというシーンもありますが😥
前半は楽しく見れますが、後半は…とりあえず夫婦で見るべきではないでしょう🤔
ブラックコメディとして割り切れる方には、おすすめです🖐️
夫婦って大変そうって思った
・軸は夫婦の話だった。独身なので正直、共感できるところがあんまりなかったけど、諸所で面白いと思ったところもあった。
・超大型の台風?が来て敏腕建築家だった?夫の博物館が崩壊した日に元調理人で専業主婦だった妻がこじんまりと営業しているレストランに避難するように人が流れてきて食通の評価を得て大繁盛と、わかりやすい対比で夫婦の立場が逆転。奥さんが仕事で活き活きとしていくのを見ていて不愉快になっていく夫というのは何回か観てきたけど、正直、想像でしかわからないので、ああいうもんなんだろうなぁっていつも思っていて今回も思った。夫婦は特殊な関係なんだろうなぁ、と。
・家事をすることになった夫が畳んだ衣類を仕事から帰ってきた妻が床にぽんって置いて腹が立ったシーンがあった。仕事している方がヒエラルキー的に上っていうのがあるからああいう時むかっとするけど、なんか言えないってあるよなぁって思った。
・夫が子供の世話をすることになって、食事制限、トレーニングを課していた。嫌がってぐれるかと思ったら素直に継続していて、スポーツの大学?にも進学していたのが面白かった。
・新しく家を建てて夫婦関係が限界に近づいていた朝にジョギング中、クジラを見つけたシーンが面白かった。それを助けた時に、幸せを感じて離婚を決意するっていうのが面白かった。
・新しい家に友達を招待した後に妻がケーキを投げつけててんやわんやした後、夫がなぜ謝罪しないのかと妻を問い詰めた際に、確か何でも要求してきてばかりで謝罪なんてできない的な感じだったと思うのだけど、もっと寄り添えない物かと思えてくる。まぁ当事者だったら無理なんだろうけど。
・夫が再起をかけた、再起のきっかけになった自宅を夫婦で取り合う形になった。今思うと夫はわかるけど、妻はどうしてあそこまで執着したんだろう。女性なら何かわかるって感じなんだろうか。夫に嫌がらせしたかったという感じでもない気がするし、そう思いたい。10万ドル貰ってさっさと別のとこにとも思ったけど、夫にとっては再スタートの場所だから拠り所のようなところになっていたんだろうけど、あれだけ同じ建物の中でもめてたら自分だったら面倒くさくて手を引きそう。
・ラスト、AI完備の家を利用して妻を閉じ込めたり、風呂に入ってる夫の風呂にカニを入れたり、貴重なコンロを叩き割ったり、ベリー系のアレルギー?なのを利用して家の譲渡書類?にサインさせたり、高い苔を燃やしたり、拳銃を持ってきたりと今まで準備してた要素がすべて出てきての夫婦喧嘩が凄かった。最後の最後、ガス漏れからの爆破?まで一気にいって、色々あったのに、そこの印象を強く残して終わって清々しい。
愛という業火と、理性の崩壊について
「夫婦関係とは、いかにして崩壊するのか」。本作は、その問いに対して、実に英国的で冷笑的な答えを提示してみせた。監督ジェイ・ローチ、脚本トニー・マクナマラ、主演はベネディクト・カンバーバッチとオリヴィア・コールマン。この顔ぶれだけで、観客はある程度の知的な痛みを覚悟すべきだろう。
物語の骨格はシンプル。成功した建築家テオと料理研究家アイヴィ。裕福で、魅力的で、家庭も社会的地位も手に入れた完璧な夫婦が、夫であるテオの失敗をきっかけに互いを蝕み、最終的に破滅する。いわば“現代版ローズ家の戦争”。しかし1989年の原作映画が露骨な戦闘劇としての「破滅の喜劇」だったのに対し、2025年版はもっと内側から崩れていく。冷え切った関係ではない。むしろ、まだ愛があり、会話があり、夜の営みすらある状態から崩れる。この点に、本作の恐ろしいまでの現実味がある。
