金髪のレビュー・感想・評価
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【”縦型社会に翻弄される人達・・。”今作は校則への反発に場当たり的に対処する学校側と自分のオジサン化ばかり気にする冴えない教師が、金髪騒動の中で生徒の本音に気付き、少し成長する社会派コメディである。】
■中学教師の市川(岩田剛典:このような役もこなすんだね。)が勤務する公立中学校で、他クラスの明るい髪の色の女生徒が黒髪に染める様に担任教師から言われた事で、不登校になった事を切っ掛けに、市川の担任クラスの生徒数十人が金髪で登校してくる。
市川は、場当たり的に”ちょっとだけやり過ぎちゃったのかな?”などと言うも、金髪運動を主導するイタドリ(白鳥玉季:大きくなっていて、ビックリ!)は、校則に反発し、廃止を求めるのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・中学教師の市川を演じる岩田剛典さんの、冴えない30男演技がナカナカである。
金髪騒動はニュースのネタになり、保護者、市教委、県教委まで巻き込み大騒動に発展し、市川は追い詰められて行くのだが、彼はSNSで不満を発信したり、恋人(門脇麦)との関係を気にしたり、根本的な【何故に頭髪を校則で管理するのか】を考えようとしないのである。
ー 一番可笑しいのは、市川が叱られながらも脳内で語るナレーションであろう。”私の無償残業時間を知っているのか。”とか、全然本質を考えていない自分の事しか考えていない脳内ナレーションが可笑しいのである。-
・連れの相棒と居酒屋でビールを煽りながら、オジサン化問題を語るシーンが妙に可笑しい。andymoriの話で盛り上がったり、”その言葉はオジサンだよ!”などとオジサン問題で盛り上がったりしているが、恋人からは厳しく”それがオジサンなんだよ!”などと、厳しく言われてしまうのである。クスクス。
ー 岩田剛典さんが、格好良いだけに何だか可笑しいんだよね。-
■今作は、どう見ても縦型社会である現況下の日本の社会を揶揄している。その一番分かりやすいのが、教育界という事なのであろう。
それにしても、イロイロと追及されるたびに、校則がころころ変わる様は凄く可笑しい。
・そして、市川はイタドリとも映画館で接点を持つのだが、二人の会話を聞いていると、どう見てもイタドリの方が正論なのである。クスクス。
あとね、市川先生。映画館ではスマホは厳禁です!彼が、周りが見えていない事の象徴であろう。
・だが、徐々に市川は周りのメディアを使い反撃に応じる様は、情報操作を風刺しているし、いつの間にか金髪問題が過去の話になっている点も実にシニカルである。あー可笑しい。
そして、徐々に市川はイタドリの想いに気付き、根本的には理解しきれてはいないが、彼女の想いを尊重する姿勢に代わり、その過程で彼自身は少しだけ成長していくのである。
<今作は頭髪の校則の是非を考えず、場当たり的に対処する学校側及び自分のオジサン化問題ばかりを気にする冴えない教師が、騒動の中で少しだけ成長する社会派コメディなのである。>
確かに金髪の話ではない
おじさんが精神的にもおじさんになるお話
前置きとして私もそろそろ30に差し掛かるくらいの歳であり、たまにおじさんを自覚する身分である。これを前提としてこの作品のレビューをさせて頂く。これはそのように評価しなければ、生まれた年代によって難解な映画になりかねない作風であるから。
主人公の言い回しがかなり独特かつ秀逸だが、これをそう感じるのは私が主人公と同年代である所以だろう。特に比喩表現にこれが顕著に現れている。所謂内輪ネタ。
内容に関して言えば出回っている予告+α位のもので、金髪騒動という作中のイベントに肉付けして1本の映画にした様な印象を受けた。なので劇場向き映画と言われるとちょっと首を傾げたくなる。
とはいえ、同年代に抱えるコンプレックスをかなり繊細に台詞として描いていた点、また、今の若い子の(愚かではない方と愚かな方の両方の)行動力と流され易さを描写して物語に組み込み、成長する大人の話として昇華していたのは見事だと思った。
どちらかと言うと特番のスペシャルドラマのような映画だったが、企画や趣旨、狂言回しといった点に品があり、配信されたら自戒映画としてまた見たいと思える作品だった。
私と同じくらいの年代の男性の方に是非おすすめしたい。
結果だけ欲してもダメだ
劣化の受容
子どものほうが大人で、大人のほうが子どもな社会の風刺劇
本作を観て、妙に胸がざわつくのは、これが「教師と生徒の対立」を描いた青春映画でも、「校則問題をテーマにした教育ドラマ」でもまったくないからだ。表面上は公立中学で金髪生徒が大量発生して騒動になる、分かりやすい社会ネタが展開するのだが、蓋を開ければそこにあるのは“日本の大人社会の総体的な劣化”の縮図である。主人公の市川はその中心に立つ。「大人になりきれていない」とかいう甘っちょろい言葉では片付かない。向き合わず、考えず、逃げ、浅はかで、保身のためなら生徒すら巻き込む。彼の言葉は常に「何か言っているようで何も言っていない」音の連なりで、まさに会議で使われる“責任回避ワード”の純度100%結晶である。
とりわけ象徴的なのが、板緑とのヤラセ動画撮影のくだりだ。あの唐突さは雑な脚本などではなく、市川の浅ましい思考回路を露骨に晒すための見事な装置である。透明性を担保するはずの道具を“保身のための印象操作”に使う姿は、企業の炎上隠蔽も、政治家の説明責任逃れも、行政の資料改ざんも、すべて似た構造で動いているという冷徹な現実を思い起こさせる。つまり、大人の腐敗は現場の教師だけではなく、教育委員会から県庁、さらには総理大臣まで連鎖的に拡大する“感染症”のように描かれる。市教委は形式主義で動かず、県教委は世論に振り回され、文科省は保身に走り、総理は短絡的。誰も生徒の問い「金髪がなぜダメなのか」に向き合わない。
