劇場公開日 2025年8月8日

「ゲーム『Sky』の世界観を一層深く理解したい、というSky民たちの要望を叶えてくれる一作」Sky ふたつの灯火 前篇 yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ゲーム『Sky』の世界観を一層深く理解したい、というSky民たちの要望を叶えてくれる一作

2025年8月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ゲーム『Sky 星を紡ぐ子供たち』のファンなら、冒頭のthatgamecompanyの特徴あるロゴマークだけで心が躍るでしょう。実際場内でもこの瞬間に小さな歓声を上げているSky民の姿が。本作は同社が開発し、今も物語を紡ぎ続けているゲーム、『Sky 星を紡ぐ子供たち』の映画化作品です。

同社が手掛けたゲーム『風ノ旅人』と同様、不思議な世界を彷徨うことそれ自体がゲームとしての魅力となっているこの物語を、どのように映画として成立させたのか。鑑賞前から興味津々でした。実際の内容は、全くのオリジナル作品でもなければゲームの進行を忠実に再現した作品でもなく、ゲームが内包していた様々な要素・世界観を、ゲームと同様台詞に依らない表現手法で描いた作品でした。

もともと情感に訴えるようなムービーと音楽を特徴としていた作品だけに、ゲーム内ムービーのロングバージョンみたいな映画になるんじゃあ…、とも思っていたし、実際その予感は当てはまらなくもないのですが、それ以上に細かな部分で映画用に調整を施していて、約1時間の映像は大スクリーンで十分見応えがあるものでした。

不思議な世界観を雰囲気で楽しめる方であれば、たとえゲーム版を未体験でも楽しめるでしょう。しかし、ごく短い時間でもゲーム世界を体験したり(基本無料)、ゲーム映像を配信動画とかで見ておくと、本作の個々の場面が一層印象深く感じられるようになること、間違いないです。

なお本編終了後、制作スタッフによる解説映像が続きます。通常こういった解説は作品を味わう余韻を減殺することも少なくないので、あえて劇場では観ない場合もあるのですが、本作は別。ゲームの世界やそれがどう今回の映画作品の描写と結びついているのか、作り手自身が端的に説明していて、とても興味深い内容でした。

リリース6周年を迎えてますますコミュニティが活発な『Sky』、本作を機会に始める人、しばらくプレイから離れていたけど、これを機会に再開する人は少なくないはず。後編も楽しみです!

yui
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