劇場公開日 2025年9月26日

キス・ザ・フューチャーのレビュー・感想・評価

全15件を表示

4.0芸術やカルチャーがもたらす力に圧倒される

2025年9月27日
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鑑賞方法:試写会

約30年前のボスニア紛争、とりわけセルビア人勢力がサラエボを包囲し、市民に砲撃や銃撃を浴びせた数年間に焦点を当てたドキュメンタリーである。しかしこれは紛争の記録にとどまらない。実はその戦下では市民が夜な夜な地下会場でディスコやライブを開催し、極めて特殊な音楽ムーブメントが生まれていたと言うのだ。そこに決定打を与えたのが、U2とサラエボ市民との交流である。この知られざる一連の歴史の裏側は、展開を見守るだけでもドキドキするし、人間の絆や音楽が持つ可能性についても大いに考えさせられる。当時を述懐する多様な顔ぶれも素晴らしく、決してU2の存在をメインに据えるのではなく、あくまで主役はサラエボ市民であり、音楽の力そのもの、という照準の当て方も練り抜かれている。あれから30年。相変わらず世界から悲しみはなくならない。が、希望を捨ててはいけない。本作には現代に向けた力強く崇高なメッセージが詰まっている。

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牛津厚信

4.5やっぱりU2は偉大だ

2025年11月23日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

私は、人にはあまりU2のファンだと公言していない。
アイルランドまで行き、Bono の自宅前まで足を運んだことさえあるのに。

それは、U2がただのロックバンドではなく、音楽だけでなく、社会活動にも力を入れ、コンサートでも愛や平和を語るから。
そういう姿勢を「青臭い」と感じる人もいるかもしれない、そう思うと、素直にファンだと言いにくくなってしまう。

でも、ウクライナ侵攻の直後、彼らが誰よりも早くキーウの地下鉄でライブをしたように、行動で示す力を目の当たりにすると、やっぱりU2の音楽と姿勢は偉大だ。

サラエボというワードは当時U2からよく耳にしていたが、あの頃の自分は何をしていたのか、
どうして当時もっと知ろうとしなかったのか。

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skumi

4.0U2のライブ映画ではないのでした。

2025年11月13日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

幸せ

ライブ映画だと思っていたらノンノン。当時のおいらは旧ユーゴスラビアの事は知らないで若さを楽しんでいた。
歴代のU2の日本公演にはすべて行ってるファンです。でもZOOTVとPOPツアーの頃のU2はあんまり好きじゃない。硬派からふざけた輩になったから。
しかしボノちゃんはこんな事していたのかとごめんなさい。

愚かな人間。愚かな支配層。あちらこちらで繰り返す戦争。悲しくむなしい。

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色即是空

4.5世界が悪くなるほど必要パンクロック

2025年11月3日
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鑑賞方法:映画館

登場人物の当時と現在の映像で進行するドキュメント。夢が現実になった瞬間に感涙しました。戦争の絶望を奇跡に変えた感動作品なのに、単館限定公開が残念すぎます。あまり需要がないと判断されたのかな?
普通に暮らせる幸福を実感しました。

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コバキ

4.030年前の話…でもない

2025年10月11日
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鑑賞方法:映画館

現代において、現在進行形で起きている様々な出来事に通じているものがあった。
その事に驚きショックを受けた。

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Avalon

4.5キーウやガザでもコンサートができることを願う。

2025年10月9日
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鑑賞方法:映画館

キーウやガザでもコンサートができることを願う。

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わんわん!

5.0地獄の中の人々の憑代(よりしろ)だったエンタメ

2025年10月7日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

本作はU2のサラエボ入りまでのストーリーを追った映画である。
個人的に好きな『ミス・サラエボ』(今回は曲そのものよりも裏側にあったストーリーが主)がテーマということ興味を持ち、久しぶりに2回観た映画になった。

『冷戦』後より地球上で勃発し続けている民族紛争、その中でも特に注目されてきた旧ユーゴスラビアを構成した諸国間の戦争。
とりわけ『民族のモザイク』状態だったボスニア・ヘルツェゴビナは血みどろの状態に陥り、かつて冬季五輪も開催されたサラエボはセルビア側の武装勢力に包囲され、兵糧攻め状態に。
挙げ句の果てには一般市民が狙撃手の標的にされ、ボスニア戦争末期にはムスリムの人々や市場の客も多数殺されたほどだった。