その一方で、子どもたち、とりわけ板緑は理由を求め、透明性を求め、主体的に行動する。皮肉にも、映画の世界では“子どものほうが圧倒的に大人”なのである。しかし市川に象徴される“中身のない大人の言葉”が、最終的には恋人との復縁という不思議な形で許されてしまうあたりに、この社会の停滞が凝縮されている。成長していないのに戻れる。反省がないのに日常が続く。この構造は決して彼個人の問題ではなく、われわれが生きている日本の組織社会そのものなのだ。
本作は、校則や金髪そのものの是非を語る映画ではない。むしろ「大人とは何か」「言葉とは何か」「説明責任とは何か」という、見たくない現実を突きつけてくる。観客は市川の情けなさに呆れながら、気づけば自分の中にも同じ空虚な“大人語”が巣くっているのではないかと寒気を覚える。そういう意味で本作は、教育映画の皮をかぶった、極めて辛辣な現代日本の社会批評である。大人の劣化に思い当たる節がある人ほど、この映画は刺さる。自分は子ども側に立つのか、それとも市川側なのか──鏡としての映画は、そこを静かに問い続けている。
岩田剛典さんがちゃんと気持ち悪くて面白かったTakanori Iwata Was Perfectly Gross—in the Best Way Possible
本当に岩田剛典さん演じる
主人公の話だった。
幾つかの作品で、
岩田さんが色んな役をやるのは観ていた。
個人的に近々で印象に残るのは
【虎に翼】でのモデルが実在した役で
闇市を取り締まる立場だったため
決まりを守り餓死した人物。
ダンスからは程遠いイメージだった。
最初、女性に対する偏見があったけれど
最後には主人公と分かり合える友になる。
閑話休題
今回の役は、
ちゃんと気持ち悪くて
でも何処かに、何処でも居そうで
その世代の男性の抱える問題を体現している。
ちゃんと自分本位で
でも根っからの悪人じゃない。
ある意味普通の人。
それに関して違和感が全くないというのは
岩田剛典さんの俳優としての凄さを感じた。
主人公の振る舞いは
自分が同じ年齢だった頃を思い出して
胸に手を当てれば・・・。
今のこの令和の時代の
男性の生きにくい部分を
この金髪を通して描いていた様に思う。
行政の描き方は
薄寒いくらいリアルさを感じたので
わかっている人が監修に入ったんだろうか?
シニカルなコメディとしては
今までにないものに感じた。
This really was the protagonist’s story, played by Takanori Iwata.
I’d seen Iwata in several works before.
Most recently, the role that left the strongest impression on me was his character in Tora ni Tsubasa—a role based on a real person who oversaw black-market crackdowns after the war, a man who followed the rules so strictly he ultimately starved to death.
It was a role completely detached from his dancer image.
At first, his character held prejudices against women.
But by the end, he becomes a friend who understands the protagonist.
But I digress.
In this film, his character is properly unpleasant,
and yet somehow familiar—
the kind of man you could find anywhere,
embodying the struggles faced by men of his generation.
He’s undeniably self-centered,
yet not an irredeemably bad person.
In a way, he’s just an ordinary guy.
And the fact that this feels completely natural
made me realize how impressive Iwata is as an actor.
The protagonist’s behavior reminded me of myself when I was his age.
If I put my hand on my heart and really think back…
Using “Kinpatsu” as a symbolic motif,
the film portrays the difficulties men face
in today’s Reiwa era.
The portrayal of government agencies felt
chillingly realistic—
so realistic that I wondered whether someone knowledgeable
had supervised those scenes.
