君の声を聴かせてのレビュー・感想・評価
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女優二人が魅力的 最後のサプライズも良かった
韓国映画はあまり観ないですが予告で観たノ・ユンソのルックスに惹かれて観ました。可愛かったですね。
妹役のキム・ミンジュも良かった。こちらは美人タイプ。韓流アイドルも詳しくないもので・・、元IZONEなのですね。通りでです。
最後の二つのサプライズも良かった。
それを知ったうえでもう一回観てもいいなと思いました。
最後に以外なことが連発
爽やか!!!
私は姉推し
軽すぎる作りが勿体ない良作。
さわやか
やはり、可愛い
ネタバレ大厳禁
CODA(聴者)
心の声が響くラブストーリー
■ 作品情報
監督はチョ・ソンホ。主要キャストはホン・ギョン、ノ・ユンソ、キム・ミンジュ。脚本はナ・ジェウォン、クァク・キョンユンが担当。製作国は韓国。2009年の台湾映画「聴説(Hear Me)」の韓国リメイク作品。
■ ストーリー
大学を卒業したものの夢が見つからず、実家の弁当屋を手伝うヨンジュン(ホン・ギョン)は、配達先で手話を使って話すヨルム(ノ・ユンソ)に一目惚れする。大学で手話を学んだ経験を活かし、ヨンジュンはヨルムに近づこうと試みる。しかし、ヨルムは聴覚障がいをもつ妹ガウル(キム・ミンジュ)のオリンピック出場という夢を支えるため、自分のことを後回しにして日々を懸命に生きているのだった。登場人物たちのコミュニケーションの大部分が手話によって描かれ、言葉の壁を超え、心で通じ合うことの尊さが丁寧に紡がれていく。それぞれの抱える葛藤や、夢への情熱が交錯する中で、彼らの関係がどのように変化していくのかが見どころとなる。
■ 感想
登場人物たちの純度100%の優しさに心を温められます。特に主人公のヨンジュン、ヒロインのヨルム、そしてその妹のガウルが見せる、ひたむきなまでの優しさは、心に深く染みわたります。ヨンジュンが、一目惚れから真っ直ぐにアプローチする姿も、相手を思い身を引く決断も、彼の純粋な優しさや誠実さが伝わり、心から応援したくなります。また、妹を全力で支えるヨルムと、姉の期待を一身に受けて努力するガウルの姉妹愛も、胸を熱くさせるものがあります。互いを大切に思うがゆえに、知らず知らずのうちに自分自身を見失いかけている二人の姿は、切なくも深く共感を覚えます。
そんな三人の優しさの背景には、豊かな愛情とあふれる人間味で彼らを育て上げた両親の存在があります。親たちが子どもたちの成長を後押しする姿や、作中で語られる含蓄のある言葉の数々は、物語に深い奥行きと説得力を与えています。特にヨンジュンの父の「聞こえていても話が通じないやつが多い」という言葉は、現代社会にも通じる名言だと強く印象に残ります。
物語の導入部分は少々できすぎていると感じる部分もありますが、その後の展開は非常にスムーズで、終盤のサプライズも巧みです。恋愛、家族、人生といったテーマが絶妙なバランスでわかりやすく描かれており、見終わった時にはタイトルに込められたダブルミーニングに深く唸らされます。聴かせてほしかったのは、言葉としての「声」だけでなく、自身の人生をどう生きるのかという、心の底からの「声」だったのでしょう。
大事なのは恋のチカラ
96点/☆4.6
彼は気づいていた。
だからあの時テキストメッセージを送ろうとして止めた。
自分の手によってではなく、彼女自らの意思でその壁を越えて、声を聴かせてくれると信じていたから。
何度も観たくなる映画は、人生の中でそう出会えるものではない。
本作はまさにその一本。初めて観るとき、その美しさと切なさに心を奪われる。
そして二度目、真実を知った後では、物語の深みが胸を貫く。
この映画は、知らないままと知ってからでまったく異なる顔を見せる。
2025年NO.1恋愛映画候補。
夏の陽光とバイクの疾走音。この二つが交差する瞬間、なぜか心がざわめき、恋の予感に胸が高鳴る。それはまるで、青春の記憶に刻まれた普遍的なメロディ。