つまり、夫婦の間に「終わりの兆候」が見えても、当人たちはまだ理性と体裁で取り繕える。共働きの時代、互いに自立していて対等。だからこそ「関係を維持できている」という錯覚が生まれる。実際には、積み重なった小さな不満や比較意識が、心理的なガスのように部屋の隅々に充満していく。そして最後、ふとしたきっかけで火がつく。それがこの作品における“爆発”の本質である。
終盤、二人が常軌を逸した嫌がらせを繰り返す展開は、一見コメディのようでいて、実は夫婦心理の臨界点を象徴する。相手を壊そうとする行為は、完全な憎悪ではなく、「まだ相手の存在を必要としている」証でもある。無関心ならば嫌がらせすらしない。つまり、愛情が残っているからこそ、互いを破壊せずにいられない。“嫌悪の中に未練がある”という人間の複雑さを、見事に描いている。
そして本当に爆発するラスト。あの白い閃光は、ただの悲劇的演出ではない。燃え上がる家は、彼らの関係そのもののメタファーだ。愛と執着、理性と感情、家と心──そのすべてが一度に崩れ去る瞬間。観客は静寂の中で、自らの関係性を見つめ返すほかない。愛は、理性という薄皮を一枚剥がせば、すぐに暴力と隣り合わせにある。 現代人の「理性への過信」こそ、この映画が突きつける最大の皮肉だろう。
本作は、ブラックコメディの装いを借りた心理ホラーである。恐ろしいのは、テオとアイヴィが特別な異常者ではないという点だ。誰もがこの二人になり得る。キャリアも家も子どもも整った完璧な家庭が、一夜にして崩れる。しかも、互いに愛しているがゆえに。そこにこそ、現代の“幸福”が抱えるリスクがある。
笑いながら背筋が寒くなる。ローズ家の崖っぷちは、他人事ではない。理性と愛の間に積もったガスは、私たちのどの家庭にも、静かに満ちている。
♬あんなにぃ〜♪いぃいっしょ♪だぁったのにぃ〜♬
フランスの劇作家:アルマン・サラクルーは、この様な言葉を遺しています、
「人は、判断力の欠如で結婚し、忍耐力の欠如で離婚し、記憶力の欠如で再婚する」と。
また、哲学者ニーチェは「結婚とは長い会話である」と。
時折…人生の墓場とも揶揄される【結婚】
結婚なぞしなくても、寧ろ…しない方が、面白おかしく生きられる昨今…それでもヒトは、無形で不確かな«愛»なるモノを拠り所に、人生の伴侶と決めた人と結婚してしまう。
謎ですね🤔
弱肉強食が常の野生の世界に於いて、連れ合いを見つけたら、一切浮気もせず、死がどちらかを分かつ迄一途に連れ添い、後添いすら見付けない…タンチョウヅルの方が遥かに謎ですが。
ある嵐の夜を境に、経済的なパワーバランスが逆転したとある夫婦。
新進気鋭の建築家だった夫は、嵐によって設計した博物館が崩壊し職を追われ、嵐によって閑古鳥が鳴いていたレストランに避難のつもりで来た客へ振る舞った料理が絶賛され一躍料理界の寵児となった妻…
最初は…«ほんの一時的なつもりで»主夫となった夫は、今迄散々妻に甘やかされていた我が子に、トレーニングを付けスポーツマンとスポーツウーマンに育て、
仕事に追われる妻は、我が子達に頼りにされる夫を見て…深い疎外感。
夫も店舗拡大や雑誌やメディアの取材に引っ張りダコで邁進する妻に嫉妬の炎がメッラメラ…
それでも何だかんだで乗り越えてきたのに。
子供が奨学金を獲て、スポーツ専門アカデミーに13才から入学して寮生活するべく実家を巣立ってからが、さぁ大変。
子は鎹…なんて、サブイボ甚だしい諺も、こればっかりは確かにと認めたくなる程に、夫婦の精神的な溝は益々拡がるばかり。
そして、、とあるファンタスティックな出来事をキッカケに起きる離婚騒動…
運命的な出逢いをした筈なのに…
何でも言い合ってきた筈なのに…
感謝や謝罪を適時、ちゃんとしてきた筈なのに…
端っから運命的じゃなかった?
