君の声を聴かせてのレビュー・感想・評価
全15件を表示
違和感が最後に一気に肚落ちする
韓国映画っぽくない話と思ったら、台湾映画のリメイクでしたか。
26歳にもなって将来を決められず定職もないヨンジュンは、お弁当屋の無気力ドラ息子かと思いきや、とても思いやりのあるいい子。26歳でぶらぶらしているのは兵役を終えたばかりとか?(ぶっちゃけ、はじめのうちはストーカーっぽくてちょっと気持ち悪い)
ヨルムはティーンエージャーかと思ったら26歳。
こちらもバイト程度しか仕事していないのはなぜかと思えば、妹の世話のため。
なぜそこまで妹に心身をささげるのか
両親は聾者ながらヨルムを自己犠牲を当然とするような育て方をしていないのに、ヨルムの無意識の自己犠牲が不思議というか違和感があるが、彼女はCODAで、家族の中で自分だけ健常なので、自分が家族を守らないといけないという過剰な責任感が生まれた時からあったからだというのが分かる。
「守られる」側にしたらそこまで望んではいないのに。
母も妹も力説するように、「ヨルムはヨルムの人生を生きてほしい」それに尽きる。
人のために自分の人生をささげるような生き方をするな。
それは何もヨルムのためだけでなく、両親や妹、保護の対象と見られている側にすれば、絶えず自分たちがヨルムの幸せを搾取しているという意識になってしまうし、妹の言うように「自分の気持ちではなく、姉の期待に沿えない自分が嫌になる」ような互いに縛りあうような関係が続いてしまう。
妹・ガウル、良く言った!
賢者の贈り物みたいな、互いに相手を思いやるがゆえに生まれた軋轢がちょっとした事件になったが、この際ヨルムの考え方の軌道修正をするいい機会だったようです。
「CODA あいのうた」とも「ぼくが生きてる、ふたつの世界」とも違う話で、人の数、家族の数だけ違うストーリーがありますね。
プールで聾者をバイキン扱いするおばさん、韓国ではあんなこと良くあるの?
ヨンジュンの両親がとってもいい感じ。この親にしてこの子あり。
一人息子の彼女が聾者と知って葛藤する母も自然だし、彼女がバイトの面接に来るからってふたりで正装してカチコチで待ってんの、しかもフリップまで作っててなんか泣けます。
特にパパは、おおらかでとぼけてるだけでも素敵なのに、人の真理をついちゃってたりする(無意識)
「耳が聞こえても話の分からないやつもいる」名言です。
(ヒョン・ボンシク、良いよね、一度見たら忘れないたたずまい、この前はマブリー兄貴と共演でしたよね~)
ヨルムが聾者だという証拠がないのに、スクーターに普通に乗っているのに(韓国の運転免許事情分かりませんが)、ヨンジュンなんで確認しないんだろう、と思っていたが、それがこの映画のミソだったんですね。
ヨルムの過剰な責任感と自己犠牲精神の理由など、そうだったか、と最後に一気に肚落ちする構成。
プールでの告白がしっかり効いて(いや聞いて)いました。
さわやかで、先に光しか見えないいい映画でした。
恋に落ちて
え、え、えぇー。最後まで全然気づかなかった。
騙された。(蝶々マークなしのベスパ乗ってたのに)
スピーカーの振動で音楽を感じるところで泣きそうになったのに。
でも許せちゃう。
大学出て仕事もせず、家の弁当屋をいやいや手伝って、配達先の女の子に一目惚れしちゃう、主人公だって許せちゃう。
あんなに笑顔が素敵なお嬢さんなら、一目惚れして恋に落ちても仕方がない。
なんか普通だったらツッコミたくなるようなところでも許せちゃう。
彼女も、彼も、妹も、友達の男の子も、お父さんもお母さんも、お母さんもお父さんも、みんな優しくていい人たち。演じてる俳優さんたちも好感度高いし、何より良い話だから、なんだって許せちゃう。
こんにちは、と、ありがとう、の手話覚えた。
もう一回、最初から観てみたい。
かわいかったな。
見る人の視点に立ってみると、もっと奥深いものが描けたように思いました
2025.10.1 字幕 TOHOシネマズ二条
2024年の韓国映画(109分、G)
リメイク元は台湾映画『聴説』
耳の聞こえない女性に恋をした青年を描いた恋愛映画
