「伏線の張り方はピカイチ、恋愛演出が惜しい王道ラブストーリー」君の声を聴かせて みうさんの映画レビュー(感想・評価)
伏線の張り方はピカイチ、恋愛演出が惜しい王道ラブストーリー
THE王道ラブストーリーで上映時間も短くサクッと観られてよかった。
展開はありふれたものなので触れるところは特にないものの
オチに繋がる伏線の張り方は驚くほど丁寧で、絶妙な違和感の作り方がうまいと思った。
おばさんたちが暴言を吐くシーンやガウルが家を出ていくシーンなど、割とヨルムが些細な音を拾ってリアクションを取ることが多く、“なぜ気づいたんだろう”と思う描写がたくさんあったのでオチは必然的に読める。
ただ最後までタネあかしを引き伸ばすので、ミスリードか…?とも感じてしまいやすい。
もう少し早くに明かしてしまったほうが、気づいてない人もしらけにくいのかなとは思った。
(「同情」が吹っ切れたからこそ発話した、という演出だったのだと思うが…)
あと要所要所の発言や恋愛描写が気になるのはさておき
個人的にもったいないなと感じたのは夢の描き方。
作中でも恋愛との2軸になるテーマだっただけにどうなるのかなと思ったが、少しわかりづらい。
ヨンジュン→好きな人を笑顔にする(ご飯を作る・食べさせることで達成)
ヨルム→好きな人と人生を歩む(ヨンジュンの親の店で働くことで達成)
というラインは見えたのだが、「2人であれこれやってみて夢を探そう」というセリフに反して呆気なく見つかったので、個人的にはここが一番肩透かしだった。
もう少し二人で「あれこれ」やった先に、この夢に落ち着いてもらいたかったところ。
ここがあればもう少し青春ラブストーリー感も出たはず。
エピソード配分でも姉妹関係のウェイトが重くヨンジュンが霞んでしまうこともあり、そう思わざるを得ない。
違和感の演出こそよかったが、恋愛ドラマの見せ方・演出が惜しい印象。
ただデートムービーにはちょうどいい映画なので、王道ラブストーリーが好きな方にはお勧めしたい。
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