お互い軽口を叩き合うばかりで、肝心な事は云わず終いだったから?
いつも形だけのありがとうやごめんなさいだったから?
イケメンなカッバーバンチさんが、何処かズレてる真面目野郎を好演し、オリビアさんは何処かヌケてる毒舌ママを好演し、脇役も一癖アリの粒揃い。
『ローズ家の戦争』よりもマイルド且つ、最期は…ある種の【ハッピーエンド】🤣
牙は抜けても虎であれ!
夫婦の在り方に定型は無いにせよ、それぞれにルールやマナーは在りますわな。
“親しき仲にも礼儀あり”
そして、その締め方、終わり方も…夫婦の数だけあると。
あー、めんど😮💨
良くもなく悪くもなく…
砂浜に打ち上げられた鯨を夫のテオ・ローズが仲間を集め助けたことがきっかけで妻のアイヴィ・ローズと仲直りをすると思いきや離婚を切り出す夫。
面白くなってきたぞ!と、どういう結末を向かえるのかワクワクして観てましたがなんだかモヤモヤ感が残る結末でした。
ベネディクト・カンバーバッチとオリビア・コールマンの息の合った演技は見ものです
軽口と余計な一言と、皮肉と中傷の間には色んなものが詰まっていますね
2025.10.30 字幕 イオンシネマ四條畷
2025年のアメリカ映画(105分、PG12)
1989年の『ローズ家の戦争』のリメイク映画
缶とkはジェイ・ローチ
脚本はトニー・マクナマラ
原題は『The Roses』
物語は、イギリスのロンドンにて、建築家として活躍しているテオ(ベネディクト・カンバーバッチ)が描かれて始まる
彼は建築されたマンションのバルコニーが気に入らなかったが、ボスたちに負けて、それを採用せざるを得なかった
その場に居られなくなったテオは厨房へと逃げ込み、そこでシェフのアイビー(オリヴィア・コールマン)と出会った
彼女も自分の案が採用されずに悶々としていて、近くアメリカに渡ることになった
テオは咄嗟に「ついていっても良い?」と聞くと、彼女は「セックスもしていないのに?」と見つめ返す
シンパシーを感じた2人はそのまま貯蔵庫に駆け込んでセックスを始めてしまった
それから10年後、2人にはロイ(オリー・ロビンソンズ、青春期:ウェルズ・ラパポート)とハティ(デラニー・クイン、青春期:ハラ・フィンレイ)という2人の子供がいた
順調に思えた生活だったが、台風によって壊れた博物館の事故をきっかけに、立場が逆転してしまう
テオは失職状態になり、アイビーの店は評論家のレビューによって大盛況となった
そこでアイビーは、店を大きく展開する代わりに自分が家計を支えると言う
そしてテオは専業主夫となって、子どもたちの面倒を見ることになったのである
映画は、その後も子育てに専念するテオを描き、アイビーの店はますます発展していく
そんな折、アイビーはテオに自分たちの家を建てて欲しいと言い、彼はそれに夢中になっていく
やりがいを取り戻したテオだったが、アイビーの稼いだお金を湯水のように使い出し、さらに関係が悪くなってしまう
物語は、皮肉混じりのウィットな会話が徐々に歯止めが効かなくなり、それが攻撃的になっていく様子が描かれていく
仕事によって子どもとの距離ができてしまうアイビーはテオの子育てに文句を言い、さらに悪態を続けていく
子どもたちの態度もさらに悪くなり、それがアイビーの神経を逆撫でする
子どもたちはテオに馴染んでいき、さらにアイビーは仕事にのめり込んでいく
アイビーは家事をしてくれているテオへの感謝を忘れ、畳んでいた服を床に置いたりとテオの感情を逆撫でする
彼女なりにプレゼントを渡したりするものの、態度は徐々に傲慢になっていき、周囲が感じるほどに夫婦関係は悪化していくのである
