「福田色再び!!!」新解釈・幕末伝 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
福田色再び!!!
邦画界に文芸作品がしっかり生き残って欲しいと願う一方で、対極にあるような福田雄一監督作品も俺は好きである。何が好きかって、福田作品の突き抜けた笑いだ。バカバカしさをこれでもかと“真面目”に突き詰めている姿勢だ。
そんな福田カラーを期待して観賞。
【物語】
歴史学者小石川二郎(市村利親)が独自の研究成果として、幕末の英雄とされる土佐の坂本龍馬(ムロツヨシ)と薩摩の西郷隆盛(佐藤二朗)について、桂小五郎(山田孝之)や龍馬の妻おりょう(広瀬アリス)らを交えたエピソードを紹介し、実像に迫る。
【感想】
期待通りの作品だった。かなり笑えた。
福田作品の特徴を一番表しているのは“勇者ヨシヒコ”ではないかと思う。ゴールデンタイムでは絶対流せなかったであろう、ニッチな視聴者を狙った深夜ドラマであり、福田流“バカバカしさ”が存分に詰め込まれている。その頃の福田作品は映画でもその福田イズムが貫かれており、俺は“女子ーズ”、“HK 変態仮面”で福田ファンになった。その頃は制作側も興行的大ヒットは期待していたとは思えず、福田監督も思うがままにやれたのだと想像する。ところが“銀魂”の大ヒット以後ヒットメーカーになり、大ヒットを期待される監督になってしまったためか、最近の作品はやや福田監督らしさが薄まってしまったような印象を受けていた。
が、今作は福田監督らしさが炸裂。
ムロツヨシ、佐藤二郎というマイナー監督時代からの常連というか、福田組の2本柱とも言える二人を主演に据え、加えて“勇者ヨシヒコ”シリーズ主演だった山田孝之をメインにキャスティグしたことが、あの福田カラーを再度ぶちまかせることができた要因なのかと思う。
今作では終始ムロツヨシが、“らしさ”を全開してくれているが、俺が一番笑ったのは薩長同盟交渉シーンの山田孝之だ。
山田孝之と言えば、様々なキャラを演じてきているが、今や40代では代表的男優の地位を築いているのに「そこまでやるか!!」という振り切った演技に笑いが止まらなかった。コントとは違う笑い顔などは一切見せないこの“真剣さ”が福田イズムの真骨頂とも言えるだろう。
一方、佐藤二郎は今作ではなぜか極めて大人しい。ムロとは対照的にあえてそういう演出にしたのだと思うが、ムロ・山田の演技の前で良く無表情をキープできるなと、逆に感心。紅一点とも言える広瀬アリスも出番は多くないが、見事に振り切った演技で爪痕を残している。
クセの強い福田作品は好みによって評価は分かれると思うが、福田ファンには嬉しい一作になった。
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