今作は、台湾映画『聴説』の韓国版リメイクとして生まれ変わった作品。
オリジナル版を日本で観る術は現時点で見つからず、ほろ苦い思いを抱いたが、このリメイクは独自の輝きを放ち、観る者の心を掴んで離さない。
聴覚障害をテーマにした作品は、近年、国内外で注目を集めている。日本のドラマでは古くは『愛してると言ってくれ』『オレンジデイズ』最近では『silent』が印象にある。
映画では『コーダ あいのうた』がアカデミー賞を受賞し、深い感動を呼んだ。
恋愛映画としての枠を超え、聴覚障害者の視点や葛藤を丁寧に描き出す。
設定には既視感があるかもしれない。
確かに「王道」や「ベタ」と呼べる要素も多い。だが、その親しみやすさが本作の力。
すべてのシーンが心を込めて紡がれ、どの瞬間も名シーンとして記憶に刻まれる。
本作の真髄は、細部まで計算されたシーンの数々に宿る。どの場面も、観る者の感情を強く揺さぶる。
バスの絆:混雑したバスの中で、姉と妹が主人公を介して手話で会話を交わす。スマホで連絡すれば事足りる時代なのに、この場面にはそれ以上の意味がある。
言葉を超えた、心の通い合いがそこにある。まるで、家族の絆が一瞬の静寂の中で輝くよう。
クラブの鼓動:若者たちが集うクラブで、爆音のスピーカーに手を置き、音の振動を共有する場面。
日常の喧騒から一歩踏み出し、相手の心に寄り添おうとする優しさがある。
音楽の振動は、言葉を超えた理解の架け橋。このシーンは、純粋な思いやりが胸を温める瞬間として心に残る。
妹の叫び:事故で水泳の夢を絶たれた妹が、抑えていた本音を吐き出す。
「私の人生は私のもの。なぜ姉が私の夢を生きようとするの? 姉の人生は誰が生きるの?」
誰も悪くない。ただ不運が重なっただけ。なのに、なぜこんなにも胸が締め付けられるのか。
姉妹のあまりの優しさが、観る者の心を深く抉る。
「夢を失う痛みより、姉を失望させる方が辛い」と涙ながらに語る妹の言葉は、スクリーン越しに魂を揺さぶる。
夫婦の絆:息子が聴覚障害の女性と恋に落ちるかもしれないと知り、不安を口にする母。対して父は軽やかに返す。
「耳が聞こえても、話が通じない人もいるよ」その言葉に、母は微笑み「だから私はあなたに恋に落ちたの」と応える。この短いやりとりに、夫婦の信頼と愛の歴史が凝縮されている。さりげない会話が、観る者の心を温かく包む。
母の想い:回想として差し込まれる彼女の母の言葉は、決して派手ではないが、心に強く残る。
「私たちと同じように生きようとしている。でもそれは同情よ。たとえ、あなたは違う世界に生きていたとしても、家族という同じ世界で生きている。だから、あなたの人生を歩みなさい。あなたに出逢えたことが、私の人生で最高の出来事」
普遍的でありふれた言葉かもしれない。特別な技巧も、難しい表現もない。
それでも、純粋無垢な気持ちがまっすぐに響き、乾いた土に降る雨のように静かに沁みこんでいく。
自分のせいではないのに自分を責め、誰かを傷つけないために距離を置こうとする切なさ。
それでもなお、相手を理解しようと寄り添う優しさ。その優しさが、本作のあらゆる場面に息づいている。
冷たいプールの水の中で過ごした10年。夢と痛みを抱えながら彼女たちが積み重ねてきた時間を想像するだけで胸が締め付けられる。
相手の立場に立てなかった自分を省み、もっと寄り添いたい。そんな思いが心に湧き上がる。
そして終盤。プールで再会する二人。
胸の高鳴りは最高潮に達し、この瞬間、観客の多くは彼女の秘密に気づいている。知らないのは彼だけ。
いや、彼ではなく、秘密を知らないのは彼女だけなのかもしれない。
“ 知らない彼”の声を背中で受けとめる。
そして振り返ったときの笑顔に、思わず涙が溢れた。
サインネームの理由が本当の意味で結びつき、彼女の“心の声”が聴こえてくる。
タイトル『君の声を聴かせて』が、ここで真の響きを持つ。
本作は、恋愛映画という枠に収まらず、優しさが生み出した、人生の儚さと美しさを紡ぐ物語。
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