映画の冒頭はカウンセラー(ブレンダ・プロミロウ)との会話になっていて、そこでは修復不能と言われてしまう
だが、本音をぶちまけ、お互いに愛情を持っていることを感じたことによって修復への兆しが見えてきた
だが、それまでの行動は彼らに審判を与えるかのように、ある出来事を誘発してしまった
映画でははっきりと描かれていないが、誰でも想像がつくエンディングとなっていた
映画には3組の夫婦が登場し、テオの弁護士となるバリー(アンディ・サムバーグ)とエイミー(ケイト・マッキノン)の夫婦、建築家時代の同僚サリー(ゾーイ・チャオ)と彼女の夫ロリー(ジェイミー・デメトリウ)の夫妻だった
バリーはセックスレスのようで、大麻依存症のエイミーに手を焼いている
サリーはアイビーと同じように成功し、夫を召使のように罵倒する
テオ夫妻も事あるごとにセックスの話を持ち出し、関係性はサリー&ロリーと似通っているが反応は全く違う
そこに愛があれば問題ないと言うものではなく、むしろ愛情と夫婦生活は別物であるようなメッセージがあった
バリーもロリーも妻の無茶苦茶さを受け入れているのだが一線を超えないようにコントロールしていた
エイミーは不倫はしないが一夜だけは女になりたいと考えているし、その欲求をバリーは知りつつも無茶はさせていない
そういったところに夫婦間の相容れぬ何かがあって、彼らも幾度となくあった危機を乗り越えてきたのではないだろうか
いずれにせよ、リメイク元とは「夫婦の致命的な戦争状態」以外はかなりのアレンジが入っていて、イギリス人夫婦がアメリカでおかしくなると言う設定を存分に活かしていたと思う
仕事と家庭の両立さは困難なものだが、その根底には夫婦間の風通しの良さと言うものは必要なのだろう
愛情があっても表現が足りないとうまくいかないと言う典型だが、この2人には「余計な一言が多すぎる」ように思う
イギリス人特有の「抑制」が結局は別の形で露出していて、それが嫌味となって随所に出ていた
夫婦間だけではなく、友人たちにもそれが波及するのだが、アメリカ人が2人の軽口を真似ると「誹謗中傷」になっているところが面白い
テオたちにはそれがウィットな会話だと思っているのだが、それが間違っていることを友人たちは伝えようとしている
この軽口が真剣な話も茶化すことになり、双方の聖域というものを汚している
何気ない会話の先にある関係性というものは崩れやすく、そう言ったものの大切さというものを伝えているように思えた
すごかった
アイヴィが、年相応の老け方で堂々としている。中年になっても20代の容姿でいるのがよしみたいな風潮があるのだけど、恐ろしいことである。そんなことに四苦八苦していると精神を病むに決まっている。若さはどこかで諦めて、別の何かを目指すべきだと常々思っている。アイヴィはお酒を飲みすぎなところはあるけど、ユーモアがあり料理の腕は超一流で、旦那さんのテオも建築士として超一流の超ハイスペ夫婦だ。そんな彼らが夫婦喧嘩をして殺し合いにまで発展する。子どもにまで離婚した方がずっといいと思っていたとまで言われる。
弁護士を交えての離婚調停があまりにつらい。テオも家なんか新しく建てたらいいし、心の安息を第一に考えるべきだ。
とんでもない夫婦喧嘩は、仲直りで収まるのだけど、最後の最後はガス爆発で死んでしまうことを匂わせたまま終わる。
バカっぽいコメディだと思って見ていたらけっこうシリアスだ。
物足りなかったな
もっとブラックコメディに振り切っても良かったのでは???