監督&脚本はチョ・ソンホ
原題は「청설」で「聴説」、英題は「Hear Me: Our Summer」で「聴かせて:私たちの夏」という意味
物語の舞台は、韓国のソウル
大学にて哲学科を専攻し無事に卒業したヨンジュン(ホン・ギョン)は、やりたいことがないままに、店の手伝いをさせられることになった
ヨンジュンの母ミジョン(チョン・ヘヨン)は宅配弁当屋を営んでいて、父インチョル(ヒョン・ビョンシク)も時間があれば手伝っていた
仕方なく配達をすることになったヨンジュンは、市民プールで練習をしている水泳チームに商品を届けることになった
ヨンジュンはそこで、選手のサポートをしている女性に心を奪われ、その後、彼女と話していた選手に声を掛けた
彼女は聴覚障害を持っているスイマーのガウル(キム・ミンジュ)で、お目当ての女性は彼女の姉ヨルム(ノ・ユンソ)だった
ある日のこと、街角でヨルムを見かけたヨンジュンは、彼女のバイクの修理を買ってでて、自分のバイクを彼女に貸すことになった
親友のジェジン(チョン・ヨンジュ)のバイク屋にそれを運んだヨンジュンは、修理が終わると新車同様にピカピカに磨き上げる
そして、返すことを口実にして会い、バイクの見返りに食事に誘うことができた
だが、それ以上関係が進展することもなく、ある日を境に、彼女の態度が一変してしまうのである
映画は、台湾映画『聴説』のリメイクで、そこまで決定的な改変はなされていない
ネタバレなしの方がラストで驚けると思うが、様々なシーンでヨルムが健常者であることがわかるように作られている
最終的に、ヨルムはCODAだったことがわかるのだが、それがわかるシーンはとても印象的だった
また、耳栓をして通りを歩くヨンジュンは、彼女の世界を感じようとしていた
そして、彼女の元に行って「告白」をするのだが、それを聴いていたヨルムは、その後も彼の手話に付き合っていた
両親に合った時に初めて声を出すのだが、その理由は「彼の家庭が聴覚障害者を受け入れるかどうか」を確かめたかったのかもしれない
その辺りがもっとクリアだと良いのだが、誤解が解けてしまうことで、障害者と健常者の恋という作品の流れが壊されてしまったように思う
結局のところ、双方の思い込みが恋愛を始めさせ、その発展を阻んできたのだが、大団円に思える展開でも「取り残されたもの」は多いように思う
それは、ガウルがヨンジュンが健常者であることを知らずに終わっていると言うところで、彼女が真相を知った時にどう思うかというものが抜け落ちているからのように感じた
いずれにせよ、ガウルからすれば姉は健常者なのに、恋愛の相手に聴覚障がい者(手話を使う人)を選んでいるのはなぜだろうと思うだろうし、そもそもガウルには「ヨンジュンのふり」が看過されていてもおかしくない
映画の中でヨンジュンのセリフで「聴覚障害者は見る」と言う言葉があるので、ガウルは普通よりもヨンジュンのことを見ると思う
彼女は健常者の姉と聾者の両親の違いをわかっていると思うので、なおのことヨンジュンのふりは見破れると思う
手話ができることと、聾者であることの乖離は相当あると思うので、そのあたりの深掘りがないのは残念だったように感じた
そして、姉妹の喧嘩のシーンで「ふり」が露見してしまう方が、ヨルムがヨンジュンを突き放す理由にもなり得たと思う
だが、妹の拒絶、ヨンジュンの嘘が重なってしまうと、あの告白だけで気持ちが戻るのは無理がある
なので、ヨルムがヨンジュンと向き合うには、ガウルの感じているものを明確にした方がより深い物語になったのではないか、と感じた
自分の人生を歩みだす物語
爽やかな純愛物語を観てキュンキュンしようかと思いきや、後半、涙がボロボロ出て仕方がなかった。私の家族が主人公の家族構成とほぼ同じなものだから、親目線で見守る気持ちで観てしまった。大学を出たのに就職出来なかった息子が、配達先で会った聴覚の無い女性に一目惚れ。大学で学んだ手話を駆使し、積極的にアピールする。彼女のバイクが故障すれば自分のバイクを貸すし、彼女のために料理をしてお弁当も作る。これ程、献身的な男性が令和の日本に居るのだろうか?