As a cynical comedy,
this film felt like something we haven’t really seen before.
若手教師の本音と成長
■ 作品情報
監督・脚本:坂下雄一郎。主要キャスト:岩田剛典、白鳥玉季、門脇麦、山田真歩、田村健太郎、内田慈。
■ ストーリー
職場の先輩教師に囲まれる中、いまだ大人になりきれない中学校教師・市川。ある日、彼の担任クラスの生徒数十人が、校則への抗議として髪を金髪に染めて登校してきた。この前代未聞の「金髪デモ」は学校を大混乱に陥れ、やがてネットニュースや教育委員会を巻き込む社会問題へと発展する。市川は、生徒たちから「なぜ金髪がいけないのか」と問われても、「校則だから」としか答えられず、交際中の恋人・赤坂からも日頃のいたらない言動を手厳しく指摘され疎遠となる。物語は、追い詰められた市川が事態を打開するために奔走し、生徒たちとの交流を通して成長していく姿をシニカルに描く。
■ 感想
そこまで期待していなかったのですが、なかなかおもしろかったです。コミカルに脚色されている部分はあるにせよ、学校の内情や若手教師のリアルな心情が巧みに描かれており、非常に興味深く鑑賞しました。特に、全編にわたる市川のモノローグは、まるで現代の若手教師が抱える本音や葛藤を代弁しているかのようで、深く共感する部分が多かったです。
一方で、自分の思いをしっかりと持ち、それをストレートに表現する板緑の姿がすばらしいです。ダメダメな市川と対照的で、白鳥玉季さんの演技と相まって抜群の破壊力で魅せてくれます。
この二人の対立から共闘の流れがおもしろく、内容的にはおよそあり得ないバカげた作戦もあるものの、しだいに自分を見つめ直していくような姿にどこかほっこりしてしまいます。一連の騒動を通して、市川は人としても教師としても少しだけ成長できたのではないかと思います。
それにしても、市川のダダ漏れの本音が、世の全ての教師に当てはまるとは思いたくないです。最初から夢も希望も理想もなく、ただ漫然と日々の業務をこなしているわけではなく、きっと誰もが教壇に立つ前は、大きな夢と理想を抱いていたはずです。多忙を極める日常業務に追われ、心身ともに疲弊していく中で、それらが少しずつ色褪せ、意識の片隅に追いやられていくのでしょう。でも、目の前の子どもたちと真摯に向き合い、そのキラキラした瞳に見つめられ、純粋な心に触れた時、教師の「やる気スイッチ」は驚くほど簡単に、そして力強く入るものだと思います。
近年、ブラック校則、わいせつ事案、体罰、不適切な指導など、学校現場はさまざまな批判に晒されています。本作は、そうした社会と学校の「ズレた常識」や、教師としての自覚を見つめ直すよいきっかけとなる作品だと感じます。学校現場で奮闘する先生方にもぜひ観ていただき、市川に共感しつつも、自身の職場や子どもたちに向き合う姿勢を振り返っていただきたいです。
おじさん
金髪の一発ネタで一貫して物語は進められており、全体的に表現がリアルかというとそうではないが、ブラック校則に抗議するために子どもたちが動いたことが、どんどん現代社会の問題に広がっていくのは楽しめた。
また、途中に挟まれる主人公が30代ではあるが、子どもっぽさが出るイタいおじさんになっているのが、あるあるに感じた!
リアリティというよりも、教育現場を含め物語全体は過剰表現が多いので、そっちの方向性の作品を求めている人にとっては評価は低くなるかと思った。
飽くまで映画のコメディと思って観ることをお勧めする
白鳥玉季さんの演技がいいので、岩ちゃんにはもう少し頑張って欲しかった💦
教育現場のリアリティがもう一つだと職業柄思う
イタいおじさん岩田剛典
教師市川を演じる岩田剛典のモノローグがめちゃめちゃ長い&面白い。
そして実にイタい。
30歳=おじさんというのは、市川同様に私もその歳だったときには自覚がなかった。
若ぶっていたし、まだまだおじさんじゃないよ・・・と思っていた。
が、さすがに50台になると自覚はしているが、
本作に出てくるような、自虐とかは無意識レベルでやっているかもと思い、
恥ずかしくなった。気をつけよう(笑)
市川に長台詞でトドメを刺す赤坂(門脇麦)にもグッときた。痛かった。。。
旧態依然とした学校や教育の仕組みを取り扱った映画作品は今年も複数観てきたが、
本作は頭髪の校則への違和感を金髪で争う生徒たちと先生や教育現場という構図は、
実に面白いが、ちょっと飽きてきたかな。
生徒とタッグを組んでSNSの活用で動くも、すれ違いも生じて二転三転していく
トリッキーさで、なかなか先が読めないところが良かった。
特に中心人物の生徒板緑を演じた白鳥玉季が素晴らしい!!