クスっとはしたけれども、どちらにも、誰にも、感情移入できぬままだった。
出会いと結婚の馴れ初めから、へんなふたりだし、
おっ!これから笑かしてくれるのか?!と
期待膨らんだけれど、そこから、膨らまなかったなぁ⋯。
もっとクレイジーに、笑かせて欲しかったもー。
ストーリー展開もテンポは良いけど、なんでそうなる?みたいなところが薄くて⋯。
仲間たちも、一応へんな人たちばかりだけど、そこそこの面白さみたいな⋯。
それで、夫婦のすれ違いの行き着く先は、大バトルを繰り広げて⋯
で、えっ?!最終的に仲直りするの???
あれで???ってなりました。
まぁ、ラストありきなのかもだけど、
吹っ飛んじゃうところまで描いても良かったんじゃないかしらねぇ⋯。
色々なオマージュ
を想起させる作品だった。スピードのカップルはこうなっていったのかなーとかデビッドリーン監督並の荒波だ!とか。小競り合いの時は凄い波で、憎しみ頂点の時は凪いでるのは演出なのか。
クジラが引き金になるのも面白い。
夫も夫、妻も妻だが類は呼ぶのか、イカレポンチばかり。
終盤迄ちょっとタルく感じたけれど、マリアブラウンの結婚だぁー!!めでたしめでたし。原作もこうなんですか?
子はネズミ
マイケル・ダグラスのは観たんですが、結構前なんでストーリーは憶えて無いんで違いは分かりません。2人の子供達はこの夫婦を良く理解してて、沈没船から早急に退避するのは賢明です。夫婦にはこのラストはハッピーエンドだと思います。このまま続けてもいずれ怒鳴り合いは必然ですから、ガスがハッピーエンドで終わらせます。この2人にはガス抜きは無理ですから。
夫婦のかたちはそれぞれ
2人は熱演なんやけど…改めて思ったのはイギリスってブラックジョーク好きやし、割とゲロとか好きやなあ。バリバリ日本人の私には笑える場面はほとんどなくドン引きしてしまった。ただ、大笑いしてる人もいたのでハマる人にはハマる映画であることは間違いないかも。
どちらに肩入れしてみるかによってもちょっと感想は違ってきそうやけど、これはどっちもどっちかな…子どもたちが脳筋になってしまったことを気がつかなかったアイビーも、そこまで思うならねえ…と思ってしまうし、人のお金で自分の理想のお家を作っておきながらでかい態度をとるテオもテオやなあと。カウンセリングのシーンも殺しあうシーンも全く笑えず眉間に皺をよせながらみていた😓
オリヴィアコールマンとベネさんの熱演でおまけ星3つ⭐️
ちなみに私は怒りは黙って沸々とさせるタイプなので、2人のように大声で発散できたらスカッとするやろうなあなんて思ったり笑
にしても、映画館で自分の家みたいに「やっぱ怒っちゃったよね〜」「わあ!危ないぞ〜」とか実況中継ばりに話しながら映画を見ていた夫婦。内心そんな映画中に話すんやったらサブスクでみろや!と思いつつ、夫婦ってやはり近い価値観同士の人間でくっついているんやろうなあと改めて思った。
爆笑しました
イギリス式のシュールな笑いなのだろうか?
下ネタはあれど、めちゃくちゃ笑った。
しかしカンバーバッチはさすがに都合良すぎないか??
奥さんの方に感情移入したなあ。
そもそも10歳くらいまでの子育ては奥さんがやってたんだよね?
