「シリーズファン向け、かな?」死霊館 最後の儀式 くめいさんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズファン向け、かな?
初めにタイトルについて断っておきたいが、『シリーズファンしか楽しめない』わけではない。『死霊館』シリーズ、というかジェームズ・ワンっぽい『派手で楽しいホラー』なシーンは色々とあり、単なるホラーファン、または全く初見の人でもそれなりに楽しめると思う。
ただ、『死霊館』シリーズは悪魔の禍に理不尽に見舞われつつ立ち向かう家族の絆がメインで、今回はこれまで絆に寄り添い悪魔祓いしてきたウォーレン夫妻が中心の家族になる話である。
なので前半はウォーレン夫妻、その娘のボーイフレンドがどうのという話が続く。一応メインステージになる他の家族を舞台にホラーが挟まれるのだけれど、この夫妻に思い入れのない初見の人には今一つ間延びするシーンに感じられると思う。
私はシリーズのファンであり、必然的にこのウォーレン夫妻が大好き。二人で微笑み合ってるだけのシーンですらほっこりして観れるくらい。
その二人の娘の誕生、娘が長じて連れてくるボーイフレンド、そしてエドの病気といった家族のストーリーも楽しめた。
ホラー・シーンについてはそれほどパワーアップしているようには感じないが、全体的に『2』に近いテイストを感じた。『1』ででたウィンドベル、『2』でおなじみ逆十字、捻じれ男を彷彿とさせるアナベル、ラストで観客に紛れたあの人と、ファンへのサービスもてんこ盛り。初見でも楽しめるとは言ったが、やはりシリーズを観てきてこそ真価を感じられる作品だった。そういう意味なら☆4をつけたい。
これでウォーレン夫妻も見納めかと思うと寂しい。娘かボーイフレンドを主人公にしたスピンオフを、という期待も持ちたいが、『史実に基づく』という根幹に背くのはやはりシリーズとしては受け入れがたい。
『ラ・ヨローナ』のようにユニバースの拡張として、なら新作を期待したい。
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