そんな息子を見守る両親が優しい。母が「彼女は耳が聞こえないらしい」と言うと、父が「心配ない。耳が聞こえても話が通じない奴はいる。」と返す。確かに、大事なのは二人の気持ちが通じ合っているかですね。障がい者が出てくる話の割に悲劇的な表現も無く、映像も綺麗でストーリーも分かりやすくて、面白かったです。
姉妹両方とも可愛い
2009年の台湾映画・聴説を韓国でリメイクした作品。
26歳の青年・ヨンジュンは大学を卒業したがやりたいことが見つからず、就活に本腰が入っていなかった。ある日、彼は両親の弁当屋を手伝うことになり弁当の配達に行ったプールで、手話で会話する女性ヨルムに出会い一目ぼれした。大学時代に習った手話を使って彼女に近づこうとしたヨンジュンだったが、ヨルムは聴覚障害者の水泳グループでオリンピックを目指す妹ガウルの夢をかなえるため、バイトと国際手話教室に通う多忙な日々を送っていた。ある日、ヨルムのバイクが故障し、たまたまその場に遭遇したヨンジュンは、自分のバイクを彼女に貸してあげ、修理してあげると連絡先を入手し、自分は彼女のバイクを友人のバイク屋に持ち込み修理してもらった。そして、そのバイクを掃除して、彼女に返し・・・2人の関係はどうなる、という話。
最初にプールで出会った時、ヨルムより妹のガウルの方が美人に見えたが、韓国ではヨルムの方が綺麗とみられるのだろうか。
26歳同士という設定だったから、ん?、って思ったけど、韓国って法律上は満年齢に変わったらしいが、最近までずっと数え年だったし、男は徴兵義務も有るから、2歳半から4歳くらい大学の卒業年齢が日本と違うので、26歳は妥当な所だなぁ、と思った。
何で姉ちゃんだけがバイクに乗ってるのだろう、妹もバイクの免許くらい取れば姉の送迎は不要なのに、(最近は台湾も韓国も日本も聴覚障害が有ってもバイクの免許は取れるので)そこは最後まで謎だったが。
そして、ずっと姉妹ともろう者だと思って観てたのだが、姉妹のお母さんが、優しさと同情は違う、と言うのを聞いて、またまた、ん?、て思ったら・・・なるほど。
ヨンジュンの父が言った、耳が聞こえても話が通じないやつは多い、はまさにその通り。良い事言うなぁ、と感心してたら、母の返しも素晴らしかった。
そして、バイク屋の友人も良い奴だった。今から必死で手話の勉強しそう。
プールで聴覚障害が伝染する、と訳のわからない事を言ってハンディキャップの駐車スペースに車を駐めてたクレーマーおばさんを除けば、登場人物がみんな相手のことを思いやる心の優しい良い人たちばかりだった。ハートフルで心が暖かくなった。
ヨンジュン役のホン・ギョンが性格の良い青年を好演してた。
そして、ヨルム役のノ・ユンソは笑顔が素敵で可愛かった。若い時の早見優に雰囲気が似てた。
ヨルムの妹ガウル役のキム・ミンジュはスタイル良くて美人だった。
もう一度観たいと思える素晴らしい作品だった。
追記2025/10/1
2度目の鑑賞。ヨルムが健常者という前提で気になるところは無いかもう一度確認しながら再鑑賞した。
1.バイクを直してもらった後、2人でスタバっぽい容器でコーヒー飲料を飲んでるが、買う時声を出したのでは?
→ヨルムがヨンジュンを待たせておいて1人で買いに行ったと考えればおかしくは無い。
2.服を着たまま2人がプールに入ってるシーンで、ヨルムが、聞こえないよ、と手話でヨンジュンに伝えるシーンがある。
→自分の事じゃなく、家族(両親、妹)が耳が聞こえないけどいい?っていう意味ならおかしくはない。
3.そうだとして、これはヨンジュンの声を聴いた後だから、なぜ手話でそう伝えたのか、との疑問が出る。
→ろう者でも声を出せる人は居るから、あの時点ではまだヨンジュンは耳が聞こえないと思っていた、と考えればなんとか辻褄は合う。
という事で、決定的におかしいところは無かった、という結論にしておきます。
2度目も良かった。ヨルムが最初の時よりもっと素敵に感じた。
ラストの「隠しネタ」は残念でした
.