そこらへん、もっと子供が小さかったら、
夫の苦労がリアルだったし、
奥さんのほうも、もっと子供たちの成長を見たかった!って言葉がしっくりきたきがする。
双子を10歳まで育てた奥さんの努力はなかったことになるうえに
家までくれだなんて、カンバーバッチは都合よすぎます笑。
【”死が二人を分かつまで・・。”今作は英国の名優ベネディクト・カンバーバッチ&オリビアコールマン演じる立場が逆転した夫婦の愛憎を描いたブラックビターコメディであり、二人の会話演技を愉しむ作品である。】
■建築家のこだわりが強いテオ(ベネディクト・カンバーバッチ)は勤めていた設計事務所で自分の意見が通らずに頭に来て、レストランの厨房に頭を冷やしに行った時に、アイビー(オリビア・コールマン)がニッコリと差し出したサーモン・ペッパー添えを食し、一目惚れ。
で、そのまま冷凍庫になだれ込み、その後、二人でアメリカへ。
10年後。テオは設計士として活躍し、アイビーは自分のペースで西海岸でレストランを経営している。だが、或る暴風雨の夜に二人の運命は変わるのである。
テオの拘りのデザインの建物は崩壊するが、アイビーの店には西海岸に来ていた人たちが押し寄せ、その中の料理評論家に激賞された事で、大人気店となるのである。
テオは設計事務所を首になり、アイビーの代わりに主夫として、子育てに邁進するのであった。だが、二人はすれ違い生活の中、徐々に距離が出来るがテオはやり直しの為の拘りの自宅を作り始め、その膨大な費用はアイビーが店を新規出店して賄うのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作は、1990年の「ローズ家の戦争」のリメイクであるが、英国の名優ベネディクト・カンバーバッチとオリビアコールマン演じる立場が逆転した夫婦の愛憎模様を、名優二人が絶妙にコミカルに演じていて、面白く鑑賞した。
・特にプライドが高く、子供達の食事に気を配りながら、アスリートに育てるテオと、自由に育てたいアイビーとの対比の描き方は、ナカナカである。
・冒頭に映される、離婚調停に入った二人に対し、カウンセラーの女性が”お互いの好きな所は?”と言う質問をするのに対し、二人が”狼と暮らすよりマシ””腕がある。”と笑顔で応酬するシーンから、ドンドンとエスカレートして行くシーンは、可笑しかったなあ。
■テオの拘りの新居が出来上がり、中のキッチンにはアイビーの拘りのヴィンテージコンロがある。そして、新居のお祝いに友人達がやって来て、食事を摂るシーンもナカナカである。
特に、ケーキ好きのアイビーが作った新居ソックリのケーキを、手で毟り取って、客の皿に投げつけるように配るシーンは、吃驚出会ったなあ。
その後、テオは「2001年宇宙の旅」で描かれた宇宙船をコントロールする人工知能の”ハル”の如く、家を管理する”ハル”に対して指示を出し、アイビーを部屋に閉じ込めたりするところからの、キッチンを挟んだ二人の銃とキッチンナイフでの闘いのシーンからの、アイビー拘りのヴィンテージキッチンを叩き壊し、ガスが漏れだすシーンと、テオとアイビーが、最後の最後に赦し合う姿からの、テオが”ハル、暖炉に火を入れてくれ。”と指示を出すシーンでエンド、という流れは、見事でありました。
正に、”死が二人を分かつまで・・。”でありました。ブラックだなあ。
<今作は英国の名優ベネディクト・カンバーバッチ&オリビアコールマン演じる立場が逆転した夫婦の愛憎を描いたブラックビターコメディであり、二人の会話演技を愉しむ作品なのである。>
Killer Love
先行試写会にて鑑賞。
小田井さん・LiLiCoさん夫婦のトークショーから始まり、本編へ突入という感じのスタイルでした。
ちょーっと自分には合わないコメディかなぁと思いました。
あんまし茶化してほしくないところを茶化していたり、ドタバタどころじゃないくらい暴れぶっ飛んでいたのでどんどんテーマは何処へ?となってしまい、あんまり乗り切れなかったです。
序盤は夫婦の好きなところ10個を言う流れで、ほとんどが悪口で埋め尽くされて2人で笑っており、カウンセラーに呆れられるというところから始まり、そこから時系列を遡って2人の出会いを描き、ズキューン!とときめいてそのまま冷凍室でハグキスしまくりるという、まずそこは寒いやろ!とツッコミを入れたくなったんですがなんだか幸せそうなので良かったです。
