「【”ミート・イズ・マイン”今作は、過去に心に傷を負ったり、生きづらさを感じながら新宿歌舞伎町界隈で生きる心優しき様々な人達の姿と共に、その生き方そのものを肯定的な視線で描いた作品である。】」ミーツ・ザ・ワールド NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”ミート・イズ・マイン”今作は、過去に心に傷を負ったり、生きづらさを感じながら新宿歌舞伎町界隈で生きる心優しき様々な人達の姿と共に、その生き方そのものを肯定的な視線で描いた作品である。】
ー 松居大悟監督の作品は、ソコソコ映画館で観て来たが、「これなずめ」「ちょっと思い出しただけ」など、人間を優しい視点で描いた作品が特に好きである。
今作も、その中に入る作品だと思う。-
■BL好きのユカリ(杉咲花)は、それに引け目を感じつつ銀行に勤めている。ある日、銀行の飲み会で潰れた彼女が、町の片隅で壁に寄りかかっていると、優しく声を掛けて来たキャバクラ嬢のライ(南琴奈)。銀行の人は、誰も介抱していないのに・・。
ライは、彼女を自分のマンションの家に連れて行くが、その家の中はゴミだらけで、驚いたユカリに言った言葉。”アタシ、死ぬから。”
ユカリは驚きつつ、ライの部屋を掃除し、奇妙な同居生活が始まるのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作に登場する人たちは、皆、とても優しい。
ライもそうだが、ライの知り合いで妻がいるNO1ホストのアサヒ(板垣李光人)や、アサヒ達の行きつけの酒場のゲイの店主(渋川清彦)、過去に漸く出来た幼い娘を窓から投げ捨てる夢を見て、荒んでしまい、幼い娘を旦那さんに渡し離婚した作家のユキ(蒼井優)など、皆、人間として優しいのである。
・彼らはユカリに対しても、偏見無く接する。(というか、BLって何でイケナイの?と思うんだな。)
そんな彼らに、ユカリは銀行の同僚たちとは違うものを感じ、素直に自分の気持ちを打ち明けて行くのである。
この辺りのユカリの心が変わっていく様を杉咲花さんが、見事に演じているのである。
・或る日、ライが300万を残して失踪してしまう。その300万は、ユカリが”300万あれば、ライみたいに綺麗になるのに。”と言ったからである。十分にユカリは綺麗なのに、彼女は、自己肯定感が異様に低いのである。
・けれども、ユカリはライが言っていた”昔、一緒に住んだ事もあり、今でも好きな男”を探しに、アサヒと共に彼がいる大阪まで探しに行くのである。
ー この、二人で大阪に行くシーンはこの作品の流れの中でアクセントになっている。ー
■アサヒとユカリは大阪グルメを楽しむ中で、アサヒは自分をNO1ホストにするために協力していた妻から離婚を切り出されている事を告げるが、ライの想い人を探すのである。
漸く、探し当てた元恋人の家。だが、出て来た母親が告げた言葉は”息子は、ライさんのところから戻ってから、精神を病んで病院に入っているのです。昔はライさんと一緒に来た事もあるんですよ。”と告げるのである。
ライだけではなく、彼女と別れた元恋人も、傷ついていたのである。
・その後、東京に戻った二人だが、アサヒは彼を頻繁に指名していたストーカーの様な女に刺されてしまう。だが、彼の病室には酒場のゲイの店主、ユキ、ユカリが見舞いに来ている。アサヒの同僚たちも見舞いに来る。皆、優しいのである。
・ユキが、久しぶりに27年住んだ実家に”ミート・イズ・マイン”のグッズを取りに帰った時に、母(筒井真理子)から”貴女の幸せを願っているのよ。”と言われるが、逃げるように家を出るユキ。
彼女にとっては、母も馴染めないのであろう。”ミート・イズ・マイン”のグッズは、なるべく見えないようにしてあるから・・。
ー 母娘でも、分かり合えないのに、他人たちライ、アサヒ、ユキたちとは分かり合えるユキ。その理由はお互いの価値観を否定せずに受け入れる姿勢なのだろうと思うのである。-
・そして、掛かって来たライの元恋人からの電話。抑揚のない声で喋る男(多分、菅田将暉)。このシーンは、イロイロな解釈の仕方があると思うが、重要なシーンだと思う。
<ユカリは、ライの家を大屋に許可を受け自分の家として住んでいる。そこには、彼女が本音を言える人達が集うのである。
今作は、過去に心に傷を負ったり、生きづらさを感じながら新宿歌舞伎町界隈で生きる心優しき様々な人達の姿と共に、その生き方そものものを肯定的な視線で描いた作品なのである。>
共感ありがとうございます。
ミートイズマイン、ミーツザワールド、ワールドイズマイン、どんどん言葉が繋がっていく感じですね。
ところでNOBUさんの鑑賞数グラフがピッタリ横這いですが、本数とか大体決められてるんですか?
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