暴力、血、怒鳴り声が一回も登場しない、今どき珍しい大変に爽やかな映画でした。
しかし、プール場での独白のシーンで「まさか…?!」と予感した通りの、ラストの「隠しネタ登場」となって、何となく少し残念でした。あのまま完全な「ろうあ者」で幸せになって欲しかった気がします。
そりゃ、惚れるだろ
耳に障害のある女の子と恋を育むストーリーだが、微笑ましい青春に溢れている。主人公のヨンジュンは、実家の手伝いで弁当を届けに来たプールサイドでヨルムに一目惚れする。そのヨルムはオリンピックの出場を目指す妹のガウルをサポートする日々を送っているが、二人とも聴覚障害者である。ヨンジュンは、躊躇なくヨルムにアタックするが、そりゃそーだろ。彼女は癒し系の顔立ちとキュッと上がった口角がとてもチャーミングである。そして何より優しく頑張り屋さんである。そんなヨルムが心無いオバチャン達から差別的な扱いをされれば腹が立ち、ガウルの掴み掛けていた夢が遠退いた責任を背負うヨルムに対しては必死に立ち直らせる努力を注ぐ。ヨンジュンならずともヨルム自身が幸せを掴めるよう応援したくなる映画でした。
ヒョン・ボンシク最高〜♪
ママもチャーミングで素敵だったけど、
何と言ってもパパ!!
パパのとぼけた感じが可愛くて魅力的で、
人としても最高で、超好き!!
あんなセリフをサラッと言えるなんて
人間何周目か!
(コイツ、バカ!には笑ったw
あと、2人して正装してるのも笑ったw)
ヒョン・ボンシク最高!
(マブリー♡犯罪都市、第何弾?だか忘れたが、あのITのにも出てますぅ♪
ソウルの春も!)
うん!このパパとママの息子だよね!って
うんうん!納得!
ヨンジュン。超良い子。
26歳でほぼ無職?なのはもうこの際いいか!ってなるw
アポ無しで家の前に来られるのはかなり嫌だけど、これもまぁいいか!ってなる(??(^。^)
最近削られているので、人の優しさに弱いw
ヨルムの気持ちもガウルの気持ちも伝わってきました。
姉妹のママの気持ちも。。
私は初っ端からヨルムは"違う"と思っていたから(だって蝶々マークなしのベスパ乗ってるし)
いつまで2人は手話ってんの?と思ったし、
そしてなぜにヨンジュンはヨルムが"聴こえない話せない"と思ってんのか不思議だったし(だって蝶々マーク〜)
ヨルムも何故にそっち設定にしとる??と、色々、んんん??な所はありましたが、まぁ、これも見過ごせた。
だって2人があまりにもピュアピュアだったから。。。
私はもう濁っている雲っているのでね。。
(°▽°)
皆んな応援したくなるキャラでした。
(クレーマーおばさん除き!
伝染るか!ボケェ!!