そんな『地獄』というのも生ぬるいといえる極めて過酷な状況下の人々の憑代だったのが音楽とコメディ番組だった。

当時大規模なツアーを続けていたU2のメンバーも民族紛争を憂いており、援助活動家のビル・カーター氏の働きもあり、ボノ(Vo.)とサラエボの人々がZOO TVツアーの演出で使われる世界のニュース映像のセットを使う形で対面した。
その中で「どうせ何もしてくれない」と絶望感に打ちひしがれたサラエボの人々の声に「リアリティ番組みたい」「他人の不幸で楽しんでいるみたいだ」とショックを受けたツアーメンバー。

かねてよりサラエボ訪問を望んでいたボノは、停戦後にようやくPOP MARTツアーでの訪問が実現した。

当事者のインタビューや記録映像からだけでも、私たちから見えないところで彼等が大変な苦労をしてきたのだろうことも窺える。

・人の強欲さを隠し言い訳をするために宗教や民族が口実として使われる(ボノ)
・弱いものいじめをしたい人物から芸術が狙われる。芸術の力が恐れられる(ジ・エッジ)
という(大まかな)内容の2人の言葉は必聴である。

また、「音楽は上手い下手よりも共感できれば良い」と語ったのが元アメリカ大統領ビル・クリントン氏というのも意外な印象だった。

音楽が人々を支え、停戦後のボスニアの人々が集うきっかけになったのである。
そのことだけでも、音楽を好きで良かったと思える映画である。

それでも、『人々は過ちを繰り返す』というU2の作品群の底流にあるテーマ(ボノ談)は心に留めておきたいところである。

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まつだですがなにか?

5.0オールタイムベストに入る!

2025年10月6日
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鑑賞方法:映画館

ドキュメンタリーだが、フィクションよりもドラマチック‼️
銃弾の降る中。ディスコに行くとか。あり得ないとか思うけど。日常を奪われた彼らの気持ちはとても推しはかれない。。

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ドラゴンの父

5.0信念と執念

2025年10月5日
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信念と執念が人の行動を変えることが出来る。
この映画を見て、日々の小さなことにイライラしたり、悩んだりしていることが、どれだけ小さなことかを再確認するきっかけになった。
年齢、性別問わず多くの人に観て、感じてほしい。

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TAK

4.5世界は地獄に向かっているのか?

2025年10月2日
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鑑賞方法:映画館

ユーゴスラヴィアという連邦国家がかってあったことをどれほどの人が覚えているのだろう。本作は、ソ連崩壊後の東欧革命の最終段階となる旧ユーゴ解体、ボスニア・ヘルツェゴビナの独立にあたって新ユーゴ(セルビア・モンテネグロ)が武力干渉を行ったボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を背景とする。首都サラエボは4年間に渡って包囲され断続的な砲撃や狙撃兵による銃撃を受けた。また、サラエボが解放された後も南部地区での紛争は続き、スレブレニツァの虐殺などがあった(本作でも取り上げられている)これら旧ユーゴ地帯で起こった抗争の特徴は、軍事的にダメージを与えることのみにとどまらず、一方が他方の民族を排除する、根絶やしにするという民族浄化の色彩が強いところにある。スレブレニツァではイスラム系住民の壮年男性のみが8000人以上も殺害されている。
この映画は、そういった状況を十分に踏まえた(だから単なるチャリティーとかの枠でなく)U2がサラエボ市民と連帯する姿を、当時の映像を絡めつつ描いている。実に感動的である。
ただ、問題は、映画の最後で女性の出演者が言っているように「今こそこのようなコンサートが必要ではないか」というところだろう。
エンドロールで、プーチンとミロシェビッチを微妙に並べて見せているところがある。ウクライナも確かにそうだろう。でもガザは?あの状況は30年前のサラエボの全くの近似型ではないのか。
今の我々には、遅ればせながら空爆を実施して戦争を終わらせたビル・クリントンもいないし、舌鋒鋭くジェノサイドを非難した若き日のジョー・バイデンもいない。ホワイトハウスには狂人がいるだけである。
ユーゴ軍より規律、効率性の高いイスラエル軍はアリ一匹占領地に入れないし、ユダヤ資本の圧力があるからというのは勘繰りすぎかもしれないが音楽家はじめ芸術家たちの支援もサラエボのようには目立ってない気もする。
我々はこの30年間何を学んできたのか?進む先にはもはや地獄しか待っていないのだろうか?