今まで認識していなかったが、強烈なインパクトだった。今後も楽しみな俳優だ。
それにしても、坂下雄一郎監督の作品は、
先週鑑賞した『君の顔では泣けない』に引き続き面白い。
本作の市川がグダグダで何言ってんのかわかんない脚本も最高。
この監督作も今後注目していきたい。
よくも悪くもイタロクの映画😁
共感できる人物が誰一人としていないにも関わらず…。
主人公を含めて誰一人として共感できる人物が出ていないにも関わらず、ラストではホッコリした気分に浸れてしまう作品。
始終、身勝手な行動や会話、モノローグが続くのですが、クスッと笑えてスクリーンから目が離せなくなって行きます。
それはこの物語が背「生徒が金髪になる」という表層の事態をなぞりながらも「成長」を描いていた点にあると思っています。
「成長」といってもヒーロー映画や大作映画が描く大きな成長ではなく、日常のちょっとした出来事で誰もが経験する「僅かな成長」。
この「僅かな成長」がきちんと描かれているからこそ、事態の顛末を見詰めていた観客はラストでホッコリした気分に浸れるのだと感じました。
歳を重ねる毎に成長(オジサン化)する事に逆らおうとする自分を鑑みて「自戒の念」を持ってもう一度鑑賞してこようと思います。
映画館ではお静かに
まずオッチャンは極論モンスターなのでルール守れないやつはみな死刑
嘘です言い過ぎました
校則が気に入らないからって金髪かよお洒落になっとるやんけ
本当に校則を変えたいなら自分達も痛みを伴う身を切るいや髪を切る改革でスキンヘッドにしろや
ずっとイライラして貴重な髪が脱けるやないか
金髪生徒が言ってるの正論かな?
正論はルールは守りましょうだけやと思います
世の中にはクソみたいなルールたくさんあるからね
エスカレーターは立ち止まりましょうとか
自転車は車道走れとかね
ルールなら仕方ないけど
結局最後は校則変えちゃうんだ
若い女の子にみてほしいんかな
様々なテーマを取り上げたせいで、論点が発散してしまったように思われる
主人公が、モノローグで、「これは金髪の話ではない」と、何度も説明するものの、どうしても、金髪を巡る校則の是非について考えてしまう。
「地毛証明書」なるものを提出させることについては、確かにやり過ぎで、改めるべきだと考えられるのだが、金髪に染めることについては、それが不適切な理由として、「中学生らしさ」とか「社会常識」といった言葉しか思いつかず、それで生徒達を説得するのは相当に難しいに違いないと実感することができた。
ただし、劇中でも指摘されているように、「校則に抗議するために、校則を破る」というやり方は、明らかに間違っているので、教師としては、ラストで実施されたような、正規の手続きを踏んで校則を改正するように、はじめから生徒達を指導するべきだったのだろう。(この手続きも、金髪騒動があったからこそ実施されたという考え方もできるのだが•••)
その点、主人公の教師が、自分を有能だと思っている割には、その場しのぎで、当たり障りのない言動しかできない様子は、確かに面白いのだが、いくら上層部の方針に振り回されることに嫌気が差したり、身に覚えのない暴力沙汰で処分されたことに憤慨したからといって、問題となる動画を拡散して、それが「やらせ」であったと暴露したり、テレビのワイドショーで虚偽のコメントをしたりするのは、非常識であるとしか思えない。それで、本当に復職できると考えていたのだとしたら、余りにも浅はかだし、呆れてしまって、笑っていいものかどうか戸惑ってしまった。
彼が、同志となった、金髪騒動のリーダーの女子中学生を、「世間は、怒った中学生など求めていない」と責めることにも、今一つ共感できなかったし、実際に、SNSの世論が、女子中学生に批判的になったことにも、素直に納得できなかった。
そんな考え方をする主人公は、若者ぶっている「おじさん」として描かれていて、彼が、同世代の友人と繰り広げる「知らない間に『おじさん』になっていた件」についての居酒屋談義や、彼の恋人が、「おじさん」なのに、それを認めようとしない主人公のことを説教するくだりには、「おじさんアルアル」に共感できるところが一杯あって、その悲哀を楽しむことができた。
その一方で、こうした「おじさん」になり切れない主人公のキャラクターが、金髪騒動の成り行きに活かされていたのかと言えば、必ずしもそうとは思われず、むしろ、論点が発散してしまったように感じてしまった。
金髪を巡る校則の是非、教育現場の混乱と教師の疲弊、若者から「おじさん」への移り変わり(成長?)と、せっかく色々なテーマを取り上げながら、それらの絞り込みや掘り下げが、中途半端で不十分に感じられたのは、残念としか言いようがない。
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