この差別、偏見は誇張して描いたと信じたい。。
私、障がい者専用スペースに駐車する人凄く嫌いです)
誰かに似てるけど最後まで誰だかわからなかったヨンジュンと、
美山加恋ちゃん似のヨルムがピュアピュアしてて眩しくて、とても応援したい2人だったけど、
個人的には妹ちゃんガウル(さっしーの最上級ver??)とバイク屋君2人のキャラの方が好きだったので、
この2人のこれからも見てみたくなりました
(^。^)
(助けたの絶対彼だったと思いましたよ♪
で、その後の展開もその通りに。。w)
あんな距離感の友達がいるってイイな♪
優しい人の周りには優しい人が集まって、
幸せも集まってくるね。
困ったら助けてと言うから、その時は駆けつければいい。
自分の人生を生きよう。
人の優しさに触れた、今の私には必要な映画だった。
ありがとう。
(レイトショー。
人生で2回目の貸し切りだったぁーーー泣)
おまけ
ヨンジュンの、お店のドアの開け方にも注目
(^。^)b
リアリティは欠けても、優しさが残る映画
本作を観て思うのは、アジア映画がいかに“青春恋愛もの”という王道ジャンルの中で、社会的テーマを忍ばせる手管に長けているか、ということ。台湾映画『聴説』のリメイクという時点で、新しさよりも「どう現代の韓国社会に置き換えるか」が問われるのは自明。
一見すると単なる“弁当屋の息子と耳の聞こえないヒロインの恋物語”だが、その背後には韓国社会における聴覚障がい者への根深い偏見が横たわる。驚かされるのは、聾唖者がいまだに「伝染病のように扱われる」という描写。これは誇張ではなく、結婚や就職において「家系の欠陥」と見なされる文化的背景が現実にあるからこそ観客に突き刺さる。日本人からすると「さすがにそこまで?」と思うが、社会の偏見を映す鏡として本作は十分に機能している。
主人公ヨンジュンは、常に相手の痛みに寄り添える“理想的な青年”として描かれる。彼が自然と手話を使い、ヨルムやガウルに差別なく接する姿は、社会の冷たさとの強烈なコントラストになっている。さらに両親までが偏見なくヨルムを受け入れるのだから、これはもはや“理想的な家族像”の提示であり、監督のメッセージ性が透けて見える。社会全体に蔓延する偏見の中で、せめて映画の中では「理解と受容の共同体」を描きたい、という願望と理解した。
しかしながら、作品としてのリアリティにはいくつか難がある。まず年齢設定だ。ヨンジュンもヨルムも26歳という設定だが、弁当屋を手伝う“夢を探す青年”も、オリンピックをめざし草大会レベルで泳ぐ妹を応援する姉にしても、どうにも不自然さが残る。見た目的にも22歳前後の設定であれば自然に見えただろう。さらにヨルムとヨンジュンがお互いに「声を出せること」を長らく気づかないという仕掛けも、現実的には一緒に買い物や外食に行けば一目瞭然であり、観客によっては「ご都合主義」と受け取られる。
一方で、こうした不自然さを補うだけの映像的な詩情と、優しさに満ちた演技がある。ノ・ユンソの瑞々しい存在感、ホン・ギョンの包容力ある演技は、観客に「リアリティよりも象徴性を受け入れさせる」力を持っている。つまりこの映画は、論理的に突き詰めれば矛盾だらけだが、感情としては素直に受け止められる作品。
総じて、『君の声を聴かせて』は、恋愛映画という枠を超えて「声なき声をどう聴くか」という普遍的な問いを観客に投げかけている。『コーダ あいのうた』が家族唯一の健常者として、“家族に縛られる健常者の少女の葛藤”を描いたのに対し、本作は同じ家族唯一の健常者であるが、“家族から自分の人生を生きろと背中を押される女性”を描く。ここにアメリカ映画と韓国映画の文化的な差異がくっきりと現れているように感じる。
不自然さやご都合主義を抱えながらも、それでもなお優しく心に残る映画。むしろその矛盾を抱えたまま観客に問いを委ねるあたりに、アジア映画の底力があるのではないだろうか。
同化の気持ちは分かるんですが・・・
良かった。ほんとに良かった。台湾作品は観て無いんですが韓国映画の真髄でした。特に手話シーンのBGMが素晴らしいです。手話を知らない人への翻訳音を感じました。何故か全編手話シーン、涙ぐみながら観てました。ライブハウスシーンは我々にろうあ者の世界を体現してくれました。あのシーンにはビックリしました。彼と同じ驚愕しました。全く気づきませんでした。ひょっとしてそれ迄のシーンで暗示があったかも知れません。私が気付かない。もう一度観たいです。彼がメールで、君の声が聴きたい、を削除したシーン、意味深です。彼女の意思を、この題名に感じます。韓国映画、素晴らしい。