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あんちゃん

5.0最高の映画

2025年9月30日
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鑑賞方法:映画館

これまで観たどの映画よりも良い。そう、最高だ。
U2のファンだから見に行ったのだがU2の映画というよりも、戦時下において逞しくそしてクレイジーな仲間が戦争を乗り越え復興へU2をシンボルとして、一点突破していく映画だ。
 ぜひ観てほしい。震えるほど感動する

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勝手な映画好き

5.0今年観た映画でNo.1❗️

2025年9月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

冷戦後のソビエト崩壊後、旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で、音楽、そしてU2との出会いなどがカウンターカルチャー的にサラエボの人々の気持ちを支え、日常を取り戻す姿を描いたドキュメンタリー。

今のところ今年観た映画でNo.1。
泣きすぎてコンタクトが外れた。

政治ドキュメンタリーとしても見応えあるのはもちろん、音楽映画としても、ラストのU2の和平後のコンサートで一曲ごとに泣くほど感動した。驚きのエンディングロール曲でも泣いて、涙が枯れ果てた。

この映画を知ったのはピーターバラカン映画音楽祭の「ブラッド・スウェット&ティアーズに何が起こったのか?」のトークショー。知らなかったら、地味なポスタービジュアルでスルーしてたと思う。

音楽以外でも、最近観た「宝島」で受け取ったメッセージと同じことをU2のボノがインタビューで話していて震えるほど感動した。

特に80年代のU2が好きだったあなたは、是非劇場でみていただきたい!

政治的なメッセージとしては、誤解を与えそうな危うさもある。

ウクライナ戦争のきっかけに関わってたバイデンが、当時はボスニア・ヘルツェゴビナ紛争について議会で熱っぽくアメリカ(NATO)介入を主張する姿には苦笑いしかない。ヤツは変わらないねえ。

その結果、アメリカ(NATO)がヒーローみたいに登場しますが、NATOの爆撃の下には少なからず無辜の市民もいたはずですから。

あと、今だからパレスチナ、ウクライナに対するアラート的な描写があるけど、一緒にするのはちょっと乱暴な考え方かな。それぞれの本質を見極めないとホントに平和を考えることにはならないと思いますね。

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minavo

5.0影響力と生活

2025年9月30日
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鑑賞方法:映画館

たった今戦災のある異国の暮らしに圧倒される。現代はそんな他国の人たちが、日々何を思い、どんな生活を送っているのか
おすすめ記事ばかりに触れることが多くなって、内と外という感覚が増え、他者のことを想像するための術が埋もれているように感じている
そんな中U2のボノはサラエボに暮らす一人の人、何でもないそこに居るあたりまえの個人に(降りてくると言う表現は好きではないのだが)同じ地点に立ち共鳴する音を出す
高いところから支配、操作しようとする政治の世界に疲れてしまったとき
またこれからも見直す大切なものになりました

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em2

5.0今こそ必見の重要作

2025年9月28日
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鑑賞方法:映画館

多民族が共生するサラエボの街を突如自国の軍隊が包囲しジェノサイドを始める。レイシストはプロパガンダを叫び自らを正当化する。
4年にも及ぶ包囲の間、住民たちを正気に繋ぎ止めたのはロックや芸術の力だった。それを知ってボノに繋いだのは一人の無謀なアメリカの若者だったし、紛争終結後に民族も宗教も関係なく人々をふたたびひとつに結びつけたのもまたU2のロックだった。
本作で流される音楽はU2だけでなく、クラッシュ、パブリック・エネミー、ボブ・マーリー、みんな体制のプロパガンダに抵抗してきた人たち。これほど音楽の持つ力を確信している人たちがいたから世界は一歩先に進むことが出来た。
本作はU2の音楽ドキュメンタリーなどではない。支配に抵抗する人たちと彼等を支える音楽の力についてのドキュメンタリーだ。これほど感動的なドキュメンタリーを観たのは初めてだ。自由と多様性の賛歌だ。ビバ、サラエボ!ビバ、ロックンロール!

翻って僕らはどうだろうか?プロパガンダに抗うことが出来ているだろうか?本作を観れば、レイシストどもの愚かさはこれほど明らかなのに、対抗できているだろうか?
作中でも語られるとおり、当時よりも今こそこのコンサートが必要な状況となっている。「外国人は出て行け」と思っている人は、本作を2万回観て自省した方が良い…

今こそ必見の重要作!

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ぱんちょ