「全てが薄味」金髪 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
全てが薄味
予告編の印象は「良く分からないが何やら楽しそう」
加えて、岩田剛典は初めて目にした“植物図鑑 運命の恋、ひろいました”で「えらく爽やかなヤツだな」という印象を受けて以来、割と好きな男優(踊っているところは見たことがない)。また、白鳥玉季は子役で観た“ステップ”で感心し、“流浪の月”では「凄いなこの子」とさらに興味を深めた。
そんなわけで、少しだけ期待して観賞。
【物語】
市川(岩田剛典)は平凡な中学校教師。崇高な教育理念や高い理想を持っているわけではなく、大過なく日々教員生活を送りたいと思っている。ところがある日、市川のクラスの生徒たち全員が髪を金色に染めて登校し、学校は大騒ぎになる。彼らはそれが校則への抗議だと主張し、騒ぎは校内だけに収まらず、教育委員会やマスコミまで巻き込み、さらにはテレビで文部科大臣が言及するまでの騒動へと発展する。
市教育委員会の矛先は市川に向けられ、処分を突き付けられた市川は「なんで俺が」と不満を膨らませ、ある行動を起こす。
【感想】
ちょっとがっかり。
期待した「笑わせてくれそう」は裏切られた。想像していたよりコメディー要素は薄く、クスっと笑えたのが2~3回。大笑いできた場面は皆無。 かと言ってシリアスな内容かというと、そうでもない。若干社会派作品的テイストもあるけど、それも薄い。ヒューマンドラマとも言えない。
つまり、どれ一つとっても薄味で「何を作りたかったのだろうか?」と思ってしまう半端感が募った。
注目していた白鳥玉季の存在感も不発。俺に言わせれば彼女の魅力を引き出せていなくて、これだったら並みの子役十分だったという感じ。
岩田剛典は今作ではとぼけたキャラで笑わせてくれることを期待したのだが、これも不発。良かったと思ったのは作品のスパイス的存在感を発揮していた門脇麦くらい。役者的にも他には誰も爪痕を残した人はないない。
全てが薄味で、食べた気がしない食事をした感じ。他人に勧める気にはなれない。
【蛇足】
内容と関係ないところで1つだけ気分が盛り上がったシーンが有ったことを思い出した。映画館で市川と生徒の板緑(白鳥玉季)が話すシーンが2~3回あるが、映画館の廊下のシーンがまさに本作を鑑賞していた映画館(ユナイテッドシネマ新座)がロケ地だった。
「ここだ!!」と思わず口に出したくなった。観賞後廊下に出てここを岩田剛典と白鳥玉季が通ったんだと二度見(笑)。
実は1~2か月前に予告編のテロップで「当劇場で撮影されました」と入ったことが有ったのだが、何か問題が有ったのかその後テロップはパッタリ消えたため作品名を忘れてしまい、「あれ何の作品の予告だったんだ?」とずっと思っていた。
この作品で記憶に残るのは、ちょっと興奮したこのシーンだけだと思う。
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