【”コーダの家族への献身。そして、誠実な青年との出会いをきっかけに自分の幸せも・・。”今作は、聴覚障碍者”姉妹”と心優しき青年との交流と、夫々の成長と恋する様を描いた爽やかな物語なのである。】
ー この映画では、鑑賞側に対しラストまで或る仕掛けがなされている。だが、その仕掛けは、私は気持ち良く受け止めたいと思うのである。映画製作サイドは、ズルをしているわけではないのだから・・。ー
■大学卒業後も、やりたいことが見つからず、両親が営む弁当屋で配達バイトを始めたヨンジュン(ホン・ギュン)
或る日、嫌々行った配達先のプールでヨルム(ノ・ユンソ)に一目惚れをする。彼女は聴覚障碍者で、オリンピック出場を目指す妹、ガウル(キム・ミンジュ)を手伝っていたのである。
ガウルと、手話でコミュニケーションを取るヨルムを見たヨンジュンは、大学で学んだ手話を使いながら、ガウルの練習費を稼ぐために、コンビニで食事を摂るヨルムの為に、自分で料理を作り、喜びながらも訝しむ両親をそっちのけで、弁当を届けるのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・これは、私だけかもしれないが、ずっとヨルムも聴覚障碍者だと思って観ていた。だって、彼女一言も喋らないんだもん。
けれども、良く考えると、ヨルムは作為的にヨンジュンの前では、喋らなかったのかな、と思う。
・それは、ガウルとヨルムが住むアパートでボヤが出た時に、ヨルムがヨンジュンとデートに言っていた事で心を悩まし、ヨンジュンに別れを告げるシーンから察したけれどね。
・その後、ガウルがヨルムに対し、”お姉ちゃんは、ずっと私とプールに居る。私の為ではなく、自分の人生を生きてよ!”と手話で伝えるシーンや、ヨルムが母に会いに行った時に“貴女は、私達の誇りよ。”と言っていたもんな。
・そして、ヨルムはヨンジュンの想いを改めて知り、彼の”僕の家でアルバイトしない?”と言う申し出を受けて、初めてユンジュンの、チョイ緊張した両親と会うのである。
このシーンは、紙に自己紹介や息子の事を書いていた両親の姿が、可笑しくて、それに対し、とても綺麗な声で挨拶するヨルムには、ビックリしたなあ。ええっ!って感じだったけれど、上記の事を思い出し、成程なあと思ったのである。
<今作は、聴覚障碍者”姉妹”と心優しき青年との交流と、夫々の成長と恋を描いた爽やかな物語なのである。
コミカルトーンを基調にしているが、素敵なる恋物語だと思います。
ガウルと、彼女をボヤから助けた心優しきヨンジュンの友人との、恋も上手くいけば良いのなあ。>
あっ!
そう言う事ですか!最後の展開でビックリします。二人ともバイクを普通に運転しているのだから‥ね。これを検証でもう一度観たいくらいです。あの姉妹は等身大な感じの可愛らしい姉妹でしたね。
プールサイドにいる君を見て。
両親の経営する弁当屋の配達を頼まれ、とあるプールへ届けたら“耳が聞こえず喋れない”1人の女子(ヨルム)に一目惚れしてしまったヨンジュンの話。
あの娘は誰?と学生時代に覚えた手話で1人の女性(ガウル)に聞いてみれば、気になる彼女の妹と分かり…、ある日バイクの故障で立往生してるヨルムとの再会から2人の距離が縮まり始めるが…。
リメイク作品なんですね~良かった!
好きな娘にピュアなヨンジュン、妹の夢が私の夢と自分の生活より妹、家族に合わせがちな姉ヨルム、姉の期待に応えようと合わせ頑張る妹ガウルって感じの人物像ですかね。
ガウルの察する優しさ、その中でヨンジュンとヨルムの縮まる距離…、デート中に起きてしまった事故でまた出来てしまった2人の距離に切なさを感じながらも。ヨルム母の“娘の性格は分かってる”優しさだったり、ヨンジュン父の「耳が聞こえていても話が通じないヤツはいる」って言葉が印象的だし笑えて泣けて。
終盤ラストのプールで向こうを向くヨルムに話かけるヨンジュン、ヨルムのリアクションに!?両親の経営するバイト面接で…なるほどそういうオチできたか!でやられました(笑)
とりあえず本作観ててずっと思ってたのはヨルム役 の女子も可愛いけどガウル役のキム・ミンジュが可愛いすぎ♡
上手いね!
換骨奪胎、いや褒めてるんですけど。
ちょっと中盤トロい展開でしたが、惨事が無くて良かったのかもしれない。最初姉妹で?と思ったのも違ってほっとしました。
何と言っても、クラブビート体感とお父さんの言葉に泣けるよ。
全15件を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。