「ルールや年齢の象徴としての髪」金髪 HKさんの映画レビュー(感想・評価)
ルールや年齢の象徴としての髪
ルールを変えたい人、(事なかれ的に)守りたい人、
両方の視点からルールに囚われる人たちを
シニカルに描いている面白く深い作品。
ルールを変えようと強く主張しても、
その声を聞いたほとんどの人は、一過性の周りの空気に流されるだけで
直ぐに興味を失って飽きてしまうとか、
年をとること(慣習)から逃れようとして自意識過剰に
もがく姿が逆に往生際悪くカッコ悪くみえるとか、
日本人論、大衆論的な内容をコミカル、かつ鋭く批評的に描いている。
特に恋人との会話、アラサー男子ふたりの居酒屋トークでは
話者にフォーカスして固定した構図で早口で独白するシーンが、
漫才のようにノリツッコミ的な感じもあってすごく面白い。
岩田さんの容姿や語り口は主人公のキャラクターにぴったり。
人間関係の距離感を示すような横方向の構図や、
全般にやや幾何的で無機的な背景も作品の雰囲気を高めている。
ピアノの低音とリズムのシンプルな音楽は
シニカルな作品のテイストにしっかりハマっていて
流れる冒頭の数分から面白い映画だと予感させられた。
主人公が新たな気持ちで一歩前に進む
ラストのオチのセリフは映画全体のメッセージを要約した象徴でお見事。
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