「「12年の恐怖、ついに完結。絆と戦慄の最終章!」」死霊館 最後の儀式 leoさんの映画レビュー(感想・評価)
「12年の恐怖、ついに完結。絆と戦慄の最終章!」
鑑賞前は正直、「本当にこれが最後なのか?」という疑念を持っていた。
よくある“閉店セール”方式で、また次回作が出るのでは?と勘ぐっていたのだ。
しかし――
観終わったとき、「これは本当に最後だ」と確信した。
特にラストシーンの演出が、その思いを強く印象づける。
「死霊館」シリーズ本編は4作、アナベル編が3作、シスター編が2作。
合計9作品で構成された“死霊館ユニバース”は、ついに完結を迎えた。
このシリーズの特徴をおさらいする。
※「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」は対象外
◆ 共通テーマ:「家族の絆」と「信仰の力」
このシリーズに共通するのは、家族の強い結びつき。
特に本編「死霊館」シリーズでは、毎回“家族愛”と“信仰”が試される構造だ。
シリーズの典型的な展開は以下の通り👇
・引っ越し先で怪異が起こる家族
・同時にウォーレン夫妻も不吉な予兆を感じる
・家族から依頼が入り、夫妻が現地へ
・家族の誰かが悪魔に憑依される
・深夜、パジャマ姿で家族が家から逃げ出す
・ロレインが霊視、エドが命がけの祓いを行う
『最後の儀式』でも、そうした“お約束”の構成を踏襲しつつ、シリーズ最大規模の除霊シーンが描かれる。ちなみに妻のロレインは俗に言う〝みえる子ちゃん〟で霊視、降霊ができます。更に夫のエドはカトリックの信仰に基づき、教会関係者と協力して悪魔祓い調査を行っていた民間研究家。最強コンビです。
◆ ウォーレン夫妻の「人間味」ある儀式
ウォーレン夫妻は常に「家族との信頼関係」を重んじる。
夫婦は怪異に悩まされる家に寝泊まりし、家族と共にパンケーキやワッフルを一緒に作り、ギターを弾きながら交流する――。
特に死霊館の二作目「エンフィールド事件」では、容赦ない悪霊の攻撃に、疲弊したシングルマザーと5人の娘を慰めようと、エドがフォークギターで弾き語りをします。
その曲が、エルビスのキャント・ヘルプ・フォーリング・イン・ラブ(好きにならずにいられない)。エドは、プレスリーのモノマネで歌い場を和ませます。
恐怖の連続の中で、映画を鑑賞している側も心安らぐシーンです。
こうした人間的な絆づくりが、実は最強の悪魔祓いなのかもしれない。と思わせる名シーン、名演出です。
◆ 呪物コレクションの系譜
シリーズを通して登場した“呪物”たち:毎回、事件を解決すると、その戦利品としてエドは呪われていた物、呪物を自宅に持ち帰り地下倉庫に大切に保管している。それは・・・
• アナベル人形
• 勝手に鳴り出すオルゴール
• 呪われた金貨
• イースタン航空の飛行機事故の破片
• そして今回の「呪いの鏡」他
これらはすべて、実在する「ウォーレン夫妻のオカルト博物館」にコレクションとして保管されています。
現在は、ウォーレン夫妻の娘・ジュディの夫トニーが、エドから引き継いで管理しています。しかし、ファンの殺到により一般公開は停止中だという。
◆ シリーズ完結を告げる“別れ”の演出
『最後の儀式』では、過去シリーズのキャラクターたちが走馬灯のように登場。
特にゴードン神父(スティーブ・コールター)しかし本作で残念ながら非業の死を遂げる。これまで4作品に登場し、ウォーレン夫妻の良き理解者でもあった彼の葬式シーンはユニバースの完結を違う形で実感させる。
また、助手ドリュー(シャノン・クック)が、エドの誕生日パーティーで卓球を皆で楽しんでいる時に、ウォーレン夫妻の娘の婚約者のトニーへ卓球のラケットを渡し、これからは君がウォーレン家をフォローしなさいと言わんばかりに「次は君の番だ」と告げる場面も印象的。ウォーレン家の魂が受け継がれることを示唆している。
そして、ラスト。
ジュディとトニーの結婚式には、『死霊館』『エンフィールド事件』で助けられた母娘たちが参列。感謝と祝福に包まれたそのシーンで、“恐怖の連鎖”が愛によって断ち切られる。
そして、実際のジュディ&トニー・スペラ夫妻もカメオ出演しているので要チェック!
◆ 評価とまとめ:ありがとう、死霊館ユニバース
ホラー映画としてだけでなく、家族・信仰・愛を描き続けた「死霊館」シリーズ。
12年間、ホラーファン・オカルトファンを楽しませてくれた功績は大きい。
恐怖と感動をくれたシリーズに、心から感謝したい。
シリーズの集大成にふさわしい最後。ホラーでありながら“温かさ”を感じる完結編だった。
※あとがき
で、ここまで解説してきて、最後に言うのも何ですが、噂によると、死霊館はテレビ・シリーズ化するかもしれないらしいです。あしからず・・・・。
以上
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