そこから時代は進み、夫の仕事でやらかしが起こってしまい、夫婦間にも亀裂が入っていくといった感じでブラックコメディがよりどす黒くなっていくという感じで進行していきます。
このどす黒さ具合がちょっとエッジが効きすぎていて、基本的には罵りまくり、嫌がらせしまくり、基本的にはfワード連発といった感じなので、胃もたれしてしまいました。
嫌がらせのスケールがド派手だったのは面白かったんですが、割と終盤にギュギュッと集まっているので、そこまでの過程はネチネチしていてあまり合わないなと思いました。
食べ物を粗末にする流れがあったのも個人的にはいただけなかったです。
オチも確かに衝撃的っちゃ衝撃的ではあるんですが、割とあっさりその展開に行ってしまうので、ちょっとカタルシスが足らんかなぁと思いました。
オリジナルの方を観ていたので正しく評価できないのは申し訳ないのですが。
主演2人の好演はお見事で、カンバーバッチの慌てふためく様子や傲慢な様子は良いギャップを生み出していましたし、オリビア・コールマンの狂ったように駆け回る様子も面白さに拍車をかけていて良かったです。
アメリカコメディとの相性の悪さは相変わらずだなぁと思いつつ、いつかバチっとハマる時が来るのかなと思いを馳せながら帰路につきました。
鑑賞日 10/2
鑑賞時間 19:00〜20:45
馬鹿馬鹿しいって本作の為の言葉
日本での米国映画のシェアが落ち続け、遂にワーナーブラザーズが国内配給を東宝東和に託す程に、配給するメリットがなくなってしまった。なにしろ邦画が強い、強すぎます。言わずもがな「鬼滅の刃」から「国宝」「チェーンソーマン」までヒットで、洋画の入る隙がありゃしない。当然に米国系配給会社はひと昔前ならば当然のように日本配給もした作品を今ではストップもしくは劇場スルーのいきなり配信の有様。挙句、軽いラブストーリーからコメディなんてもちろん、日本公開されてません。そんななか本作が公開されたのは実に喜ばしいことで、ディズニー傘下の20世紀スタジオ傘下のサーチライト・ピクチャーに感謝しなければなりませんね。
と褒めるのはここまでで、実に馬鹿馬鹿しき作品でした。イギリスの名優であるオリビア・コールマンとベネディクト・カンバーバッチの2人をよりによって米国西海岸での夫婦喧嘩騒動に据えるなんて。そもそもこれはコメディなのか、悲劇なのか、ロマコメなのか?「ローズ家の戦争」1989年のリメイクなんて有り得ないし、意味ないでしょ。マイケル・ダグラスとキャスリーン・ターナーの美男美女コンビのハッピーなロマコメは、それはそれは楽しかったですよ。ところが今回の2人はそんな形容詞から大きく逸脱し、まるでロマンチックとは程遠い。ならばシリアスに深刻に夫婦のありようを模索すればいいものを、ほとんどイージーな脚本によってどっちつかずの駄作に成り下がってしまった。
初めて会って数分後に冷蔵庫の中で「始める」って、ガラス窓に引きずられる手を映し出すなんてコメディの定石描写が恥ずかしい。あのダサイ建築物のCGが破壊されるのは見え透いて、コールマンの左右非対称の髪型がシェフである事を忘れさせ、あれよあれよの人気レストランってのも苦労の跡がまるで見えず、スタッフにポリコレそのもののラティーノと黒人を配し、黒人にはゲイまで担わされる始末。シェフはたった一人でしょ、あり得ません。あれよあれよで全米レストランチェーンの出来上がりなんて言う安易には到底ついていけません。海岸線の自然林を切り開いての豪邸の醜さよ、自然破壊の傲慢ぶりに吐き気を催す。そしてあの家の内部! いかにもセット然で安っぽい。なによりフードロスの神経を逆なでするような描写ばかり。食べ物を扱うシェフにあるまじき行為ってのが分からないのかね、制作陣は、情けない。
とどめは、銃口を自分に向けた相手、そして 重篤なアレルギーを知ったうえでアレルゲンを食べさせた相手、などと復縁させるプロットって信じられません。仮にもそうしたいのであれば全編をもっと軽いコメディタッチにすべきでしよ、あり得ない。オスカー女優コールマンの輝きはゼロで、カンバーバッチも阿呆なマーベル映画出演はとっとと終わらせ演技力を磨くべきでしょ。
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