「オマツリサワギニ」金髪 ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
オマツリサワギニ
金髪中学生とおじさんというワード&予告のインパクトに惹かれての鑑賞。
セリフバトルと言わんばかりの言葉の応酬に、ど正論を叩きつけてくるのでかなりグサグサ刺さりました。
コメディ色強めかと思ったらしっかり現在の学校や校則というものの在り方に警鐘を鳴らしまくる作品だったので思っていた以上に疲れてしまいました。
痛々しいおじさんたちが面白いくらい登場してくるので、いるわ〜こういう人ってのの解像度が高すぎて複雑な部分もあったり。
市川先生の無意識的なおじさん化が中々に重症で、心の中やSNSでは不満を大量に言葉に起こしているのに、現実だと当たり障りのない事しか言えず、いざ言語化しようとすると同じワードを繰り返したり、否定と肯定を行ったり来たりして作中の登場人物も観客も惑わしてくる作りでモゾモゾしました。
恋人との会話の節々におっさんらしさが滲み出ていてついつい笑ってしまいました。
学校の校長や教育委員会の人たちも中々に言語化ができてない人が多く、できてる風で難しい言葉を羅列しまくっていて混乱している生徒を横目に話を進める感じは痛さが出ていて良かったです。
もっとシンプルにスパスパっと教えてくれたら良いのになと実体験が蘇ってきました笑
金髪を始めた生徒となぜか和解して結託して好感度を取り戻そうとした流れは急すぎて困惑しましたし、そこで揉めまくっているのも謎でしたし、相変わらずSNSが関わってくるので胃もたれしたりと、後半になるにつれにテンションは徐々に下がっていきました。
あと映画館で喋りまくるのは演出とはいえあんまりやってほしくないなーと思いました。
たまたま観た回で後ろの二人組がヒソヒソ喋っていてイラッときてたのも偶然とはいえ困りました。
学校の校則に疑問を持った事はかなりありまして、改めて下着の色の統一とか謎でしたし、当方ツーブロック禁止が意味不明だったな〜と観ながら思い出しました。
LGBT関連の話もあってか、女子生徒の制服がズボン可になったというのも些細ではあるけれど変化の一つなのかなとも思ったり。
髪色に関しては今まで生きてきて2回しか染めてないので、金髪にする勇気すごいな〜と思って観ていましたし、髪色で注意されてる人って周りにいなかったから地毛証明という言葉も今作でしっかり意味合いを汲み取れたなと思いました。
タバコを吸ってる映画を観てタバコを吸いたくなる現象ってのがありますが、今作を観た後は金髪って良いなという現象にさせられたのがおもろかったです。
タメになるのではなく、こういう人間もいるのだという人間観察ができるような作品で楽しめる部分も多かったですが、天丼が多すぎて飽きがちょくちょく発生してしまっていたのが惜しかったです。
不条理コメディですがもうひと爆発欲しかったところでした。
改めて先生という職の大変さに脱帽です。
鑑賞日 11/26
鑑賞時間 18:25〜20:10
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
